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編集力

雑誌TITLEが今号を持って休刊となりました。流行通信、NIKITAなどなど最近休刊になる雑誌が多い。TITLEはここでも何度か紹介しましたが、僕も何度か関わらせてもらっているので、ひいきめに言わなくてもいい雑誌だったと思います。編集力というか取材力が素晴らしい。でもマスの論理、特に文藝春秋という巨大な会社では難しいのでしょうかね。
 
ここ最近思うのですが、編集力が極めて落ちている感じがあります。
2000年初めくらいから僕は雑誌関係の表舞台に登場するようになったのですが、その頃の編集者の人たちはエラくなってしまい、ここ近年20代の若手編集者達に世代交代されています。ウチに取材に来るまたは相談に来る若手の編集者の方々は何か違うんです。
それが何か少し分かってきました。
ベテラン編集者よりも、もしかしたら若手編集者の方が知識はある感じはします。僕のところに相談、もしくは取材に来るということは、分からない事など聞きたいからという部分が大きいでしょう。僕が話をしていると、ベテランの編集者の人はだんだん前のめりになってくる。知識が無いという事はもともと自分自身があまり興味が無い事だと思うのに、そんな話でも感情移入してくるんです。目をキラキラ輝かせて聞いてくれます。そんなときは決まって本になった時、凄く面白い。知識という部分ではアマチュアだと思うんですが、純粋にどこが面白いのか自分なりに気持ちを高め、その面白さを同じくアマチュアの人たちの欲しい情報に仕上げられるプロです。若手の人たちはそつなく詳細にまとめていく。情報としてはとても詳しいのですが、どちらかというとウィキやグーグルみたいで、こみ上げる感情が誌面から伝わらないんです。
 
どうしてこうなってしまうんでしょうか? 若手だって真面目にやっているでしょうけど、何かが違うんですよね。これも編集力なんでしょうか?
 
今日、京都の恵文社のH部店長さんがお店のスタッフを連れてウチに打ち合わせにやってきました。GWにやるイベントですが、詳細はまた紹介します。
打ち合わせの際にいろいろ資料を見せていく中で僕も気づいていない事を指摘されました。それは僕のライフワークのようなファイリングに関してでした。
例えばある車に関しての情報が欲しいとします。60年代の車なのでネットで検索しても情報がほとんどありません。60年代の車だったら当時の雑誌を見れば載っているんでしょうけど、どの雑誌の何月号に載っているのかなんてほとんど調べようがありません。僕のファイリングは明確なカテゴリーに分かれています。例えばその60年代の車がシトロエンだったら、シトロエンというファイルを見ると、中には当時の雑誌の切り抜きページからパンフレットなどが1つにまとめられています。雑誌も車雑誌だけでなく、当時人気が高かった車だったら、経済誌や大衆誌、デザイン誌などにも掲載されていたはず。そういった記事をジャンルを超えてシトロエンというキーワードでまとめているので、シトロエンのファイルを見るだけで全ての情報が入手できるのです。グーグルなどネットの検索は欲しい情報が分かっていないと検索のしようがありません。国会図書館に行ってもまさか経済誌に自分の欲しい車の情報が載っている事も知る由がありません。例えば1つの雑誌に特集があり、映画、展覧会、書評などのコラムがあったり、情報が総合的になっています。また特集も今回は本だったけど次回はワインだったりします。僕はそれを一度バラバラにしてしまい、カテゴリー別にまとめてしまいます。映画のコラムは映画のファイルに(ファイルによってはジャンル別につまり邦画のホラーだったりとかに分けたりします。)とかとやっていくのです。
僕にとってはそれが自分なりの再編集。僕は編集部に所属したとか職業上の経験はありません。でも、子供の頃からそうやってスクラップやファイルなどを自分の編集で作ってきました。しかも、雑誌の記事だけでなく、例えば当時入手したフリーペーパーや海外の食品のチラシ、切符などリアルに集めないと入手不可能な資料が満載なので、さらにそれがとてもニッチなカテゴリーであればもはやインターネットでは見つける事が出来ません。したがってこの作業と情報(資料)は圧倒的にインターネットよりも濃いのです。例えばルーシー・リーという女性陶芸家のファイルをみると。今まで日本の雑誌で紹介された記事だけで50年以上前のものからあります。それ以外にイギリスをはじめ、フランス、オーストリア、オランダ、ブラジル、中国などの世界中の雑誌記事を含めると1200ページほどにもなります。さらにはギャラリーと個展のためにやりとりしたFAXが200枚以上。手紙や写真などもっと個人的なものまであります。こういったネタファイルを持っている以上、僕のところにやってくる編集者は無くならないでしょう。僕のアーガイブは国会図書館のような大量なコンテンツとグーグルのような情報入手のサービスをアナログで実践しているようなものです。僕はこれをデジタル社会に持っていったら世界的な凄いものが出来ると思うんですが、僕一人の作業では一生かかっても無理でしょう。前にこれをやろうと言った友人から『ネット界で最初の世界遺産』と言われました。いつの日か可能になるといいんですけど。
| Culture | 23:56 | comments(0) | - |
Japain

