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闇の奥

Design Addictの02の特集でsomewhere in spaceさんとラディカル→ポストモダン→現在の流れを紹介するページがあり、その対談で彼の家にお邪魔しました。彼とは10年ほど前から僕の持っていたパントンの作品などを買ってもらったりした頃からの知人ですが、彼の家にお邪魔したのは初めて。相変わらずハードコアなものたくさん持っていました。
もちろん、モノだけじゃなくて資料もたくさん持っているのですが、特にラディカルデザインを語るうえで数少ない重要な資料が、アレッサンドロ・メンディーニが編集長だった時代のCASABELLAです。写真はその中でも有名な通称“ラディカルゴリラ”と呼ばれる表紙の号です。
 
ジョセフ・コンラッドの小説『闇の奥』をご存知でしょうか?
ポーランド出身の彼はフランス商船の船乗という経歴を持ちますが、その時コンゴで見た体験をもとにその小説を書いたといわれています。
1902年発表されたその小説は19世紀まで植民地支配を拡大してきた西洋文化の闇を垣間みる事ができます。この小説を知らずとも、フランシス・コッポラの映画『地獄の黙示録』はご存知でしょう。この映画は『闇の奥』を中心に脚本が書かれています。
ベトナム戦争の中で軍の命令により反乱を起こしたカーツ(マーロン・ブランド)を暗殺する使命を負ったウィラード(マーティン・シーン)の話ですが、そもそもカーツが原住民の王となり反乱を起こしているきっかけがありました。カーツは軍でもとりわけ優秀な兵士でしたが、軍の偽善性、つまり現場の兵士の判断ではなく、司令部の組織的な思惑で左右されている現状に失望したのです。『踊る大走査線』みたいなもんですね。イラク戦争なんかをみていても、軍の、国家の偽善性は拭いきれません。
『闇の奥』自体も何度か映画化が企画されていたようです。オーソン・ウェルズスタンリー・キューブリックもそういった人達ですが、いずれも断念しています。ただキューブリックは『2001年宇宙の旅』の中で、後半のHALとの戦いの部分は『闇の奥』が引用されているといわれています。
先日、テレビでアフリカのコンゴの人たちがゴリラや猿の肉を食べているというドキュメンタリーをやっていました。先進国の人からすると人間の祖先を食べるという事は動物愛護の面からみてもモラルに反するという考えを持っていますが、現地の人にとっては生きるか死ぬかの重要なものなのです。更にいうと、ゴリラなどがアフリカで減少している最大の理由は、西洋諸国の押し進める森林の伐採であり、西洋人がいくら動物愛護を訴えたところで、大元は自分たちが虐待している事に気づいていない部分が最も問題なのです。19世紀以前の植民地主義の時代とやってる事はあまり変わっていません。

『闇の奥』が書かれた時代にも文明人の蛮行は存在しました。ナチスにおけるユダヤ人の虐殺は歴史上の惨劇として語られていますが、ベルギーのレオポルド国王の時代、コンゴ自由国でも相当な事が行なわれていたそうです。住民に象牙やゴム採集など過大なノルマが与えられ、達成できないものは手足を切り取っていたそうです。また、1880年代、コンゴには3000万人くらいが住んでいたいわれますが、1900年代のはじめには800万人になっていたそうです。2000万人以上の人が殺されたと考えると、歴史上最大の虐殺になるはずですが、奴隷制度のあったこの時期には批判はあったにせよ大半の部分が歴史の闇に葬り去られたわけです。
 
この表紙のゴリラはそういった文明の蛮行や偽善性のメタファーです。
そういえば2005年公開された『キングコング』のリメイクでもまた『闇の奥』を引用していました。
| Design | 23:46 | comments(1) | - |
Souvenir Market

ちょっと告知が遅くなってしまいましたが、8/9から22日(くらい)まで渋谷パルコパート1 B1Fのデルフォニックスギャラリーで短期間のイベントをやっています。
Glyph.とWonder-travelling.comの合同で出店してます。
世界で買い集めたスノードームやスタチュー、広告の販促物、エアラインもの、フィギュリンや食器、切手、ステーショナリーなどほぼすべて正規には日本で買えない直輸入もの、もしくはヴィンテージものです。
告知してなかったのと、お盆中という事で人はまばら。それでもそれなりに売れてます。これはおととい撮った写真ですが、まだレアものは残っているととりあえず言っときます。物販だけだとサマにならないので、旅先で撮った写真をパネルにしました。(上写真)
 

奥にある猿の表紙はwonder-travelligからメキシコでジャケ買いしたファイルのリフィール。何種類かあります。手前はGlyph.のものでスノードームやメキシコオリンピックのスナックトレイ。

