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Degree OPEN!


山口のお店『Degree』がなんとかオープンしました。メーカーによっては欠品中だったり、オーナーのオーダーミスだったり、検品・値付がまだで棚に並べられなかったり、バタバタですがオープン当初はこれくらいすっきりしていた方がいいと思います。
商品説明のPOPやウチがデザインしたショップカードや包装用品も間に合ってません。(これはウチの責任です。スミマセン)全体の商品が全部見れるようになるのはGWくらいになりそうです。
 
それでも、これまでの山口には、いや東京にも無かったお店になった感じがします。
店内をちょっと紹介します。
 
 
日本でおそらく1台のSTUDIO JOBのペーパーテーブルが什器として使われています。
名前の通り張子のように紙で出来ています。(量産型の芯は木材ですが、JOBの作品は本当に芯も段ボール製です)テーブル手前は萩の陶芸作家濱中さんの作品。奥はユトレヒトセレクトの本のコーナー。








例の大工さんの足場で作った棚。木村硝子のタンブラーからドイツのKAHLAの食器、デンマークのカイ・ボイセンのカトラリー、マッカムのヘラ・ヨンゲリウスの花瓶。白山陶器小泉誠のマグ、野田琺瑯などなど、アノニマスからデザインもの、ジャンクや高級品が共存しています。
 

グラフィックやファッション、プロダクトなどで注目されているユニット『enamel』の商品もここで扱われています。
 

SABさんの活版印刷のカード、D-BROSのカード類のコーナー。
 

カード類の収納棚は1940年代の英国ヴィンテージで、活版印刷の活字を入れるためのものです。下のデスクは1950年代のフランスの小学校で使われていたもの。


スイス繋がりということで、奥はFREITAG、手前はDelfonicsのHelveticaペンケース。
後日壁にはJ-M.Brockmannのオリジナルポスターが貼られる予定です。


ステーショナリーのコーナー。MOLESKINやDELFONICSのPHOTOアルバムが並びます。什器のテーブルは1930年代の英国製ヴィンテージ。
 

正面の飾り棚にはデンマークのステルトンのジャグが並んでいます。お店の雰囲気に合わせてセレクトした色もちょっと渋め。
 

飾り棚には萩作家の金子さんのキノコ型押しピンも。値段もお手頃。
これも萩焼なんです。


萩焼作家の濱中さんの作品群。レース柄やスワロフスキーがちりばめられています。他にもシンプルな作品を制作していますがここではアート系のものを紹介しています。夏くらいに東京のさる山で個展も開かれるそうです。
 

もうひとりの萩焼作家、金子さんの作品。このお皿は100円ショップで見つけたプラスティックのお皿で型どっているそうです。彼は昨年アルゼンチンで展示をやったり、今年はミラノサローネにも出展するそうです。
 

金子さんに負けじとお店のディスプレイの中にも100円ショップで見つけた商品を飾ってます。他にもゴージャスな家具屋さんで見つけてきた悪趣味な感じのものをあえてディスプレイに差し込んでいます。


ガラス棚にはマーガレット・ソロウホンダ・キョウコさんのジュエリーも並んでいます。
 

そのジュエリーの横にはD-BROSのブローチ、FREITAGの財布などが置かれています。
 
お近くの方々(お近くでない方々も)。是非行ってみてください。
名物オーナーがお茶を出してくれるかもしれませんよ。
 
近くの川沿いは桜並木。桜が満開で綺麗でした。夏は蛍が集まるらしく、蛍祭りが開かれるいいエリアです。住所は

場所はここです。
営業時間11:00〜20:00 月曜定休
| Life | 23:45 | comments(0) | - |
あと2日


Photo:Akihiko Kanke
設置で忙しく、僕は途中経過の写真を撮っていないので、K家さんの写真を転用させていただいてます。
 
今日になってようやくメーカーから荷物が届き始めました。大きな家具(什器)も大体揃い、商品の並びにとりかかります。
お店もそうだけど、大きな事に気づきました。洗面所に置いてあるハンドソープがディズニー柄なのです。これは人によって認識は様々ですが、僕はいいものを売るお店のスタッフはより良いライフスタイルをお客さんに伝えなければならないと思っています。
どんなにいいものを売っていても、セールスしている本人が何でもいいやで適当なものを使っていては本質に欠けると思います。
 
