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ターナー・プライズ

GW真っ最中にも関わらず、森美術館で始まった「英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展」を観に行ってきました。
音楽のグラミー賞や映画のアカデミー賞のようにイギリス現代美術を代表する話題の賞で、ターナーとは19世紀初頭に活躍したイギリスのロマン主義画家J.M.W.ターナーの名前をとった物なので、アカデミー、グラミーよりはトニー賞とか芥川賞とかに近いかもしれません。最近では賞の模様をテレビ放送していることもあり、イギリスでは話題のイベントらしいです。現地の事情はあまり知らないのですが、僕も第4回くらいから気になって、毎年秋の発表を気にしています。
 
80年代のサッチャー政権の時、彼女の押し進めていたネオリベラリズムはイギリスの経済を復興させ、富を得た人たちは文化的な部分にも着手しました。テート美術館を中心に新しいパトロンのあり方などが提唱され、それがこのターナー賞の立ち上げのきっかけにもなりました。日本でも小泉政権の時からネオリベラリズムが浮上しましたが、文化的な着手は一切されていませんでしたね。森美術館は出来ましたけど。
 
なんと言っても僕が1番印象的だったのは90年代のYBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)の登場でした。ダミアン・ハーストなんかはその中でも有名でしょう。
今回の展覧会の目玉はなんと言ってもそのダミアンの作品「母と子、分断されて」という親子の牛を真っ二つに切ってホルマリン漬けした作品。今回はオスロの美術館蔵のものでしたが、僕もサーチ・ギャラリーで同じ物を見た事があります。ダミアンは生と死をテーマにした作品が多く、これも切断された間を歩く事で、生と死の境界線を認識し、疑問符を投げつけるというもっともらしいコンセプトはあるのですが、表現があまりに過激なため今でも賛否両論あります。
 
今回の展覧会は、こういった日本初お目見えの話題作品もあり、初めて見る人には刺激的だったと思いますが、実物と物量も圧倒的に多いロンドンのギャラリーやミュージアムを見学した経験がある人にはちょっと物足りない気がしました。僕も何度も見ているので新しい感動は無かった。それよりも、ターナーを獲っていない大物、例えばチャップマン兄弟トレーシー・エミンなんかの作品を見たい気がします。

今、ポンドが高いからイギリスに行く気はあまり起らないけど、V&Aとかデザインミュージアムとかテートとかハシゴするだけでも凄く刺激を受けるので、またタイミングをみて行きたいです。
| Art | 23:34 | comments(3) | - |
ローソン

京都、奈良というと神社仏閣が多く、商店などでも規制をしていることは有名です。
上の写真は祇園のローソン。通常看板はブルーですが、ここは白ベース
 

こちらは奈良のローソン。昔僕はローソンの仕事をやった事があるので色指定を知っているのですが、C100%+M50%がローソンブルーです。やや明るめのブルーなのですが、ここのローソンは環境に配慮してかC100%+M80%くらいの紺に近い色味です。
 
その他、赤地が売りの三菱東京UFJが白ベースだったり、マクドナルドも場所によっては白ベースのところがあります。
こういった自主的に(?)規制しているお店もあれば、同じ並びにキラキラしたギャル仕様の携帯ショップがあったりして、オミヤゲ屋さんの店頭だって派手だし、あんまり意味ないんじゃないかと思ってしまいました。
| Culture | 23:44 | comments(5) | - |
デザインって何?

明日から恵文社ではじまるオーレ・エクセルの展覧会の設置のため妻と京都へ来ています。
 
昨年2月にスウェーデンに行った際、オーレ氏の版権取得とイベントの話をしました。しかし、4月にオーレさんが89歳で亡くなってしまいました。そういったこともあり、ここまでたどり着くのに1年経ってしまいましたが、やっと形になってほっとしています。
 
オーレさんはPie Booksから出ている作品集が日本語で読め、分かりやすいです。ただ、日本の読者に分かりやすい作品に絞られているので全貌はなかなか理解出来ないでしょう。
昔のデザイナー(特に欧米は)個人事務所を開いている事が多く、大体一人で作品を制作します。だから写真やイラスト、コピーライティングなどマルチに手がけられることが求められていました。オーレさんも同様に多岐にわたる作品を残しています。また、オーレさんはジャーナリストとしても活動し、「デザイン=経済」など研究所も出版しています。今回、恵文社からはじまり5月末には東京でも開催するのですが、ウチが掲げた展覧会のテーマが「デザインって何?」でした。これはオーレさんの著書「デザイン=経済」でも冒頭に掲げられています。
 