あまり日本では見かけないイスラエル、ブルガリア、ポーランドの切手はwonder-travellingから。ソ連時代のパッケージやおもちゃもあります。

時期的には早いけどデンマークのクリスマス・シールとかもあります。北欧ローカルの航空会社モノも。

おなじみエアラインものです。今回は中米、東欧、中東系のレア航空会社(デザインはかなりいい)を集めてみました。エア・インディアも代理店のPOPとかレアものありです。
| Collection | 18:50 | comments(2) | - |
フェラーリ

Penの最新号はフェラーリ特集。なぜか僕も『私の愛するこの1台』としてコメントをしました。本当はヴィンテージの方が好きなんですが、皆さんヴィンテージにかなり寄っているらしく、あえて近代モデルを選びました。
 
僕と車という関連性は皆さん直結しないと思います。でも、小学生の頃は大人な事情(維持費や車検など)を知らなかったこともあって本気で大人になったら車を集めようと思っていました。僕の世代は小学校低学年の頃スーパーカー全盛だったので、思い入れが強い人は多いと思います。後楽園で開かれたサンスター主催のスーパーカーショーももちろん行きました。あの頃の子供はみんな車種をエンジン音で聞き分けられた(笑)
サーキットの狼』がブームのきっかけとなったようですが、僕はもう少し後の『よろしくメカドック』の方が影響を受けました。
あの頃はRE雨宮が製作したマツダの軽自動車、シャンテRX-7のロータリーエンジンを積んだレースカーが好きでした。
 
話は変わりますが、10年ほど前会社員の時代に、某軽自動車メーカーの仕事でTリー伊藤さんと一緒にコンセプトカーを作ったことがあります。Tリーさんがディレクションして、僕がデザインを担当しました。その実車を製作する際に御殿場のとある自動車工場に早朝伺いました。田舎の工場という感じでしたが、時間が経つにつれてこの社長の凄さが分かってきたんです。まず、娘さんと奥さんが僕たちにエスプレッソを出してくれました。そして家族の会話は全部イタリア語。工場を入ってすぐの会議室らしきところには、壁にいろんな写真が飾ってあって、よく見るとエンツォ・フェラーリと一緒にアルファロメオの前でここの社長が並んでいる写真。(アルファ時代からエンツォとは仲良かったそうです)その写真を筆頭に、アルファロメオの名作を多く手がけたフランコ・スカリオーネ蓮池さんもアシスタントをしていたロドルフォ・ボネット、カウンタックなどのデザインで知られてるマルチェロ・ガンディーニいすゞピアッツァのなどをデザインしたジュジアーロから、ピニンファリーナブロバローネなんかの世界的なカーデザイナーとの2ショットがずらり。テーブルの上にはジオ・ポンティのデザインした金のエスプレッソマシンやなんとコンパッソ・ドーロのトロフィーまであるんです。この人ただ者じゃあありません。さらに工場を見るとイタリアから数名のカロッツェリアが来て仕事をしています。こんな軽自動車1台作るのにイタリアのスーパーカーを実際作っている人たちを呼んでいてとても刺激的な仕事でした。
庭にはプロトカーのローラT70から、206ディーノデイトナコブラのオリジナル、そしてフロントとリア両方にエンジンを搭載したシトロエンの2CVサハラなんかもありました。それも飾ってるだけでなく、実際乗れる。
こんな田舎にこんな人が・・・日本の職人の凄さを実感した出来事でした。

| Design | 23:12 | comments(0) | - |
コーヒー・テーブル ブックス

先日、DTP WORLD編集部のF澤さんから連絡事項のメールのついでに、「『コーヒー・テーブル・ブックス』はもう読まれましたか? 感想をお聞きしたい」となげかけがありました。既に彼には返事をしたんですが、今度まとめてブログにも書きますと言った事もあり、その時の感想もあわせてちょっと紹介したいと思います。
 
この本の著者はH部さんという、まあ京都というか関西ではその名を知られた恵文社という書店の店長さん。ウチもお取り引きがあるのである程度は知っていますが、関西なのでそんなにプライベートな交際をしている訳でもないので、実像はもしかしたら関西の恵文社ファンの人の方が知っているかもしれません。少ない情報では関西の雑誌にはカリスマ店主として、色々登場しているみたいですね。文科系女子にはアイドル的存在のような話も聞いてます。僕がいつも会っているH部さんの人物像はポーカーフェイスで、でも鎌倉系文化人と交流がある。といったくらいです。(H部さん、すみませんね。このブログも見ていただいてるようなので、ここでお詫びしときます)
そういった意味ではこの本で、彼の頭ん中をもう少し深く垣間みる事が出来た事もあり、とても面白かったです。
 