先週のことですが、イギリスの経済誌The EconomistでJapainという特集が組まれました。
Painとは『痛み』のことで『イタい日本』というような意味でしょうか。
前から僕もここで話しているけど、こんな特集を組まれるくらい日本の経済はヤバくなっている。最も大きな理由は政治ですが、もっと細かく見ていくと日本人の意識がその要因を作っているように思います。
 
島国であり、ムラ社会的結束を持った日本人にとってグローバルという考え方は受け入れ難いものがあるようです。別に中国の擁護をするわけじゃないですが、国内でいろいろ問題が起っているにもかかわらず、中国バッシングは酷いし、時津風部屋の暴行死事件より、朝青龍の事件(事件でも無いような)のほうが騒いでるし、外国に対する厳しさと自国に対する甘さには正直疲れてしまいます。
 
最も感じるのが企業の買収劇。なぜ日本の企業や国民は外国資本が入ると乗っ取られると思うのでしょうか?この前もオーストラリアのファンド、マッコリーが羽田空港のBIG BIRDの株を12%保有したくらいで大騒ぎ。滑走路や管制塔など安全保障の部分じゃなくて、商業施設なんかの部分ですよ。国家の危機みたいに騒ぐのはおかしいです。同じマッコリーはデンマークのカストラップ空港の株をほとんど持っているけど、それからというものレストランやショップが大充実で凄く居心地がいい。別に悪い事じゃあ無いと思うんですけどね。航空業界だってJAL、ANAの独壇場でなければEUのように沖縄まで2000円とかだって可能になるかもしれないのに。
 
自分たちに関心が無いと思う事でも、世界ではグローバルスタンダードになっていることが多々あります。僕もいろいろ関わっている事に国内外の温度差をとても感じます。
日本人が守っているものは何なのでしょうか?
高いものが売れない。でも安いものは中国からのものだから買わない。売れないから作らない。作らなければ雇わない。雇われなければお金がない。買えないのに物価は上がる。デフレスパイラルはずっと続いています。日本は一億総ワーキングプアになっているようです。しかも厄介なのがそんな窮地に立っているという自覚が無い事。
 
どうしたらこの意識が変えられるでしょうか?
っていうか日本の事こんなに真剣に考えなくてもいいのかなあ。
分かった人だけ助かればいいのかなあ。

| Culture | 23:03 | comments(26) | - |
漆黒のクロ

Photo by Tadayuki Minamoto
山口・萩のH中さんから個展の案内が届きました。
3/1からさる山さんと東青山さんで彼の作品が展示されます。今回は『黒』がテーマのようです。
 
黒といえば、千利休が好んだ色です。彼の城であった茶室『待庵』の内装も黒。最小は最大なり、茶室や茶碗は宇宙を表しています。
たまに、千利休や古田織部が今生きていたら。。。と想像する事があります。茶道は形式にかためられた窮屈な感じをお茶をやらない僕なんかは前から持っていましたが、利休や織部のスタイルを見ていると、どうも違う感じがします。最先端の物を好み、センスを売りにしたそのスタイルは、今、彼らが生きていたらH中さんのような感じだっただろうかと想像します。H中さんの実兄はroarをやっています。彼らが今いたら、ファッションもこんなでしょうかね?
エディ・スリマンがキュレートしたロバート・メイプルソープ展の会場構成を見た時、織部を想像してしまったのは僕だけでしょうか?
エディのブログをたまに見るけど、利休や織部のセンスにみえて、彼ら現代に生きていたら凄かっただろうな。なんて思ったりします。
利休はキリスト教も信仰していたと言われています。そんな宗教まで流行物に飛びつくとは。。。

