香港で編集者をやっている中国人の友人が日本に来ていて、会いました。
来日の目的はNIKEのパーティだそうで、昨日というか今日の朝5時まで遊んでいたらしく、彼の泊まるホテルのロビーで11時半に待ち合わせをしたのですが、寝坊して30分ほど送れて寝起きのままやってきました。用意をこれからするからちょっと待っててくれと、さらに30分ほど待たされてしまいました。
時間が押してしまったので、待たされていたホテルのカフェで食事をし、15時には空港へ向かうという。幸い、僕の家から3分くらいのところだったので、僅かな時間だけど、新しく出来たお店と、家にきてもらう事にしました。
食事の後すぐに向かったのは渋谷の東急本店近くに出来た
SHIBUYA PUBLISHINGという26日にオープンしたばかりの本屋さんでした。
BACHがブックディレクション、内装は
NAPなど今っぽい人たちが関わっています。面白いのがまず棚割。1940年代から2000年代までの様々な棚が白く塗られ、置かれているんですが、例えばソットサスのデザインしたカールトンだったら、80年代の作品なので、その棚に置かれている本は80年代に出版されたか80年代がテーマの本など、棚と本を年代別にカテゴライズしています。もう1つはオミヤゲ本屋さんということ。自費出版で発行した本をこのお店だけで売っています。第一弾は
若木さんの写真集。自費出版といえど本格派です。
友人は編集者なので、こういった本屋は面白いかな、と誘ってみました。彼は60年代のMENS CLUBや
70年代のPOPEYE、
Made in USA Catalogなんかを探しているそうですが、これって日本のファションエディターも探している本。もう、香港とほとんど時差がありません。先日も
TAKE IVYが欲しいとメールが来て送りました。今回はお目当ての本は無かったようですが、かなり興味を持ったようです。
その後、歩いてウチに寄ってもらいました。ウチに来たのは中目黒以来なので、一番驚いていたのはその頃と全くインテリアのスタイルが変わっている事でした。僕は飽性なのですぐ部屋のインテリアを総取っ替えしてしまうんです。30分ほどして、時間だと言うのでホテルまで送っていき、別れました。
短い間でしたがいろいろ香港の現状などを知り、とても興味深かったです。
やはり、彼らにとって日本は魅力的な観光地だそうです。第一はダントツ買い物なんですが、日本のブランドは香港でも人気だし、世界のブランドのほとんどが日本で買える事も魅力だそうです。ヨーロッパに行くより近くて何カ国もまわらなくても1都市で揃えられる事が日本の魅力だそうです。ブランドものだったら香港にもあるのに何で日本に来んの?と聞くと、香港でも凄い売れててモノが無いそうなんです。そういえば、先日某ブランドのショップ店員の友人に、香港でものすごい売れて商品が無いので日本からどっさり商品を送ったと聞きました。それでも足りず、毎週のように世界中から香港へ商品が送られているそうです。香港は世界一金持ちが多い都市。今や、地価も東京レベルだそうで、彼の多くの友人が東京にマンションを買って、月に一回くらい日本に遊びにきているそうです。今度の旧正月は香港も連休なので、歴代最高の日本への観光客が予定されているそうです。
彼曰く、日本に旅行する中国人が相当増えているけど、そのほとんどが香港の人、その次に台湾人。上海や北京はまだまだだけど、これからはそっちが主流になるかもしれない。だそうです。
東京の百貨店でも中国語の店内放送があたりまえになってきたし、フロアには必ず中国語対応のスタッフを置いているそう。松屋のスタッフと話した時も「ウチでは日本のでビットカードは使えないのに、中国発行のクーポン券は使えるんです。それくらい中国のお客のプライオリティが上がっている」と言ってました。友人も家族経営の小さなアパレルショップに勤務しているそうですが、旧正月の中国人客対応のためのマニュアルが配られたそうです。
最近、冷凍餃子など、中国からの輸入品が問題になっているけど、日本人の食生活はかなりの部分を中国に頼ってるし、もはや国内の小売業など経済も比重を占め始めているようです。今回の事件で中国叩きが過剰になっていますが、冷静に考えないと、へたすると日本存亡の危機になってしまうかもしれませんよ。
ニュースって基本的に0.1%の悪い話を伝える事が多いです。ヨーロッパの人が日本の話題で殺人事件をよく耳にするので日本ってとても危険な国だと思っているようですが、実際日本に住んでいる僕たちは99.99%は平和な毎日で、死の危険にさらられているなんて考えた事も無いと思います。イスラエルの人とメールでやり取りした時も僕が自爆テロとか多くて大変だねと送ると、あれはガザのことで、僕たちが住んでいるところはここ10年犯罪なんて起った事無いよ。と返ってきました。数年前、中国で反日の暴動があったけど、同じ町に住む日本人の知人は何にも知らなかった。ニュースでみると、あたかも中国では一斉に反日運動をしているように見えますが、XX商店街でデモをやっているくらいの規模なんです。だからあるニュースのことでその国の善し悪しを決めてしまうのは危険な事です。日本人は中国人が嫌いな人が多いようだけど、ある程度割り切って考えていかないと(今回の毒入り事件なんかは特殊な例ですが)中国はかなり重要な関係国になっていくはずなので置いていかれますよ。
僕の知っている人たちはとても親日でいい人が多い。多分ほとんどはそうなんだと思いますよ。
写真はその友人がNIKEのパーティでもらったTシャツです。僕の分もお土産に持ってきてくれました。