何よりも面白かったのはその編集的視点です。1冊づつコーヒーテーブルに置かれるような本を紹介する形式ですが、本そのものというより、その本の出来た経緯、社会背景、関わった人間などを限りなく膨らませて人間臭い部分を引きずり出し、さらにそれを最近の映画や世相にあわせて斬っていくという編集の醍醐味を披露してくれています。モノの見方の方向性が僕と似ていてとても共感できるんです。
 
ミステリーなんかをを読んでいるといつも思うけど、脈略もない人物が複数登場して、最初は混乱するけど後半にいくにしたがって、その登場人物が1つの必然で繋がって一気に盛り上がっていく。その混乱が大きければ大きいほどクライマックスがドキドキすることはありませんか? 僕はミステリーでなくても、いい編集っていうのはそうやってドキドキさせる何かを持っていると思ってます。
 
世の中を見渡すと雑誌も沢山あるし、インターネットですぐにソースは入手する事が出来ます。そうやって手に入れたソースは僕は全体の6割くらいだと思います。残りの2割くらいがそのソースから間接的に繋がっていく社会背景や人間関係などの蘊蓄。更に1割がそのものが発生した起源などを俯瞰で見る事。ここまでは、なんとか世の中にあるソースを駆使すれば到達できます。で、最後1割に必要なのが編集だと思うんです。主観的な命を吹き込む作業。命って言ったら大げさだけど、要は編者だどう思いどう斬るのかという部分です。
シェークスピアや落語みたいな古典がずっと残っているのって、結局のところストーリーは変わらないけど、解釈が脚本家や演出によって変わるからであって、出演者が変わるだけだったら全然面白くないし、いつか破綻する。
これができるから編集者はプロであるんだろうし、ブロガーとの大きな差がある気がします。
まわりくどい言い方だったんですが、H部さんの本は編集者としてのプロ意識が発揮されていて、ワクワクできる本だったという事です。ただ、内容がちょっとマニアックなため万人に理解されるかといえばそうではないかも知れませんが、そういった編集的視点の意識は様々なところで応用できるでしょう。
 
現在、みんな情報のインフレだと思っているみたいで、カタログ的になっています。その間は無編集でも受け取ってもらえます。ただ、いつかは読者が良識を持ち、情報の垂れ流しは破綻する運命にあるでしょう。どことはいいませんが、それでつぶれてしまいそうな出版社は頭に浮かびます。結局は一生懸命やらないとダメなんだという事です。僕も最近一生懸命やっているんだかどうだか、自戒も込めてがんばります。
| Culture | 23:33 | comments(2) | - |
赤い意味

連載中のDTP WORLDが届きました。今回は赤という特集で、僕も何ページか協力しています。
興味深かったのは杉浦康平氏のインタビュー。僕もこの特集の話を聞いて、赤って何で使うのか?と考えてみましたが、杉浦氏の話の中に母の胎内にいる時に一番最初に認識する胎内の色だからというへんは特に面白かったです。僕個人はもっと先祖代々伝わっているDNAの中に赤に対する興奮と畏怖が同時に組み込まれているような気がするんです。
赤というとやっぱり血を連想します。文明時代になって人間は地上の天下をとるようになったけど、原始時代は動物を食べるか、自分が動物に食べられるか弱肉強食だったわけで、収穫した獲物の血を見ると興奮し、逆に仲間が襲われた血を見る事は恐怖だったに違いありません。僕はその頃の記憶が人間には組み込まれていると思うんです。
その好例が、安売りの文字は赤で示される事が多いのと危険を促す標識や割物シールなんかも赤で示されます。ポジティブな意味とネガティブ意味を同じ色で使い分けているんです。
 
杉浦さんも言っていたけど、日本人は特に赤にたいして思い入れが強いと思います。日の丸が赤というのは大きな意味があると思います。だって太陽が赤なんてあんまり感じた事がないです。子供の時、お絵描きでみんな赤い太陽を描いたけど、海外では黄色やオレンジを使ったり、太陽にはあまり赤は使いません。やっぱり神道の影響が強いんでしょうかね? 神社の鳥居やお地蔵さんに赤いものを着けるのも神聖さや魔除けのイメージがあるようです。赤チンも細菌から身を守るという心理から色が決められてそうです。海外の薬品なんかを結構見て回りますけど、赤チンはみたことありません。あと新生児を『赤ちゃん』と呼ぶのも日本だけです。生まれたばかりの頃は色素が薄くて赤みをもっているからだそうですが、還暦の祝い(干支で人間は人生120年として計算し、60歳は人間の折り返しでもう一度赤ちゃんに戻る儀式)で赤い衣装をつけるのも考えると、いかに日本人が赤に思い入れが強いのかが分かります。
  