僕がお店を出すとしたら、基本的にすべて自分が使ったり持っているものを売ります。売り手側が“自分が買いたいほど欲しい”ものを提供しなくてはお客さんが買いたいと思ってくれる接客が出来る訳が無いと考えています。また、多くの人は頭でっかちになりすぎていると思います。メーカーやブランド、歴史、デザイナーなど背景の部分を強調しすぎています。もちろんそれも大事ですが、むしろ僕は直感的な感動にもっと頼ってもいいかと思っています。見た目がどうかとか、使い勝手がどうかとか、もっと感覚的な所を大事にしてもらいたいです。だから接客も知識だけではなくて、使い心地もお客さんに伝えられなければと思います。だから僕はオーナーさんになるべくお店の商品を1つづつ使ってみてください。出来ればグラスやC&Sなんかはお茶なんかを出してお客さんに試してもらってください。コーヒーメーカーやオーディオもお客さんの見える所でさりげなく操作して使い勝手や品質の良さを実演してほしいとお願いしました。
 
最初に戻りますが、ディズニーのハンドソープにしてもそうです。お客さんは心地いい暮らしを夢見てものを買いにきます。見えないだろうと思って夢を壊す部分をお客さんに見せてはいけません。例えば高級レストランでトイレが汚いと、その店そのものの品格を疑ってしまいます。ある温泉旅館で日に日にお客さんが減っていくのに理由が分からなかったそうです。ある日呆然として店主が温泉につかっていると、垣根の向こうがゴミだらけだったそうです。旅館のスタッフは立ち仕事ですし、敷地内の環境しか目に入りません。でも、お客さんの視点に立った時自分の悪い部分にはじめて気づいたりします。だから、お客さんに見える部分はいいゴミ箱、いいボールペン、いいホッチキス、いい糊、いいティシュを使ってくださいと言いました。でもって、そういった備品を買いに行ったのですが、全然ないんですね、まわりに。大抵のものは消去法でMUJI製品に落ち着いてしまいました。残り分は東京から送るようにします。
 
いい店を作りには店側の意識が高くないと、お客さんに見透かされてしまいますよ。
本当のいいお店になるために、がんばってほしいと思います。
 
| Life | 23:05 | comments(0) | - |
UNFOLD

山口Degree用にユトレヒトのE口さんにセレクトしてもらった書籍をチェックしにお店に行きました。
E口さんから「今日上がってきましたよ」とサンプル本を1冊いただきました。
最近E口さんがインディペンデントマガジンやリトルプレスにはまっているらしく、昨年あたりから同じフォーマットで写真集、作品集を自費出版で出し続けています。
それが上の写真、HIMAA君の作品集『UNFOLD』です。HIMAA君の作品集のことはかなり前から聞いていました。HIMAA君の今までの作風は板にマスキングテープを貼り、ペイントした後はがしたもので、不自然な直線と絵の具の盛り上がりが特徴です。ユトレヒトは上質紙に印刷した簡素なブックレットを提案していたので、あの雰囲気が活かせるのか疑問の部分がありました。それで、今回その本が出来てきていたのです。
 
今回、HIMAA君は色鉛筆の線画で表現し、僕の疑問を吹き飛ばしていました。
簡素な印刷にも関わらず、色鉛筆のタッチが充分に活かされていました。HIMAA君の温厚な姿が浮かんでくるようです。
 

そして何よりも良かったのはストーリーです。もちろんイラストレーションの作品集なので一切解説や文字は入っていませんが、ページをめくるたびに前のページからの流れが見えてくるのです。今まで個展などで彼の作品を1コンセプトで見たことはありましたが、こうやってストーリー仕立てになっているのは初めてなんじゃないでしょうか?
BOOKデザインは元H部一成さんの事務所にいたY田君がやっています。
 
