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Midnight Airport 3やります
もはや毎年恒例行事となった。神戸のお店NOTAMの企画、Midnight Airportが今年も今週末に開かれます。
第1回から僕はゲストとして参加させてもらっていますが、1回目はGlyph.って何者?柳本ってどういう人?という疑問を持った人たちが多く,そういった人の前で話すのが初めてでしたから少しは?がとれたようでした。その後昨年から僕もこのブログをやり始め,大分こちら側からの発信が出来たので,2回目はブログとのリンクしたトーク内容になっていました。そして今回3回目。オーナーのO前さんと「今年はどうする?」と色々話していましたが,今回はスペシャルゲストを入れることになりました。関西雑貨会のドン『Angers』のH賀さんです。関東にはリアル店舗がないのであまり知られていませんが,楽天店ではインテリア部門7年連続売上1位、総合でも17000店舗中3位ですから相当売れ売れのお店です。ウチの商品も扱ってもらっています。
 
今年も昨年同様古しきゆかしき神戸KR&AC (神戸レガッタアンドアスレチッククラブ)で開催するそうです。もちろんこれも毎年恒例になった2次会の『朝までトーク会』も行います。皆さん是非遊びにきてください。
| Culture | 13:41 | comments(2) | - |
目黒 たか

今日,マイスターの封筒に入ったDMが送られてきました。中を開けると目黒『たか』のオープンの案内が入っていました。
 
もうかなり前になるけどマイスター、モダン・エイジ・ギャラリーのオーナーでもあり日本におけるイームズブームの立役者でもあるK坂さんが飲み屋をやりたいと言っていました。10年ほど前まで買い付けでアメリカへ行ったり,精力的に活動していましたが僕もそうだけど歳をとってくると行動範囲が狭くなってくる。買い付けはしんどいですからね。都美術館から巡回したイームズ展以降から,マイスターで取り扱う商品も徳利や猪口などテーブルまわりの、それも酒飲みグッズのような物が増えてきました。マイスターのお客さんはイームズ好きの20代くらいが中心でしたからこの商品の変化は混乱したでしょうね。でもオーナーの等身大で好きな物を並べるという意味では自由さが感じられます。今ではもっと上の世代がお客さんになっているようですから。
 
そして,彼の次の目的がモノ好きの大人が集える小料理屋だったわけです。K坂さん自身グルメでしたし,まわりの人に聞くと料理も相当上手いらしい。そして念願のお店が6/5にオープンとなったわけです。『たか』はオーナー名、K坂孝明の『孝』です。
いや〜僕も等身大で何か出来るように歳をとりたいですね。
| Culture | 23:58 | comments(0) | - |
Le Corbusier

森美術館で始まったル・コルビュジェ展を観に行ってきました。日本のル・コルビュジェ展としては今は無きセゾン美術館でやった以来の大きな感じです。特に面白かったのはパリのアトリエ,ユニテの集合住宅、カップ・マルタンの家の1/1再現があり,お客さんが入って体感できるところです。その中でもカップ・マルタンのあの小屋は彼の実像を知ることが出来ると思います。
 
ル・コルビュジェというとサヴォア邸なんかが有名ですが,本人はあのこじんまりした小屋が好きだったんですよね。でも、再現のスツール(ワインの木箱で当時作ったらしい)はちょっと大きい感じがします。同じようなスツールをブラジル学生寮のために制作していますが,そっちの大きさに感じました。
アトリエ再現には実際そこにあった小石や眼鏡などが置かれていました。ル・コルビュジェといえばカッシーナの家具がまず頭に浮かびますが,それらはクライアントの物件のために制作された物が多く,本人は南仏の工芸椅子など無名で飾り気の無い雑貨を好んでいます。大きな家具はペリアンに作ってもらったものと(コルビュは家具のセンスは無かったようで,彼のデザインで通っている家具は殆どペリアンがデザインしていた)あとトーネットの曲木椅子は好きだったようです。
コルビュのセレブなイメージはカッシーナによって作られた物で実際のコルビュ像はもっと人間的であったと思います。ペリアンもプルーヴェも自宅を見ると全然かっこ良くない。椅子に編み物がかけられていたり,安物の食器を使っていたり。でもそれがかっこいいんです。その感じは先日書いた『Art and Articles of Living』にも繋がります。
 
