メキシコ旅行のため成田空港で出発を待っていた時、携帯に連絡がありました。
ご無沙汰していた
プチグラのA野さんからでした。話を聞くとどうやらプチグラを退社して、新潮社の社員になったようでした。そして、担当の雑誌は『
芸術新潮』でした。
芸新は以前からM好さんという編集者の方が、大のデザイン&グラフィック好きコレクターで、イベントのときなどによく買ってもらっていたので誌面以外でのおつきあいがありました。誌面で協力したのは2005年のブルーナ特集が最初でした。
『芸術新潮』は一見硬派なアート雑誌に見えますが、最近は相当柔らかくなってきていて、住宅の特集やコレクター特集、ブルーナや
サビニャックなどグラフィックデザイナーの特集などが組まれています。ファインアートの特集であってもとても編集が柔軟で、楽しいため毎月チェックしています。
その芸新にA野さんのような若い編集者が入ってきて、さらに柔らかい誌面にすることを希望していました。そこで僕の方に連載の依頼が来たのです。
最初の連絡は旅立つ直前だったので、改めて帰国後打ち合わせをしました。
話によると巻頭のコラムで、聞く、見るとかというカテゴリーで連載枠があり、僕には使うというカテゴリーで書いて欲しいということでした。ただ、このカテゴリーは3人の執筆者によるローテーションになるそうで、僕は3ヶ月に1回の連載ということになります。で、トップバッターとして今月号から書くことになりました。
1回目は
アダム・シルバーマンのシリアルボウルを紹介しています。
それはともかく、今回の特集もかなり面白かった!
細川家のお宝拝見です。細川家といえば以前総理も務めた
細川護熙氏のご先祖様、『
へうげもの』でも登場する
細川忠興や、ジュリー版の『
魔界転生』に登場する
細川ガラシャもそんな細川ファミリーです。さすが名君だけあって、国宝級のお宝がザックザク。現在東京国立博物館に寄贈展示されている中国・唐の時代の仏像なんか護熙氏が子供の頃、かくれんぼでその仏像の後ろに隠れていたそうです。
僕が最も興味を持ったのが護熙氏の祖父にあたる
護立氏のコレクション。紀元前4世紀頃中国・戦国時代の文鏡(国宝)があると思えば、
横山大観やら
セザンヌやら相当なコレクションです。大正時代にパリに1年以上収集のために滞在し、まだ無名に近いセザンヌを買い上げるとはかなりの目利きです。護熙氏もかなりの
数奇者らしいのですが、
彼は
陶芸もやるので、現代の
古田織部といったところでしょうか。一度そういったコレクションを見てみたいですね。