HIMAA君、超売れっ子とはお世辞にもいえませんが、数年前BRUTUSの表紙にも使われたり、個展ではファンが詰めかけ、結構作品を買っている人が多い。イギリスなどを中心に海外の人がポスターなど作品を買っている所を良く見かけます。
 
そして3/30-4/8の間、collex speakforで販売記念イベントが開かれるようです。会場ではこの本の先行販売と原画・モビールの展示やTシャツの販売もあるそうです。

この本、500部限定で1260円。もちろんDegreeでも販売します。

 

 

| Graphic | 23:52 | comments(0) | - |
Designing Critical Design

O田さんのブログにもありますが、先日読んだベルギーのデザイン誌に載っていたZ33というベルギーのギャラリーで今『Designing Critical Design』というイベントをやっています。6月にベルギーに行く予定はあるんですが、上旬に終わってしまうのでちょっと間に合わなそうです。
 
このイベント、行動するデザイナー3組(オランダのヨルゲン・ベイ、イギリスのダン&ルビー、スペインのマルティ・ギセ)がおりなすインスタレーションです。
Flickrではこのイベントの模様を紹介してますが、とてもおもしろそう。特に最近僕はヨルゲン・ベイのこの家具が欲しくて、特注しようと思っています。この家具、家具運搬用の貨物木枠とヴィンテージ家具を組み合わせたものですが、最近ヘラ・ヨンゲリウスも同じような家具をイベント用に作っています。彼とヘラはDroog初期メンバーですし旧友で、ヨルゲンの結婚式の引き出物はヘラお手製の大皿でした。
 
という横道はともかくとして、このイベントでは社会の中で起こっている商業デザインのあり方について展示を通して批評しているそうです。物質社会に従事している制作者というスタンスや消費者の社会的認識など。ただ、そんな難しいことを言っても分からないので、作品を通してユーモアという接しやすい面から社会問題を批評していくと言う手段を使っています。
物質的・消費的な側面からの展示会・展覧会の多い日本ではこういった試みはほとんど見ることは出来ません。多方面からデザインを考える意味でこういったイベントが日本で行われる(もしくは僕がやってもいいので、やらせてもらえる)環境づくりが必要だと思います。
| Design | 23:45 | comments(0) | - |
ロングライフデザイン
山口のお店の商品選定のためにいろんなメーカーのカタログを見ているんですが、ちょっと気づいたことがありました。
今まで多品目だった商品が劇的に少なくなり、カラーバリエーションなどに移行していることです。僕も5、6年前から多品目的な展開に疑問を持っていました。(僕はさらにカラーバリエーションもそんなに必要ないと思っているんですが)
当時、妻が某ステーショナリーメーカーのデザイナーで、彼女の考えるデザインも明らかにそういった感じでした。しかし、当時はまだキャッチー路線が主流だったこともあり、その殆どは廃盤になっています。数年経った現在、以外に受け入れられるものが多い気もします。そのメーカーの最新のカタログを見てもそう感じました。
 
会社員時代、デザインや企画を毎日山のように生み続け、若い頃はいいんですが僕たちが歳をとったとき、そんなに仕事をやっていけれるのかということに不安を感じました。楽をしようとは思っていませんが、死ぬまで継続した仕事をやっていられる道筋を考えなければならなかったのです。その答えの一つが、がんばって作ったものを継続的に販売していく方法(定番商品)です。ウチはその手法として商品展開と出版を見つけました。
定番として何年も愛されるものを、と僕たちの気持ちはそういう方向に進んでいましたが、現実は違っていました。半年、1年くらいで発注が少なくなり、廃盤にせざるを得ない商品も増えていたのです。
 
4年前、CIBONEと共同でファンシー(デザイン)文具と無印良品の間を埋める定番文具『Nowaera』を制作しました。どんどん変わっていってしまうデザインへの危惧、その反動が一切の装飾を外してしまった無印良品であり、それにもまた可能性の否定として危惧を感じていました。コクヨのCampusやツバメノートみたいなものは作れないのか?そこからプロジェクトが始まったのです。様々な要因があり、結果的に定番商品として継続されることは無かったのですが、その制作をしている過程の中でメモ帳のサンプルとしてロディアを研究しました。ロディアはまさにフランスのロングライフデザイン。あんなにシンプルなメモですが、ディテールをみていくとこれがまたよく考えられている。この構造であの価格はとても真似できません。
 