そういえば、先日押忍!手芸部のI澤さんと話したときも似たような話になりました。I澤さんは裏千家のお師匠さんだそうで、彼自身も茶人とは見た目には想像できないのですが、彼も「利休が今いたら、タトゥー入れれたでしょうね」なんて言ってました。
 
H中さんもそんな当時の陶芸家のセンスを垣間見るのです。(彼の作品はとても繊細ですけど)クラフトなんて言ったら野暮かもしれません。利休がディレクションしていた茶器なんかにも通じる工芸を超えた何かを感じます。
彼の黒の作品、楽しみです。
| Craft | 20:04 | comments(4) | - |
買い物=好奇心

最近大きな買い物をしていません。大きな物を買う余裕も無いのですが、買いたいと思うものが無いというのが一番の原因です。浪費家返上です。
 
唯一最近買ったものが上のポスターです。フランスのポスターだけのオークションが年2回あるのですが、そこで落札しました。
フランスに60年代創刊されたサブカル雑誌『Opus』があります。全盛期の表紙をポーランドのグラフィックデザイナー、Roman Cieslewiczが手がけていました。このポスターも表紙になったもので、その号の販促ポスターとして1968年に僅かな枚数だけ刷られた珍しいものです。冷戦まっただ中のソ連とアメリカ、スーパーマン(強大な力の象徴でしょうか)がお互いそっぽを向きながら走り続けているというかなり風刺の効いた作品です。
僕は前からこのポスターを探していて、今回やっと手に入れる事が出来ました。Opusのポスターでもう一枚欲しいのがあって、同じCieslewiczの作品でチェ・ゲバラを描いたもの。

上がそれ。そっちの方がもっとレアらしく、10年くらいにオークションカタログで見た値段でも30万円くらいしていたと思います。
 
この『Opus』ですが、『HARAKIRI』(腹切)というサブカル雑誌同様、フランスかぶれには昔から人気があります。ソフト・エロな写真はもとより、執筆陣も豪華だったりアンダーグラウンド色が強いにも関わらず内容はいいです。ドイツ、オランダで『TWEN』、アメリカでは『AVANT GARDE』や『evergreen』なんてのがありました。
日本で言ったら『話の特集』とかべ平連が編集していた『月刊アンポ』とかでしょうかね。
60年代半ばから70年代前半にかけては、パリ革命や文化大革命など左翼的な思想の影響もありながら、サイケからヒッピームーブメントなどと文化的にも芸術的にも充実した時期なので、その頃のサブカル雑誌を読んでみると面白いです。

話は最初に戻りますが、僕の好奇心の大きなバロメーターが買い物です。
何度か話していますが、僕はコレクターとよく呼ばれていますが、収集が趣味ではありません。何か、興味がある物事を知りたい時にそれに関する資料を買い集めていく、研究機関だってそうやって調べていく訳ですけど、僕も同じ感じ。その僕が買い物をしていないとい事は好奇心が衰えてきたという事? かなりやばいです。
ウチが航空会社の紙ものを集めた『Departure』を出したときは、ああいう感じの本は日本に無かった。だから、作りたいと思いました。でも、最近ウチの出版は行き詰まっています。売れないというより、やりたい本が無いということです。『Departure』以降、世の中にはビジュアル系の本が氾濫しました。ウチはウチでコンセプトを持ってやっているつもりですが、ビジュアルが良ければそんな思想なんて読者には関係無いんです。その中で、それでもウチの出す意味を考えるようになってしまったのです。まあ、時が経てば思想も無くいいビジュアルだけを集めているだけの本は行き詰まり、淘汰され、また本物の時代にはなると思いますが。
そこで、今何にワクワクするかと考えてみると、やっぱりビジュアルブックなのですが、ワンコンセプトで1冊成り立つ重たいものより、見開きで1つのコンセプトが完結するような軽めの雑誌感覚のものがやりたいと感じてきました。
出版社と組むのが一番リスクが無いのですが、多分やりたいことを追求していくと自費出版にならざるを得ないと思います。その分格段に面白い事が出来る自身はあります。
試行錯誤していますが、今後にご期待ください。ワクワクすることが動き出したら、またポジティブ・スパイラルで買い物したいものが出てくるかもしれません。
| Life | 23:02 | comments(1) | - |
リユースのレースカーテン