僕たちが唯一住める可能性があるコルビュの物件としてユニテの集合住宅があります。ただしかなり老朽化しています。最近は住宅としてよりもギャラリーや店舗として利用していることが多いようです。もともとは家具も込みでデザインされていましたが、オーナーが変わる度、古くなった家具は捨てられてしまい,現在は1部屋当時のまま保存されているところだけです。20年ほど前にかなり家具は廃棄されたようで,その頃から家具集めをしていたコレクターは拾い放題だったそうです。今でも少し残ったランプやはしご、郵便受けなどを求め,ディーラーが各家にやってきては交渉しているようです。
 
ここ数年にあったデザイン系の展覧会の中ではとても良かったと思います。一番良かったのは目黒美術館で2年ほど前にやったイームズ展。イームズの作品よりも世界を旅して集めた民芸品やスナップ写真、送られてきたDMやレイ・イームズの引き出しの中コレクションなど,より人間像に触れ,クリエイターにとってインスピレーションの源とは何かを教えてくれたとてもいいものでした。僕はもっとコルビュの人間像に触れてみたかったです。というかすべてのクリエイターの引き出しの中や棚の本を覗きたいです。こんな展覧会誰かキュレーションしてください。もしくはさせてください。
| Archtecture | 23:15 | comments(0) | - |
Cuba

Numero TOKYOの見本誌が届きました。
キューバ特集で僕もグラフィックについてコラムを書きました。ここでもちょっと触れましたが、キューバととても特殊な国。昔,コロンブスに発見され,その後スペインからアフリカの奴隷を連れてやってきた人たちが植民地にし,独立後現在まで社会主義国になっています。ラテン、アフリカ、アメリカ、ソヴィエト、そして先住民と様々な民族と文化がミックスされて生まれた独自の文化があり,そこからあの特殊なグラフィックが生まれています。社会主義国は基本的に宣伝をしなくていいので,グラフィックはプロパガンダや映画ポスターなどに展開されます。
またそれはグラフィックに限ったことでなくて、ソヴィエトとの文化交流からクラシックやバレエが盛んになり,またそれも独自の文化を確立しています。
 
オリバー・ストーンがカストロを撮ったドキュメンタリー映画『コマンダンテ』が明日から公開されるのもタイムリーな話ですが,この号にもオリバー・ストーンのインタビューが載っていました。この映画,アメリカではお蔵入りとなっています。このインタビューでも触れられていますが、カストロ自体は人間的でかつ高齢になっても曲がらない理念を持ち続けている。彼に会ったジャーナリストは皆ファンになるそうですが,それは報道の際にねじ曲げられて,悪者のイメージで僕たちには伝わっています。ベネズエラのチャベス然り、洗脳ではなく、実際住んでいる国民が選んだリーダーは大体ちゃんとした人が多いと思う。キューバにしてもベネズエラにしても国をぐちゃぐちゃにしていったのはアメリカだったりするので。オリバー・ストーンも言っていますが,アメリカと仲良くなったら今の美しいキューバは無くなってしまうでしょう。ベネズエラでアメリカがしたように。何世代後には結果的に現地民は貧困に苦しみチャベスのようなリーダーに救いを求めるはずです。
 
とNumeroは女性誌なのにかなり硬派。以前もエロティックなんかを特集したりじっくり読める面白い雑誌です。Numeroはフランスの雑誌で最初は「(他にも雑誌はあるのに)何でNumeroなの?」「しかも,何で扶桑社なの?」という疑問を持っていたので編集者にあれこれ聞いてしまいました。いい広告も入っているようですからある程度長続きはしそうですので期待してます。
 
もう1つ気になったページがありました。上田義彦さんが撮ったロバート・メイプルソープの遺品。上田さんといえば昨年末『CHAMBER of CURIOSITIES』という東大の総合研究博物館所蔵品を撮った作品がすばらしく良かったのですが、同じ手法でメープルソープの遺品を撮っていて,もっと見たかった。是非写真集にして欲しいです。
| Culture | 23:35 | comments(0) | - |
物撮特集

HUgEの最新号が送られてきました。先日も紹介しましたが僕も1ページヴィンテージデニムの紙ものコレクションをお披露目しています。HUgEでたまにやる今回は物撮特集。通常ファッション誌で登場するモデルなどの人物が登場せず,モノだけが紹介されています。(多少人物は出てきますが)
 
エディ・スリマンの写真も何ページかありました。彼の写真はどこかメイプルソープを思わせるものがあります。僕にはメープルソープもエディの写真にも『負のエネルギー』とその隠喩とした『生のエネルギー』を感じます。
| Culture | 23:35 | comments(0) | - |
Black Beauty