それから最近、ある事に気づきました。全く同じと思っていたロディアが微妙に変化していることです。10年、いやそれ以上のロングスパンによるそれもとてもマイナーなチェンジです。そのとき大きなことに気づきました。ロングライフデザインというのは常に動いているということです。定番を作ろう!と意気がって1回魂を込めただけではいつか消耗してしまうということを思い知らされたのです。
そういえば、某自動車メーカーの開発費で最もお金をかけているのは無難に一番売れている車種だということを聞いたことがあります。大きなリニューアルがある以外ほとんど何年も変わっていないデザインの車です。海外の人も「あの価格であのクォリティはなかなか出来ない」と言っていました。長く売れ続けているものは実は最も改良されているのかも知れません。だから、改良無しに10年、20年生きながらえさせようという僕の気持ちは甘かったのです。
 
ロングライフなデザインにカイ・フランクの有名なカルティオというグラスがあります。50年くらいの足跡をたどると、原型は現在と全く違う。形状も素材も厚みも色も全く違い、別商品と言ってもおかしくないです。ロングライフという一つの言葉では言い表せません。
スーツやジャケットで「これは定番ですから、一生ものですよ」と言われて定番になったものを見たことがほとんどありません。細かなシルエット、ボタンの数や襟の開き具合など定番ですらも時代を経て変化してるんですから。
 
先日、海外行きの飛行機の中で『ナガオカケンメイの考え』を読みました。彼も言っていましたが、ロングライフデザインと言う提案はある意味危険なことです。新開発や沸き上がるクリエイティブな考えを否定しかねない。D&Departmentが販売しているACEカリモクの商品も一度は市場から必要ないデザインとして黙殺されたものです。ノスタルジックや見たことも無い昔の斬新なデザインがキャッチーで受け入れられているだけかも知れません。本当のロングライフか判断されるのは20年後とかに生き残っているかどうかです。もし残っていなかった場合、ロングライフという言葉自体がLOHASのような流行購買促進語なのかもしれません。現在再生産されているそれらの商品が、日々マイナーチェンジをして今の時代に適した商品であるのか、僕は裏事情を知りませんが、ただ復刻しただけ、定番にしようとしただけではいずれ衰退していくと思います。僕自身が考える最近の『定番商品復活』現象は流行のような気がしてならないのです。
 
ロングライフ自体が悪いのではなく、ロングライフに依存することが危険だと思うのです。最近『3丁目の夕日』などノスタルジックなマーケットが盛り上がり、安倍総理の『美しい国へ』など古き良き時代の回帰思想が大きくなっています。みんな『昔は良かった』といいますが、ほんとに良かったのでしょうか?昭和30年代の様々なデータを見ていくと軽犯罪は現在の3倍、所得格差は大きく、よって今よりもはるかに差別や格差社会が強かった。教育のレベルの低さも問題視されていました。何かその時代のいい部分だけを見ているのです。現在があるのはあの時代に満足できなかったから。高度成長期を支えた人たちが「昔は良かった」と発言するのは無責任極まりないです。あの時代の人が2007年と今(1950-60年代)どっちがいいですか?と質問されたら多くの人が迷わず2007年と答えたでしょう。実際に当時に戻ったら、みんな「早く現在に帰りたい」と思うでしょう。そうなったとき定番もまた消費されて消えてしまうのです。何年かに一度訪れる古着ブームに似てますね。
  
僕も最新のデザイン事情を追っかけながらも、ロングライフに根付いたものは好きだし、そういうものを残していきたいと考えているのはナガオカさんと変わらない部分なんですが。ただ、僕自身考える重要なことはロングライフ=手間をかけるということです。長く生きながらえさせるには手間をかけ、常に今であるのかを探りながら現代の人に受け入れられるものを提供していかなくてはならないと、自戒も込めて考えているのです。
| Design | 08:48 | comments(6) | - |
メキシコの雑誌