寝室から廊下にもれる西陽があまりにも強かったので、電気がつけっぱなしかと思いました。ウチの寝室のレースのカーテンは10月にオランダに行った時にオーダーしてきたもので、1ヶ月ほど前にようやく出来上がってきました。
 
破けたりして捨てられた中古の使い古したレースのカーテンを綺麗な部分だけ切り取り、それをパッチワークのように蛍光オレンジのステッチで縫い合わせた、リユース商品であり、それでいてデザインもとてもかわいい。その時にあるレースで作るので、2つとして同じものが無いユニークピースです。最近国内外でも廃材などを上手く使った商品が結構あります。ちょっと前まではこういった廃材を利用する姿勢は賛同出来たんですが、これといって欲しいと思わなかった。アイデアが商品のクォリティについていけなかったものが多かったと思います。でも、最近はかなり欲しいモノが多いですね。特にオランダのデザイナーは社会情勢や環境問題を受け入れながら面白いアプローチをしている人が多いです。
このカーテンもとてもガーリーで、日本でも作ったら売れそうですけどね。
 
ちなみに、寝室のカーテンはオランダのイネカ・ハンスのものを使っています。重厚な赤い織り生地にシルバーの糸で大胆な刺繍が施されています。赤い生地なので、カーテンを閉めておくと西陽で部屋が真っ赤になります。

| Design | 16:41 | comments(2) | - |
ATES

ATESという雑誌が創刊されました。正しくは今まで同名の雑誌は存在していたので、リニューアルと言う事になりますが、内容は全く違っています。
新ATESは雑誌『Pen』の兄弟誌で、Penよりやや年齢層が高く、モノにこだわる男はそのままで、それにビジネスや投資などを盛り込んでいます。『姉Can』ならぬ『兄Pen』といったところでしょうか。編集部はPenとFIGAROの編集部から集められ、編集長はPenのA藤さんが兼任しています。
デザインを含んだ投資ということで、connect auctionを含め、最近のデザイン系投資市場を僕が紹介しています。

僕は投資家じゃないけど、今まで世の中で評価される前に買い集め、人気が出てきた時に売ると言う事を子供の頃からやってきました。別に「将来高くなるから」という目的で買っていた訳ではありません。ただ、そのものに興味があったのです。今でいうヴィンテージジーンズから絵画に至るまで、ジャンルだけでも相当な数に及びます。子供の頃はただの好奇心と思っていたけど、大人になって分析してみると、あながちそうでも無いようです。株とか先物取引なんかもそうですけど、そのものの価値が上下する原因はそのものを影響している社会背景や歴史などがあるからです。ヒット商品なんかも、その時代に偶然登場して偶然売れているようですが、社会背景とそれに影響された人間の心理が購買意欲に結びついています。僕は子供の頃、買ったり集めたりした物は、もちろんそのもの自体の魅力もありますが、そのものが生まれた背景、時代、作った人とその時の心理などが結びついてものの興味が高まっていたのです。いわば付加価値のストーリーが出来上がっているものです。あとは、その付加価値が最高な状態で受け入れられる(心理的にそういう時代になっている)時期に投入すれば、必然的に評価は高くなり、最高の金額で売れるのです。僕はどうやらそれを感覚的にやっていたようです。
 
今ではある程度必然的に生み出す事が出来るようになってきましたが、ただ計画的にやっても売れる物を生み出す事は困難です。第一前提として自分の気持ちがあり、自分自身がワクワクするような状態にならなければなりません。その気持ちをコントロールする事はまだ出来ていません。一生出来ないかもしれない。儲かるとか、売れるとかそういった野心が無い方がワクワクした気持ちになる事が多いです。
ワクワクって感覚的であいまいですが、ものすごい大事なことです。ウチはものを作ったり売ったりもしていますが、絶対に分かるはずがない制作側の感情が、ものを通してお客さんに伝わってしまいます。本気でワクワクした時に作った物でないと売れません。
 