十数年前、多分K柳帝さんだったと思いますが、オーレさんの絵本「エドワードと馬」というのをいろんなところで紹介しました。まだ北欧ブーム前、しかもグラフィックなんかほとんど知られていない国でしたからこれは発見でした。そして、近年前出のPieの本が出版されある程度知られる事となりましたが、どちらかというとこれまではイラストレーションのかわいさがフューチャーされていたといえます。
僕が最初にオーレ氏の事を知ったのは「コーポレート・デザイン・プログラム」というCIについて述べられた本を見つけたのと、亀倉さんの編集したトレードマークの本で、一番最初にオーレさんの作品(マゼッティ社の目をモチーフにしたロゴ)を見た事でしょうか。どちらかというとかわいいというよりはCI系の仕事だったのです。
そんなこともあり、世の中で言われているオーレさんのイメージとはちょっと違っていました。それが今回の展覧会の核になっているのですが。。。
 
オーレさんの人生の中でアメリカ留学の体験とポール・ランドとの出会いはかなり大きかったように思います。
多くの国が第二次大戦後、復興と同時にモダンデザインが取り入れられたのに対し、スウェーデンは大戦に参戦しなかったので、被害はありませんでしたが、復興も無いし、モダンデザインの受け入れも相当遅れました。何も無い毎日が続くスウェーデンを離れ、アメリカの産業の凄さをまざまざと見せつけられたオーレさんのカルチャーショックは凄かったでしょう。また、ポール・ランドはその産業とデザインを融合させたまさにデザイン界のスーパースターでした。
 
この頃、CIという概念が生まれました。ポール・ランドのIBMなんかはいい例です。CIというとロゴマークをシステム化する風にとらわれがちですが(その部分を含んでいるのは事実ですが)本来、ロゴが変わったところで会社が良くなる訳はありません。本来のCIは僕は内向きの革命だと思います。ここでも何度か話したかもしれませんが、以前やった仕事で、ある会社の利益を5億円上げたいということがありました。ただ、5億円上げるというのは容易な事ではありません。当時、世の中では食品などに不純物が混ざり回収騒ぎが続出していました。僕が関わっていた会社も年間8億円の不良があったのです。であるなら出荷される商品のクォリティを上げれば不良が少なくなり、結果5億円くらい上げる事も出来るのではないかという結論になったのです。つまり、利益を作るのは宣伝を多くしたり外向きのアプローチに力を入れるだけでなく、内部の力を高める事が利益をもたらすということです。不良が少ない事はさらにメーカーのイメージまで向上させる事にもなるのです。
CIは本来こういった意味を持っています。当時のIBMを例に挙げると、製造工場は有名建築家の建てたもの、託児所や社宅、低学歴の社員のための学習システムなどからはじまりオフィスでも時計からエレベーターの階数字、社員食堂で使われる食器から消しゴムや鉛筆にいたるまで会社のためにデザインされています。いい環境で働く社員はモチベーションが上がり、結果的に最大限会社に貢献します。ここまでしてCIです。
でも、最近の企業は予算削減などで直接的に利益にならない部分をカットしてしまいました。結局ロゴをデザインして終わりということが多く見られます。
最近若干の日本の企業が気づき始めました。正社員よりも派遣を重視しコストカットを計っていましたが、正社員より給料や保障が低い派遣社員だとモチベーションも低く結果的に会社の効率やクォリティが下がる事が分かってきたのです。
 
オーレさんの話からかなり離れてしまいましたが、IBMのようなCIをスウェーデンでも採用したい思いからお菓子メーカー「マゼッティ社」の仕事が始まったのです。IBMほど規模は大きくありませんがCIというものをスウェーデン企業にもたらした功績は大きいです。彼の唱えたデザインは経済と結びつくことは、もういちど現代に考えなければならないテーマともいえます。そういう意味で今回の展覧会の大きな核にしました。
 
また、オーレさんは63年に家庭のパッケージ展というものを開きました。クラシックなデザインの多かったスウェーデンの食品などのパッケージにモダンデザインを吹き込んだのです。シンプルで明解であることが重要。それが今日みられるシンプルデザインのスウェーデンのパッケージデザインのルーツなのです。
 
こういった部分を捉えながらもオーレさんの持つ「明解さ」は展示物からも分かりやすく受け取れると思っています。それでは会場をちょっと紹介します。
 

マゼッティ社のコーナーです。棚にはパッケージやPOP、試作品などが並んでいます。
 

マゼッティ社の広告類。右の2点はラフスケッチ(原画)です。
 

その他企業のコーナー、オーレさんが手がけたロゴマーク(試作品も含む)とホテルなどの備品(レストランのメニュー表紙など)
 