山口のお店『Degree』では少し国内外の本も扱います。その件で今日、僕の物色がてらユトレヒトのE口さんに話に行ってきました。最近、いろんなところでBACHのHさんやE口さんの名前を聞くのでアンチになりそうなんですが、そういうセンスのあるセレクトが出来る人が見当たりません。結局認められているだけの人材なのです。
E口さんに大まかなお店の雰囲気などを伝え、セレクトは彼におまかせです。20タイトルほどを定期的に変えながらやってもらいたいと話しました。
そのお店でも取り扱う予定ですが、僕が気になって買ってきた雑誌をちょっと紹介します。メキシコのカルチャーマガジン2冊です。
右は『BabyBabyBaby』というティーン向けのファッションカルチャー誌。。フランスのファッションカルチャー誌『Purple Journal』のスタッフが今号から関わっているらしく、前号まではスペイン語だったのが、英語表記に変わっています。また、誌面も明らかに変化しており、リチャード・カーンやジェフ・オルソンらの写真家も参加しています。今の雑誌の世界的な流れがゲイとガーリー。この雑誌は後者の色が強く表れています。
もう1冊左の雑誌は『BabyBabyBaby』のお姉さん版『Celeste』。テイストはぐっと大人っぽくなりますが、ガーリーな気質は色濃く出ています。ジョバンニ・セルバンテスの写真がPurpleっぽいです。Purple FashonのAD、クリストフ・ブランケルの別冊も付いています。
 
どちらも、メキシコっぽさを感じさせながらもアメリカ西海岸のカルチャーというより、むしろヨーロッパっぽい。それもフランス、オランダ、ドイツ系の空気感が漂っています。こういう雑誌、メキシコのどんな人が読んでるのでしょうか?
日本も乙女心ある人はいっぱいいるから、本格的なガーリー雑誌を出してもおもしろいんじゃないかと思います。
 
『Degree』ではこういった本も入手できます。中国・九州地区にはなかなか無いと思うのでヴィジュアル本をお探しの方、要チェックですよ。
| Culture | 23:48 | comments(1) | - |
Degree進行状況

山口のお店『Degree』の内装の進行状況画像がメールで送られてきました。
上の写真は外観。まだペンキなど塗る前ですが、プレハブの建物がどうにかそれらしくなってきました。屋根も後で取り付けたものです。漆喰の白壁とダークブラウンの杉のコントラストがきれいです。一応市の助成金の基準はクリアしたそうです。
 

入り口を入って右側の壁一面に横切る棚です。当初古材で作ろうと思っていたんですが、エッジの部分が後で加工しているのできれいでちょっと不満でした。たまたま大工さんたちが使っていた足場の板が10年くらい使っていたもので味があったので「これ譲ってください!」とお願いしてその足場を使いました。壁面もペンキ屋さんに適当にムラにしてくださいと頼んでます。
 

ちょっと引いたところ向かって右が出入り口、左側は飾り棚が同じ足場の板を使って設置されます。床はコンクリート色になります。お店は15坪くらい。
プレハブの物件で良かったことは、柱が少ないこと。古い民家だと途中途中に柱があって、それありきでレイアウトを考えなければならないんですが、ここは空間に邪魔な柱が無いので自由に家具や什器をレイアウトでき、導線計画もスムーズに考えられます。
 

レジカウンター部分。この天板も足場の古材を使っています。いい感じの質感が出てます。
 
今週末には引き渡しされるそうです。
まだ取扱アイテムについてはバタバタしてます。でも相当な店になることは間違いありませんよ。
| Design | 23:51 | comments(0) | - |
都知事選

海外出張中、黒川紀章氏が都知事選に立候補するという話を聞きました。正直どうかと思いました。
 
彼が1960年代にメタボリズムというこのブログのタイトルにもなっている思想をかかげ、少なからず僕も影響を受けています。メタボリズムは菊竹清訓、川添登、栄久庵憲治、粟津潔らと作り上げ、反大量消費やリサイクル、共棲などを考えた都市のあり方を提案したものです。詳しくはここにムービーもあるのでみてください。
 
