header
CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< May 2008 >>
SPONSORED LINKS
ARCHIVES
CATEGORIES
MOBILE
qrcode
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
Olle Eksell展始まりました

明日の展覧会オープンを前に、今日はオープニングパーティがおこなわれました。
DM納品が遅くなったので、パーティに集まるか心配でした(スウェーデン大使からのスピーチがあるというのもあり)が多くの人に来ていただいてひと安心。大使も満足していただいたようで、よかった、よかった。
 

パーティ時の会場。ピーク時はもっと人が多かったです。


フードはシンプリシティによるもの。ここの会社、燕子花の内装とかやってたり、ウチでも使ってる茶碗や湯のみなど陶磁器も作っていたり、東山東京や東屋というレストランやバーもやってます。ケータリングは普段はあまりしないそうです。
 

大使からのスピーチ。結構長くしゃべってくれました。それよりも、台本無しでこれだけオーレさんの事を語れると言う事は、それだけオーレさんが偉大だった事が分かります。話の中に「スウェーデンで最初のモダン・デザイナーだった」というフレーズがありました。会場に来た人も、ほとんどがオーレさんのことを知らない。だけど、その場にいる人をみんな幸せにさせる。そんな魅力ある作品を生み出した人です。
オーレさんはアストリッド・リングレーンスティグ・リンドベリとも仲良かったそうです。
 

今回の展覧会タイトル。日本語で「デザインって何?」
 

入り口に吊るしたバナー。オーレさんの64年に出版した本「デザイン=エコノミ」の冒頭に登場する投げかけです。
この年、ストックホルムの中心、セルゲル広場に「スウェーデンビジネスセンター」が建ちました。スウェーデンが初めて本格的にデザインに取り組んだ施設。オーレ氏はそこで「これから始まるのか?」それとも「これで(これを建てて)全てとするのか?」と問い、当時の経営者に向けて「デザインって何?」「デザインで何ができるか」を検証していきました。
 
オーレさんは戦後間もなくアメリカに奥さんと留学しています。デザインってその頃はまだ構成主義とか、芸術運動の一環に過ぎなかった。オーレさんが見たアメリカは産業とデザインが密接に絡み合い、広告やパッケージなどデザインで社会が変わっていた。田舎で保守的なスウェーデンから来たんだから、相当なカルチャーショックだったと思います。スウェーデンに帰ってからは地元新聞にコラムを持たせてもらいデザインと経済の可能性を書き続けました。

新聞記事の一部を紹介してます。
 

そして、その新聞用に挿絵として書いたイラストの原画です。手前のひげのおじさんはスウェーデン・デザイン界のキーパーソン。アンダース・ベックマンです。彼は1955年に開かれたヘルシンゴー万博のプロデューサーであり、多くの優秀なデザイナーを輩出しているベックマンズスクールの創立者です。もちろんオーレさんの友人でもあります。


一番奥はスウェーデンのチョコレートメーカー「マゼッティ」社のコーナー。オーレさんが手がけたロゴマークのココアアイズは「品質を監視する」と言う意味ですが、もっと昔から目のモチーフは使われていて、どこか植民地政策時代にアフリカの奴隷を監視するっていう意味が本当のような気がします。
 

オーレさんがデザインしたマゼッティ社のパッケージ類。
 

これはビニールバッグやPOPなどの販促物。
 

社内で使用したレターヘッドや請求書など。こういった一般の人の目に触れない部分にもデザインを行き届かせるのがコーポレート・デザイン・プログラムの考えです。スウェーデンではもちろん初めての試みで、この時代、世界的に見てもアメリカのIBMやCBS、ドイツのルフトハンザやブラウン、イタリアのオリヴェッティなど数えるほどしかありません。
 

マゼッティ以外の企業の仕事コーナー、ラッピングペーパーやクリスマスカードなどもデザインしています。
 

これはイギリスのTPというお菓子メーカーのコンペに出したパッケージのアイデアと、AGIの会員として亀倉雄策と共にロンドンで展示会をやったときのディスプレイ。
AGIと言えば、オーレさんが昨年亡くなった時の追悼文(オランダのデザイナー、ベン・ボスが捧げた)がHPに載ってます
 

オーレさんが手がけたトレードマークの一部。試作品なども多いです。国もスウェーデンだけでなく、ノルウェイやデンマーク、スイスやドイツの企業のものもあります。
 

オーレさんが手がけたブックデザインのコーナー。特にボニエルズという出版社のペーパーバッグは10年間で数百冊デザインしたそうです。ブルーナのブラックベア並です。
 

ポール・ランドの奥さんのアン・ランドが原作、オーレのイラストによる絵本「エドワードと馬」の左が原書、右はこの本を作る時に文字の指定をした原画。
 

これも左は「エドワードと馬」の原書と右は原画です。
 

鳥をモチーフにしたサインです。直筆で手作りの作品です。
 
イベントは5/30(土)〜6/15(日)(月曜定休)でやってます。
スウェーデン以外では世界で初めておこなわれる展覧会で、オーレさんの原画やオリジナル作品を見る機会は今後無いかもしれませんので是非見に来てください。
場所はcollexの下のギャラリー・スピークフォー。上のcollexではウチが製造したオーレさんのオリジナルグッズから、デッドストックの書籍、古本が売られています。
しかも、北欧ビンテージやグラフィックデザイナーの絵本も充実してます。
 