「デザイン=経済」やパッケージ展の紹介コーナー
 

天井からはオーレさんのライフワークともいえる鳥のイラストを吊っています。
 

弊社の展開しているオリジナル商品です。グラスセットやエドワードのマグカップなど会場先行で販売しているものもあります。
また、オーレさんの70年代におこなわれた個展のカタログ(デッドストック)サイン入りのものも販売しています。間に合わなかったのですが、この展覧会のためのカタログも今後販売します。
 
ゴールデン・ウィーク中開催していますので関西方面の方は是非ご覧になってください。関東の方は5月末にやりますので、また告知します。
| Graphic | 23:21 | comments(0) | - |
Degree 1周年

今日はConnect Auctionの当日なんですが、山口のDegreeの1周年イベント、それもトークショーをやってほしいということで山口に来ました。
 
山口に前回来たのはオープニングパーティーの時。なので、オープンした後のお店を見るのはじめてなんです。オープニングの時は商品が揃わなかったり、僕の色があったかもしれませんが1年経って初めて見るお店はとてもお店らしくなっていました。パーティの2時間ほど前に僕はついたのですが、もうすでに準備に多くの人が見えていました。DJが入っていたり、オープニング時と雰囲気も違っています。
 
そんなこんなでパーティがはじまりました。

近くでカフェをやっている人たちがケータリングを担当。東京じゃあ結構珍しく無いけど、地方ではあんまり見ないですね。6時半を過ぎた頃、お客さんもゾロゾロと増え、50人以上に。オープニングパーティの時は商工会議所やオーナーのS川さんの仕事の付き合いがある人たちが多かったのですが、今回はお店のお客さん。それもものづくりやクリエイティブな事に関わっている人たち。そんな人たちがそれぞれのパートを受け持ちながらみんながこのパーティに協力している。この一年で培われた人間関係を垣間見る事が出来ました。
 

その中でも目玉がこれ。
自家焙煎しているコーヒーをネット販売しているカピン珈琲のK谷さんが煎れてくれるコーヒーをこのブログにも何度か登場しているH中さんの茶碗で出してくれます。K谷さんは単なるコーヒー販売ではなく、シーンの提案をしていて、H中さんにもオリジナルでドリッパーを陶器で作ってもらったりしています。そして、お茶菓子は島根の和菓子やさん三松堂の羊羹。龍鈴(りゅうず)と言うブランドでネット販売のみの商品だそうで北海道産の福白金時豆をひとつひとつ皮を手でむいた相当手間がかかってるもので、1本5000円ほどするそうですが、若旦那のK林さんから無料でご提供してもらっているそうです。しかも帰りにお客さん1人1人に1本ずつお土産の羊羹をいただきました。大盤振舞いです。やや苦めに煎れたコーヒーとの相性が抜群でした。
 
パーティーにはH中さんも来ていて、久しぶりに話をしました。
実は今度金継をやるそうです。金継は欠けたり割れたりしてしまった陶磁器を漆と金を使って補修するもので、気に入った陶磁器を修理しながらずっと使っていくという昔の人たちの知恵。今のメーカーや作家さんは売ったら売りっぱなしということが多い(というかやる事自体が難しい)のですが、作家自身がこういうところに意識を持っている事に感激しました。そんな応えを本人にしたら、彼自身は補修なんていうことはあんまり考えておらず、むしろ最近ヨーロッパで多い、ヴィンテージの絵皿の上から新しいプリントをのっけるリユースなんかと同じように、金継することによって新しい表情になることを楽しんで欲しいという気持ちのようです。ますます面白い。
 
そんなこんなで12時くらいまで盛り上げっていました。それから、夕飯を食べてなかったので食べにいこうとオーナーのS川さんと娘さんと3人でお店に入るとさっきまでお店にいたメンバーがみんな居て3次会をはじめていました。そして3時近くまで飲みました。
山口は1年前、お店の立ち上げのために初めて訪れた街だけど、こうやって地元の仲間のなかにいれてもらえることがとても感激でした。これだけ交流出来たらもし、山口に住む事になってもすぐにうちとけられそうです。こんな機会をつくってくれたS川さん、ありがとうございました。そして山口の皆さん、また遊びにいきます。
| Culture | 07:01 | comments(4) | - |
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