まあ、僕の影響も思想の部分であって政治家『黒川紀章』が好きな訳ではありません。ちょっと胡散臭そうなオヤジにもみえます。東京オリンピックの白紙撤回にしても、丹下派閥からの安藤忠雄への嫉妬じゃないかと思った程度でした。
で、たまたまテレビ『報道2001』で、今回の都知事立候補者が勢揃いしてたのでみたんですが、結構おもしろかった。
数字のことは大げさに計算しすぎて相変わらず適当さがありますが、いざ環境や建設などの都市計画の話にはさすがに大御所の建築家らしいセンスある意見でした。また、しゃべりも非常にうまいですね。適当なこと言って笑わせますが、核心も突いている。
国旗や国歌に関してもデザインという視点からもの申してたり、それが分かりやすかったりしました。
特に興味深かったのが築地魚市場移転計画。現石原知事は老朽化と規模拡大を考え、豊洲の方に移転する考えを持っています。一つ大きな問題があり、豊洲の土地はかなりの土壌汚染があり、発ガン物質が基準の1500倍だったりするそうです。そんな場所に食べるものを扱う市場を移すのは相当問題ですが、じゃあ他の場所だったらいいじゃんとどうしても移したいようです。要は築地の跡地を民間に売却して利益を出したいということ。そこに黒川氏の一喝です。
築地は場外など下町の人情やコミュニティが重なって出来ている町。市場だけを動かしたらコミュニティは崩壊してしまう と。
よく思うことだけど、最近の政治家(民間もそうだけど)は安直に物事を考え過ぎ、利権しか目に見えていないからかも知れませんが、共棲という部分をもっと考えた方がいいと思います。(考えられる人がいるとは思いませんが)
 
かといって僕が黒川氏支持になった訳ではありませんが(他のマニフェストがあんまりよくわからないので)、国も含め政治家の中にこういうデザイン的発想が出来る人が少ないので、何人かは欲しいですね。
また友人に石原家の親族がいるので、大きな声で批判は言えませんし、外遊費などこれはこれで納得している部分も個人的にはあります。
ただいつも思うのは、いじめや不良やアウトサイダーな人たちの気持ちを『太陽族』なんていう元不良が何で分かんないのかということです。親世代になってしまうとマイノリティの気持ちや自分の若い頃の心の葛藤など忘れてしまうんでしょうか?
 
ということでまだ僕自身誰になってほしいかは決まってませんが、しばらく注目していきたいです。
| Culture | 23:16 | comments(2) | - |
グラフィックデザインの終焉
今日、DTP WORLDでエディターで元+81の編集長でもあったH賀さんと『グラフィックデザインの展望』的な対談をしました。H賀さんと会うのは3年ぶりくらいの気がします。詳しくは次号を読んでいただきたいのですが、僕の考えとしては表層的なグラフィックデザインは衰退していくと考えています。
皆さんはウェブや雑誌を見るときどこに重点を置きますか?
僕はやっぱり内容です。ネットで例えばかっこいいデザインにしすぎてページを変えるのに1分かかるとしたら辛抱強く待ちますか?僕は待てません。表面的な部分にどれだけ重要な意味がかかっているでしょうか?
 
特に、最近はブラウザなども自分でカスタマイズできる時代。デザイナーが完璧にしたとしても、ユーザーは使いやすいようにカスタマイズしてしまいます。そうなったとき
表層的な意味は無くなっていきます。
 
グラフィックデザイナーはある意味職人です。職人気質だけでは食べていけない時代になってきました。日本の産業がアジアに取って代わられているように、パソコン普及後、ド素人でもデ表層的なデザインは出来るようになりました。
ヘルベチカという書体が出来てわずか50年。日本でグラフィックなんて言葉が出てきたのもその辺の時代です。それだけこの職業の歴史は浅いのです。そろそろ次のステップに進む時代に来たように思います。
次の時代ではもっと総括的なことが求められると思っています。究極的には人を、社会をより良く変えられる方向に少なからず進まなくてはなりません。グラフィックはプロダクトと違い、今まで自我的な部分を強く残してきましたが、社会目的がだんだん必要になってきたということです。
 