さらに今回はスウェーデンから山本由香さんが来て、トークショーが行われます。
山本さんの名前を知っている人は少ないと思いますが、北欧関係の雑誌や特集を見ると目にします。またもっと知られているのはこれとかこれとかこれの著者です。北欧好きや雑貨好きだったら一度は目にした事があると思います。そんな山本さんはオーレさんとも生前から交流があり、奥さんのルーセルさんから誰よりも昔の話を聞いている人物です。
彼女のトークショーが6/7(土)の16:00~おこなわれます。
オーレさんはもとよりスウェーデンの日常デザインの話をしてくれるそうなので、北欧好き、雑貨好きは必聴ですよ!
定員になり次第(40人)締め切りますのでご興味ある方は急いでください!
参加は無料です。予約、問い合わせははcollexのここに紹介されています。
| Graphic | 23:55 | comments(2) | - |
Eamesの展覧会

3ヶ月ほど前、AXISギャラリーのS野さんからメールが久しぶりに来ました。なんでもAXISの企画展で5月にEamesの生誕100年のイベントがあるので作品を展示用に貸してくれないかということでした。メインは彼の遺した100の言葉と、100枚の写真という事で結果的には純粋にその2つをちゃんと見せる構成にするので貸し出しはありませんでした。
偶然にも、ウチの妻が某ショップのディスプレイのために、イームズの作品集を本棚から引っ張り出していて、彼の家具よりも映像作品や、写真をあらためて見て感動していたので凄くタイムリーな話題でした。
僕はイームズの本業は映像作家だと思っているので、彼の作品の真骨頂はフィルムにあらわれていると思います。誰かに聞いた事がありますが、アメリカの公文書館(日本で言う国会図書館のような国の歴史的な資料をアーカイブしているところ)の全資料のうち、10数パーセントがイームズの写真だということです。つまり、大げさにいえばアメリカの歴史の10数パーセントをイームズが担っているということです。
 
今日、そのイベントがはじまり打ち合わせの前にオープニングパーティにちょこっと顔を出させてもらいました。飾られている写真を見ながらS野さんと「イームズってやっぱり変だよね〜。だって旅行に行って配管のアップ写真なんか撮ろうと思わないもん」などと話していました。僕も旅行に行くとイームズと似たような写真ばかり撮っています。いつか忘れたけど、10代前半の時にイームズの写真を見て衝撃を受けました。同時期に奇しくも現在銀座で展覧会をやってるアラン・フレッチャーの写真にも衝撃を受けて、この2人から僕の撮影のスタイルは明らかに変わりました。ごくあたりまえな日常や旅で見かけるものなのに、あたりまえすぎてそこに面白さや美しさを気づかない事が多い。彼らの写真はそういった日常の面白さを教えてくれるのです。今でもウチの仕事の多くのインスピレーションはそういった発見と旅の空気感から生まれています。
イームズもこういった写真を通して、インスピレーションの源にしていた。今のクリエイターは器用で交渉上手になったけど、こういった純粋さを僕はあまり感じません。
 
F崎さんのブログ、ココカラハジマルでも触れられていますが、50年代の「工芸ニュース」を読んだ時、剣持勇が外遊の際、イームズの写真とイームズ、ジラルドの家の民芸品コレクションにいたく感動したことが書かれていました。剣持の作品集の中に「その発想の根」というのがあって(下の写真)、映像作家のイームズと比べるとやっぱり写真の上手さでは劣りますが、彼なりの視点を興味深く見る事が出来ます。さらに彼は写真の順番などもちゃんと編集をしており、ビジュアルブックとして完成されています。



古い雑誌で剣持が青山でやっていたセレクトショップ「リビングアーツ」の店内を見る事もあったんですが、店内に自分の撮った写真をまさに巨大なハウス・オブ・カーズのような立体オブジェにしてディスプレイしていたのも見た事があります。剣持がどれだけイームズに影響を受けていたのかが分かります。
 
僕なんかもイームズの写真を見るたびにその視点の面白さに「やられた!」と思ってしまうんですが、そういった部分に感動するんでしょうか?もしみんな感動していたら、もっとデザインの世界は豊かになっていると思わないでも無いのですが。。。

| Design | 23:52 | comments(0) | - |
| 1/1PAGES |