僕は、特に日本人の消費者はものを見る目が無いと思っています。メディアなどに左右され、本当に何がいいのかが分かっていないと。でも、矛盾していますがものの善し悪しを消費者は感覚で読み取る能力に秀でています。作り手の心を読んでしまうのです。この感覚がなんなのか?僕自身のワクワクする気持ちはどうやって客観視できるか?その疑問を分析し、理論化できたら凄いマーケティングです。株でも商品開発でも百発百中になるでしょう。まあ、人間の脳なんてそんな単純では無いのでしょうけど。
| Culture | 23:53 | comments(0) | - |
製紙会社のPRブック追加しました

代官山collexでおこなっている製紙会社のPR本展示販売ですが、結構好評のようです。そこで、このイベントとしては多分最後になると思いますが、さらに本を追加しました。
土曜日から多分店頭に出されると思います。
その追加分の中から一部を紹介します。
上はハマーミル・ペーパーというアメリカの製紙会社の見本セットです。飛行機(グライダー)をコンセプトに、同社の紙を使って様々な印刷や折りなどの仕様がセットされています。下がその中身。

 

これはストラスモアというアメリカの製紙会社の物。同社が紙を提供している様々な企業のレターヘッドがセットされています。レターヘッドマニアは必見!これ以外にも何タイプか納品しました。で、中はこんな感じ

 

これは、カーティス・ペーパーという会社のカラーペーパーの見本帳。シンプルなデザインですが、よく見るとブックマッチの表紙風になっています。で、開くと

中はマッチがプリントされています。1番上は黄色い紙ですが、何色か下に重なっていて、全てにマッチのプリントが入っています。
 

最後はシンプルな紙の見本帳。モホーク・ペーパーという会社のものです。表紙のタイポグラフィと色の組み合わせがかわいい。シンプルな見本帳ですが、開きなどが凝っています。開くとこんな感じ

 
PR本もいいけど、こういったシンプルな見本帳もいい物が多いです。
ここで紹介したのはほんの一部です。特に紙は質感や手触りが重要なので、こういった写真で見ても魅力はほとんど伝わりません。僕はお店を持っていないので、こういう賛同してくれるお店に協力してもらって、可能な限り実物を見てもらいたいと思っています。しかも、なるべく買う事が出来てその1つから好奇心を揺さぶり、自発的にもっと
知ってみたいという気持ちを多くの人に芽生えさせたいと思っています。ちゃんとした物を見る消費者の目を養えたら、本当に自分にいい物を見極められると思います。このイベントもそんな思いのほんの一部です。お時間があったら是非collexを覗いてみてください。
| Graphic | 23:20 | comments(0) | - |
HELVETICA

プチグラのI藤さんからお誘いを受けて、昨年発表された長編ドキュメンタリー映画『HELVETICA』の試写を見に行ってきました。
グラフィック関係の人にはご承知だと思いますが、HELVETICAはスイスで1957年に生まれ現在までに最も世界的に普及しているだろう書体の事です。この映画はHELVETICA誕生50周年を記念して製作された映画です。
面白そうとは思ってたけど、映画としてはそんなに期待してなかったのですが、以外に良かった。特に驚いたのが、HELVETICAのリスペクトに終始すると思っていた内容が途中からHELVETICA批判になっていった事。
大きくは50年代後半にモダンデザインを体現する書体として発表され、60年代には多くの表現に利用されたことから始まり、ポストモダンの思想によって書体は個性を持ち始め、反HELVETICAが主流に。90年代、それが過激さを増して、最終的には全く読めないような文字までいって行き詰まった頃、70年代までのグラフィックへ原点回帰し、現在に至る大まかなストーリーを主要なデザイナーのインタビューをもとに構成されています。以前、Wim Crouwelについて書きましたが、90年代半ばにブロックマンなどスイスのモダングラフィックやWimさんの作品集が新刊、復刊などラッシュで、歴史的なデザインを知らない若者達にはかなりのカルチャーショックだったようです。僕は子供の頃からグラフィック雑誌などを買っていたので、昔から大体の人は知っていましたが、多くの若者と同じように当時ウチの妻はブロックマンに相当衝撃を受けたようです。
 