昨年壊してしまったMacBookの変わりに新しいのを購入しました。最近なぜかマットな黒にハマっていて、今回購入したのもマットブラックです。同時にヘッドポーターのブラック・ビューティMacBook専用ケースも買ってしまいました。それと今,修理中のGR DIGITALの代わりにGX100も買いました。この写真はLEICAで撮っていますが,でかくて重いので,スナップは小さい方がいいです。まだちゃんと使っていませんが、GRはアナログっぽい感じが売りで、GXの方はもっと実用的な感じです。GRもGXもどっちも黒。それと4月上旬、ジャケットのポケットに入れておいた携帯をタクシーのドアに挟んでしまい、マットブラックなMedia Skinをナンバーポータビリティで買い換え。黒、黒、黒です。それと写真のMOLESKINEはベルリンのセレクトショップSmart Travelers Net別注ものです。
 
マットブラック、まだまだ熱は続きそうです。
| Life | 23:47 | comments(4) | - |
Art and Articles of Living 責了

プルーヴェ、ペリアン,ル・コルビュジェ、ムイユなどのオリジナル作品とアノニマスな生活雑貨を紹介し,昨年11月に展覧会を行った『Art and Articles of Living』のカタログが責了になりました。6/1に移転オープンするSIGNで先行販売されます。
柳宗理氏によるコメントも掲載しています。
 
以前にも書きましたが,このイベント及びカタログには無名のそれもとてもグッドデザインとも思えない生活雑貨と有名デザイナーによる名作家具をコーディネートしています。多分、今まで世界でもなかった切り口だったと思いますが,それは本来の姿です。
プルーヴェやペリアンの家具は今や美術館級の値段。そろそろ天井かなと思っていたら,まだまだ上がっています。プルーヴェ・ブームの仕掛人、パトリック・セガンフィリップ・ジュスのお店も売ったお客さんから同じ値段で買い戻しているそう。それでも売れるくらい高くなっているんです。でも,これらは全部もともとは公共施設や学校の学生のために作られた物で高尚な美術品ではありません。むしろアノニマスデザインに近い存在でした。その頃の価値観に戻し,その視点から改めて彼らのデザインがどこが優れているのかを見て行くという展覧会でした。
僕も以前はプルーヴェの家具などを使っていましたが、デスクなんかは天板が広く,巨大な割にとても軽い。それでいて,構造がとても美しい。使った時に本当の良さが分かってきます。展覧会の準備の際にプルーヴェ、ペリアン、ドローネの合作として知られているメキシコ学生寮の棚(展示はプロトタイプ)を組み立てていましたが,とても構造が単純、で軽い。こういう家具は美術館で見ただけでは分かりません。
 
カタログの方はやっと完成したという感じですが,どちらかというと写真集に近い感じ。ディテールなどに触れたカタログ的な作品集は山ほど出ているので,写真ももっとアンバーで雰囲気を楽しむような感じに仕上がっています。
 

上は後半の参考文献のページ。参考文献はほとんどテキストのみで紹介されることが多いのですが,ちゃんと写真付きで紹介しています。それもダイアン・アーバスTHE LIBRARIESという写真集が良かったのでそんな感じにしてみました。
 
全40ページ。初版2000部限定 税込2800円です。
それはともかく,6/1のニューオープン楽しみです。
| Design | 23:57 | comments(0) | - |
数寄者

monoマガジンの最新号が届きました。なぜか第2特集が“地球儀”。僕も地球をモチーフにしたロゴマークとなぜ人は地球儀が好きなのかというコラムを書かせてもらいました。
今回はうんちくコミック特集。最近打ち合わせなどでも度々登場する『へうげもの』も紹介されていました。主人公は古田左介(古田重然)という人物。豊臣秀吉に仕え,秀吉が関白になった際に古田は“織部”の称号をもらう。そう,この人があの岐阜の織部焼の創設者です。
 古田は織田信長、豊臣秀吉のもとで活躍した実在の人物です。へうげものではかなり着色されていますが、おおまか歴史に沿って展開されていて,古田自体も実際影響力があったようです。千利休とも交流があったようで茶道を継承し,独自の“織部流”を確立しました。全国に広がる織部流の影響は、徳川家康に恐れられ,罪をこじつけられ切腹になったそうです。
 