赤についての様々な事は結構前から知っていましたが、この特集の話が来るまで、総体的にあらためて赤の意味なんて考えた事がありませんでした。なかなか硬派な特集だと思ってしまいました。
| Graphic | 23:23 | comments(0) | - |
OPENERS

WebというマガジンのOpenersというところで連載をはじめました。Openersはミュージシャンの坂本龍一氏、ファッションディレクターの祐真朋樹氏、ジャーナリストの鈴木正文氏が発起人となって始まったそうで、メンバーがやや音楽、ファッションよりでインテリアやデザインが弱かった事もあり、ランドスケープのN原さんの推薦で連載を持つ事になったのです。N原さんもクラフトを中心に紹介し、あと、ユトレヒトのE口さんもBOOKのコラムを持ちます。僕はART=DESIGN。初回と2回目は先日ここでも話したオークションなどを中心とした最近の『ART=DESIGN』について紹介しました。3回目からは事例のようにデザイナーや作品を紹介していこうと思っています。
 
色々調べていると、最近のART=DESIGN事情にはやっぱり富裕層の影響が大きいようです。欧米の富裕層は家具や美術品にこだわることはステイタスです。だから日本のように大金持ちなのに家具や美術には疎いという人は少ないです。まあ、本人がセンスがいいという訳ではなく、多くの人は専属の目利きを雇ってそういった調度品を集めさせているのです。女優のダイアン・キートンなんかはF.L.ライトの孫が建てた家に住んで、サリヴァンなんかの家具やレンピカの絵などで埋め尽くしています。ブラピも椅子コレクターとして有名ですし、ナオミ・ワッツが最近トーマス・デマンドを買いまくってるとか、トム・ハンクスはヴィンテージ・ケアホルムが好きだとか、こういった仕事をやっていると、そんな話を聞いたり、オファーがきたりとかするんです。
まあ、そんなのは序の口で本当の富裕層は16世紀〜18世紀の装飾家具なんかを揃えていたのです。そして彼らの嗜好の変化がこのDesignの高騰を生む事になりました。16世紀〜18世紀の装飾家具は職人による手作りの手間のかかったものです。彼らがそれまで、モダン家具に向かなかったのはモダン家具の素材にあります。富裕層は希少価値というマニアが好きな視点よりも、どれだけお金をと手間をかけて作ってるかの方が重要なんです。モダン家具は安価な素材と大量生産に向いたシステムで制作されているのがほとんどなので、富裕層にはひっかからなかったんです。それがここ最近変化してきたのです。今年のサローネ情報は大体のインテリア誌で取り上げられたのでご覧になっている方も多いと思いますが、話題になっていたのはビザッサのSTUDIO JOBやハイメ・アニョン、マルセル・ワンダースといったバカでかくて高級なものでした。ああいったものを富裕層は好み、装飾美術品から新装飾美術品へ移行しているのです。だからこのところ急激に高騰している作家は近年活躍している人が多いのです。
日本の富裕層の大半は芸術と乖離しているので実感はありませんが、近いうちにそういう方向へ進むのは見えています。
 
僕の連載は毎週水曜日更新です。
| Design | 23:38 | comments(0) | - |
ケーブル・ジュエリーズ

今まで何度か紹介してきましたBlessのケーブル・ジュエリーが、大量にウチにやってきました。2年前にベルリンに行った時、Blessに寄ったんですがスタッフの使っているパソコンの背面からジャラジャラ出ている様々な装飾ケーブルに感動してしまいました。でもその時はまだ一般販売されていなかったのと、ほとんどヨーロッパ仕様のケーブルで日本で使えないために断腸の思いでその場は去りました。
そして、昨年伊勢丹のリ・スタイルで2種だけ発見し購入しました。なかなか楽しいけどやっぱり2本じゃサマになりません。
そして、先日国立新美術館の地下、スーベニア・フロム・トーキョーでやっているEXTRA SMALLというイベントでBlessが参加しているのを発見!会場に行ってみると3本くらいが置かれていました。すかさずここの店長に聞いてみると、奥から山ほどのケーブルを出してきてくれました。ただどれも延長コード。あんまり延長コードばかりあってもしょうがないので、中でもかさばりそうなものを7種類ほど選んで購入しました。ケーブルと思ったらものすごく高いけど、インテリアと思えばまあまあかな。
おかげでウチは床がジャラジャラになりました。掃除が大変です。
 
Blessの商品はスーベニア・フロム・トーキョーで通常も少し売っていますが、あまりいいのがありません。イベントは27日までやっているようなので、気になる人はそれまでにチェックしてみてください。
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