僕のHELVETICAに感じるイメージは、素人っぽいところ。凄い分かりやすい。オトル・アイヒャーなど、タイポグラフィの専門家はあまり使わない人が多いです。だけど、この映画の中でKnollの受付の壁にあるバカでかいロゴだったり、Crate&Barrelの箱なんか一目見てカッコいい。これがHELVETICAの凄さなんですね。

この映画のDVDが夏に発売されるそうで、そのプロモーションも兼ねたイベントをやりたいと、試写を終えた後、I藤さんと少し話しました。
まだ未定だけど、ウチのHELVETICAコレクションを展示などするイベントなどをやるかもしれません。その際はまたここで紹介したいと思います。
| Graphic | 23:41 | comments(2) | - |
香港からの来客

香港で編集者をやっている中国人の友人が日本に来ていて、会いました。
来日の目的はNIKEのパーティだそうで、昨日というか今日の朝5時まで遊んでいたらしく、彼の泊まるホテルのロビーで11時半に待ち合わせをしたのですが、寝坊して30分ほど送れて寝起きのままやってきました。用意をこれからするからちょっと待っててくれと、さらに30分ほど待たされてしまいました。
 
時間が押してしまったので、待たされていたホテルのカフェで食事をし、15時には空港へ向かうという。幸い、僕の家から3分くらいのところだったので、僅かな時間だけど、新しく出来たお店と、家にきてもらう事にしました。
食事の後すぐに向かったのは渋谷の東急本店近くに出来たSHIBUYA PUBLISHINGという26日にオープンしたばかりの本屋さんでした。BACHがブックディレクション、内装はNAPなど今っぽい人たちが関わっています。面白いのがまず棚割。1940年代から2000年代までの様々な棚が白く塗られ、置かれているんですが、例えばソットサスのデザインしたカールトンだったら、80年代の作品なので、その棚に置かれている本は80年代に出版されたか80年代がテーマの本など、棚と本を年代別にカテゴライズしています。もう1つはオミヤゲ本屋さんということ。自費出版で発行した本をこのお店だけで売っています。第一弾は若木さんの写真集。自費出版といえど本格派です。
友人は編集者なので、こういった本屋は面白いかな、と誘ってみました。彼は60年代のMENS CLUBや70年代のPOPEYEMade in USA Catalogなんかを探しているそうですが、これって日本のファションエディターも探している本。もう、香港とほとんど時差がありません。先日もTAKE IVYが欲しいとメールが来て送りました。今回はお目当ての本は無かったようですが、かなり興味を持ったようです。
その後、歩いてウチに寄ってもらいました。ウチに来たのは中目黒以来なので、一番驚いていたのはその頃と全くインテリアのスタイルが変わっている事でした。僕は飽性なのですぐ部屋のインテリアを総取っ替えしてしまうんです。30分ほどして、時間だと言うのでホテルまで送っていき、別れました。
 
短い間でしたがいろいろ香港の現状などを知り、とても興味深かったです。
やはり、彼らにとって日本は魅力的な観光地だそうです。第一はダントツ買い物なんですが、日本のブランドは香港でも人気だし、世界のブランドのほとんどが日本で買える事も魅力だそうです。ヨーロッパに行くより近くて何カ国もまわらなくても1都市で揃えられる事が日本の魅力だそうです。ブランドものだったら香港にもあるのに何で日本に来んの?と聞くと、香港でも凄い売れててモノが無いそうなんです。そういえば、先日某ブランドのショップ店員の友人に、香港でものすごい売れて商品が無いので日本からどっさり商品を送ったと聞きました。それでも足りず、毎週のように世界中から香港へ商品が送られているそうです。香港は世界一金持ちが多い都市。今や、地価も東京レベルだそうで、彼の多くの友人が東京にマンションを買って、月に一回くらい日本に遊びにきているそうです。今度の旧正月は香港も連休なので、歴代最高の日本への観光客が予定されているそうです。
彼曰く、日本に旅行する中国人が相当増えているけど、そのほとんどが香港の人、その次に台湾人。上海や北京はまだまだだけど、これからはそっちが主流になるかもしれない。だそうです。
東京の百貨店でも中国語の店内放送があたりまえになってきたし、フロアには必ず中国語対応のスタッフを置いているそう。松屋のスタッフと話した時も「ウチでは日本のでビットカードは使えないのに、中国発行のクーポン券は使えるんです。それくらい中国のお客のプライオリティが上がっている」と言ってました。友人も家族経営の小さなアパレルショップに勤務しているそうですが、旧正月の中国人客対応のためのマニュアルが配られたそうです。
 