僕たちが学生時代、戦国史と美術は別々に教わりましたが,美術的部分から歴史背景を見た面白い切り口の漫画です。戦国武将がお互いの同盟を結ぶ際に親族を嫁がせたりする事は有名ですが,歴史的な美術品を相手にプレゼントし,その美術的価値の基準によって絆の深さを相手方に示すということはかなり強かったようです。それゆえ,美術的価値を鑑定できなければならないですし,センスも磨かなくてはならない。そして,センスがいい人に教えてもらわなくてはなりません。そういった背景から千利休のような人物が政治的にも大きな影響力を持つようになった訳です。
プレゼントですが,例えば織田信長が狩野永徳に描かせ上杉謙信へ贈った『上杉本洛中洛外図屏風』という物がありますが、一流の美術品を差し上げるいう意味だけでなく(信長が)既に京は俺のものというプロパガンダも含んでいます。へうげものでは三名器と呼ばれる「初花」 「新田」「楢柴」が登場しています。

こういった茶道を通してセンスを磨き,美術品を集めた人を「数寄者」といいました。現在では少し意味も変わり「好き者」といわれています。益田鈍翁(三井財閥)は数寄者としては有名な人です。近代の数寄者は鉄道関係が多く、鉄道王と呼ばれた東武、南部鉄道創始者の根津嘉一郎や阪急グループ創設者の小林一三、東急グループ創設者の五島慶太などが有名です。なぜか山梨、長野あたり出身が多いのは偶然でしょうか?(僕も茶道はやっていませんが小林一三さんの生家に近い「好き者」の山梨出身です。)
 
現代では僕のようにお茶はやらないけどモノ好きな人が増えています。この関係性をDesign Addictでは反映しているようです。
| Culture | 23:28 | comments(0) | - |
ブレる

山口のショップDegreeがオープンして1ヶ月以上が経ちました。
多少の取材はあったものの、DMも出していないにも関わらず,お客さんは集まり,オープン間もない割には売れはしているそうです。そして,これくらいになると何が売れて,何が売れないかがはっきりしてきます。
僕も電話などでアドバイスはしているものの,基本的にはオーナーのお店ですからあくまでオーナーの意思でお店を存続させていかなければなりません。ただ,電話で聞いている話にはブレが見え始めています。
 
僕はメーカーはやっていますが,お店は持った事が無いのでこんな事言える立場で無いかもしれません。もし僕がお店をやったら、ブレない事をしたいです。
僕がオーナーさんと初めてお店の話をした時,近隣のお店の節操のなさを批判しながら僕に夢のようなお店の展開を語っていました。僕は客観性を失っている部分はまずいと思ったので,考え方を軌道修正しながらイメージする2つの大きな商品構成(アート系とカントリー系)の融合をし,どうにかオープンしました。
しかし,オープンすると(最初から分かってましたが)アート系は売れず,カントリー系は動く。現実性があって値段も手頃なのだからしょうがありません。そしてオーナーさんはお客さんの嗜好や顔色を見ながら僕に電話で「こういったお客さんが多いので,これを入れたらどうでしょう」「これが売れるからバリエーションを増やして商品割合を高くしたい」と言うようになってきました。既にオープン前のあの理想ではなく,現実をかなり見始めています。
 
一つは恐怖感があるように思います。昨日は0だった,今日もまだ0円。と(実際そこまでは無いようですが)赤字が膨らんでいく恐怖が襲ってきて,安定を求めるために日銭計算をするようになります。それが悪い訳ではありませんが,結果を見ると多くのお店は皆商品構成が一緒に見えてきます。そりゃ,売れるもので分かりやすいものがそんなに世の中に溢れている訳はありませんから,バッティングしていく事は必然です。はっと我に返った時、あれほど批判していた近隣の雑貨屋さんと同じ,バラエティショップになっているでしょう。僕もそうだけどお客さんはみんなわがまま。自分が買いたいものが無ければ買わないのに,売りたい気持ち見え見えのお店は嫌だと思ってしまいます。それに流されず,自分の意志をどこまで持てるかが重要です。
 
最近は投資ファンドが様々な分野の企業やブランド立ち上げに出資する事が多くなっています。ただ,殆どの人はその分野の知識が無い事が多い。数年前もありましたが,大手アパレル企業から独立し,投資会社出資のもと新ブランドを立ち上げましたが,半年で倒産しました。大きな理由は出資を止めた事。ブランド言うのは明日からバカ売れするなんて事はまあ殆どありません。どこどこの有名ブランドが作ったセカンドラインだとか,有名店長のお店だとかであれば話は別ですが,世の中に初めて登場するところがブランドを確立するのに大体3年かかるといわれています。あの今では業界一位のユナイテッド・アローズですら立ち上げ3年は赤字だったそうです。でもこの特性を知らない投資家たちはすぐに結果を求めます。その結果が倒産になったのです。
 