最近、冷凍餃子など、中国からの輸入品が問題になっているけど、日本人の食生活はかなりの部分を中国に頼ってるし、もはや国内の小売業など経済も比重を占め始めているようです。今回の事件で中国叩きが過剰になっていますが、冷静に考えないと、へたすると日本存亡の危機になってしまうかもしれませんよ。
ニュースって基本的に0.1%の悪い話を伝える事が多いです。ヨーロッパの人が日本の話題で殺人事件をよく耳にするので日本ってとても危険な国だと思っているようですが、実際日本に住んでいる僕たちは99.99%は平和な毎日で、死の危険にさらられているなんて考えた事も無いと思います。イスラエルの人とメールでやり取りした時も僕が自爆テロとか多くて大変だねと送ると、あれはガザのことで、僕たちが住んでいるところはここ10年犯罪なんて起った事無いよ。と返ってきました。数年前、中国で反日の暴動があったけど、同じ町に住む日本人の知人は何にも知らなかった。ニュースでみると、あたかも中国では一斉に反日運動をしているように見えますが、XX商店街でデモをやっているくらいの規模なんです。だからあるニュースのことでその国の善し悪しを決めてしまうのは危険な事です。日本人は中国人が嫌いな人が多いようだけど、ある程度割り切って考えていかないと(今回の毒入り事件なんかは特殊な例ですが)中国はかなり重要な関係国になっていくはずなので置いていかれますよ。
僕の知っている人たちはとても親日でいい人が多い。多分ほとんどはそうなんだと思いますよ。

写真はその友人がNIKEのパーティでもらったTシャツです。僕の分もお土産に持ってきてくれました。

| Life | 23:50 | comments(0) | - |
郵便屋

今日から約1ヶ月間、代官山ggで行われる『郵便屋』イベントにと参加しています。
郵便がテーマという事で、ウチでは世界の郵便を紹介しています。
ずらっと並んでいるのは郵便ポスト型の貯金箱です。イギリスの物が多いんですが、フランスやオーストラリア、ドイツなどもあります。1930年代〜現代まで。全て販売しています。壁に貼っている切手やFDCなどは妻が出品しています。
 

また、非売品ですが世界のゆうパックをタワーにしました。
コレクションのほんの一部ですが、世界)の郵便局が公式に販売しているボックス(日本でいうゆうパックの箱)です。国によって箱の構造やカラーリング、併記している言語など箱だけでもその国の文化が垣間見れます。
写っていない部分も含め、下からスペイン、ロシア、オランダ(旧)、シンガポール(旧)、オランダ(新)、スイス、オーストリア、デンマーク(ギフト用)、イタリア、香港、イギリス(旧)、ドイツ、メキシコ、モロッコ、フランス(旧)、ベルギー、フィンランド、デンマーク、デンマーク(CD用)、フランス(新)です。
 
皆さんは手紙などコミュニケーションツールとしての郵便に特化していますが、グリフでは郵便局という視点から紹介しました。
お札をのデザインや印刷を見るとその国の経済状況や文化度が分かるといいますが、郵便局も日常生活には無くてはならない機関。僕たちは海外に行くと必ず郵便局に行きますが、それはその国の文化が垣間見れるからです。
箱だけ見ても例えばオランダなんて公共施設なのにやっぱりデザインが今っぽいし、スイスはとてもシステマチック。
郵便は前から構想していますが、なんとか今年には本にまとめたいと思っています。
 
イベントは27日までやっています。代官山にお越しの際は、是非お越し下さい。
| Culture | 23:25 | comments(1) | - |
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