言うのは簡単だけど僕は『辛抱強さ』が必要だと思います。初心をブレることなく,貫いたときにこそ本当の顧客がついてくれるように思います。誰もが出来る事ではありません。でも,山口のオーナーさんは別に経営もやっており,家族を養うには充分なくらいの年商を得ていますから,体力は充分あるはずです。だからブレずにがんばって欲しいと思います。
 
幸運な事に,先月イギリス留学から帰ってきた娘さんが雑貨好き。もちろんオーナーの奥さんも雑貨は好きな人です。今,売上に繋がっている客層が3つぐらいあるそうで,その中の2つが娘さんと奥さんの層なのです。彼女達はお客さんの心理もちゃんと分かりますから,オーナーのバイイングの暴走を止めているそうです。そしてこの2人はとても辛抱強い。変な方向に行きそうでも軌道修正してもらえそうです。
 
ちゃんと辛抱強く続けていたらそのうち山口でもアート系の商品を買ってもらえるお客さんはついてくると思います。だから,大変だけどがんばって欲しいですね。
| Culture | 23:06 | comments(1) | - |
第四惑星の悪夢

先週に引き続き、MXテレビのウルトラセブンネタを。
この作品もまた,かなりレベルの高い脚本と映像が楽しめます。
この作品の元ネタになっているものがあります。一つは当時公開されたばかりの『猿の惑星』もう一つがジャン・リュック・ゴダール監督の近未来映画『アルファヴィル』です。若干アンドレイ・タルコフスキー 監督の『惑星ソラリス』の要素も入ってます。
簡単な内容はこんな感じです。
新型のロケットの実験に参加したダン(セブンの人間の姿)達は40日間の宇宙睡眠から醒めると地球に戻っていた。だが皆、彼らを避けるような感じがする。ある子供がトラックにひかれそうになり,それを軍人らしき人物に訴えると,ダン達は強制連行される。連れてこられた施設ではテレビドラマの撮影が行われており,大量銃殺シーンはとても迫力あるものだった。この施設で彼らは長官と面会する(写真がそのシーン)。実はここは地球に似た第四惑星でこの長官はロボットだった。この国ではロボットが人間を支配し、奴隷のような扱いを受けている。その奴隷が不足しておりこれから地球に行って人間狩りをしようとする直前だった。先ほど見学したドラマはロボット達の快楽を満たすために,本当に射殺していた。ダン達は自分たちの脱出を考え,長官の秘書(この人は人間で先ほどひかれかけた少年の姉)に助けられる。結果的には捕まえられ処刑になるが,そこでセブンになりロボットの都市を破壊し事なきを得た。ダン達は地球へと戻ってくる。仲間には「宇宙で夢でも見てたんじゃないか」とひやかされる。これでロケットの実験は成功し,これからの全面的に機械化し,便利な社会になっていく事に皆期待をするが,ダン達だけはあの機械に支配された世界を想像し,困惑した顔を見せた。
 
といった感じです。見た目は全く同じなのに異界に迷い込んでしまうというストーリーは今までも良くあります。幼少の時には。幼少の時にはNHK少年ドラマシリーズの中にもタイトルは忘れましたがありました。また、時代劇『大江戸捜査網』でも実験的なシナリオでこんな話がありました。セブンの話では『猿の惑星』の猿と人間の関係が逆転した世界の引用が見られます。そしてテクノロジー発展の行方を示唆しています。この部分は1920年にチェコのカレル・チャペックが書いた『R.U.R.』の引用です。
この作品で“ロボット”(チェコ語でロボタ=労働)という言葉が生まれました。
そして,地球を植民地化するストーリーにはいわずと知れたヴェトナム戦争(そもそもは植民地脱却から思想的に2分化した事から起こった内戦)やそもそもアメリカそのものの歴史背景の比喩でもあります。
そして映像面ではゴダールの手法がところどころに見受けられます。ゴダールは自然光などを多用したり,陰影を効果的に使ったりする監督です。市川崑などもその影響がみられます。映像で一番印象的なのは写真のシーン。奥行きのある廊下のような部屋ですが,実は本当は3メートルほどしか無く,目の錯覚を利用し,パースを急激にしたセットによってこういう効果を生み出しています。
ロボット長官が目と頭を開けて機械に秘書が油を注すシーンがありますが,アメリカでも『ウルトラセブン』は放送されており,このシーンを見た映画監督マイケル・クライトンは後に『ウェスト・ワールド』というSFウェスタンでこのシーンを引用しています。
この作品の監督は実相寺昭雄ですから凝ってて当たり前かもしれません。
| Culture | 23:57 | comments(2) | - |
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