あまり話すと対談の意味がなくなりますんで、こんなところで。
 
本質的コミュニケーションに向かってそろそろ衣替えがはじまります。
| Graphic | 23:24 | comments(0) | - |
山口のお店番外編

山口のお店も商品発注など最終段階に来ています。前回山口に行った時のお話をちょっと。
 
僕は、1月に山口に行った際に「東京の真似をしたってしょうがないんですから、東京からお客が来るようなお店にしなくちゃ行けない。萩焼など山口にも伝統工芸があるんだから若手のいい作家を探しといてください」と言っておきました。1週間後ほどにオーナーさんから「いい作家が見つかったんです」と電話が来ました。「今度山口に行ったら会わせてください」と頼みました。そして2月です。
僕は萩焼というイメージが出来上がっていたので、若手がそれを少し今っぽく表現した程度のものを考えていました。しかし、何度も言っているようにこのオーナーさんの隠れたセンスはそんなものではありませんでした。彼が見つけてきた作家さんはH中史郎さんという人で上の写真が彼の作品です。スカル(頭蓋骨)を簡素化したようなフォルムに頭頂部と歯の部分にはスワロフスキーがつけられている。これも陶器で出来た萩焼の作品なんです。また、出してくれたお茶の湯のみはルーシー・リーのような薄い繊細なマットな白磁でありながら、レースを押し付けて模様を写し、さらに銀メッキを無造作に塗ってそれをこすりムラに仕上げたものでした。どう見ても僕が今まで見てきた萩焼とは異色。ヨーロッパのデザインと言っても分かりません。東京でもシボネや燕子花あたりでないと置けなそうなくらいです。
 
H中さんは物静かな人で、当初は僕たちとの間に壁をつくっていました。一つは、今度のお店の近くに若いオーナーの英国アンティーク家具のお店ができるそうで、既にH中さんに声がかかっていたこと。仁義もあるので是非やりましょうとも言えない立場。もう一つはオーナーさんがその感性を表現できないですから前回数時間会っただけではまだ、ぶらりと立ち寄った観光客程度しか理解されていないことでした。なので最初は「まだ、ご協力できるか分かりません」という返事でした。
僕は彼が好きそうなネタから彼の壁を取り払おうと考えました。僕がルーシー・リーリヒターの話をし始めると彼も彼も作品以外の話をしてくれました。先に話をした英国アンティーク家具店では「ルーシー・リーのような作品を置きたい」とH中さんに話しているそうです。彼もそういう作品を好きとはいえ、作家なんですから自分の作品を理解してもらいたい。そこに僕たちが行って、彼のやりたい作品をベタほめした訳ですから、彼としても本来はそっちの店の方が理解してくれると分かってくれたんでしょう。話の最後の方では「彼らを説得してみる」と声に出しました。そして別れ際オーナーさんに向かって「今度は飲みましょう」と言ってくれた。彼と別れてからオーナーさんとホテルに帰る道中で「やりましたね。彼も不器用ですけど心を開いてくれたということですよ」と僕はオーナーさんに告げました。
 
それから昨日、オーナーさんからメールが来ました。
「フライターグとH中さんOKが出ました」と書かれていました。
僕が行って相手が分かるように話したというのもあるけど、一番の理由はオーナーさんの情熱が相手に通じたんだと思います。ウチもいろんなお店に商品を扱ってもらっているけど、中にはお店に行ったことも無いし、スタッフの顔すら見たことも無いお店もあります。そんな中彼はいちいちメーカーに行っては話をしている。あるメーカーでは「取扱店さんで実際会社の方に来ていただいたのはあなたが初めてです」と言われたこともあるそう。このまめなところは他の人が真似しようと思っても出来ない部分。3年も前から僕のところにも何十回となく粘って電話してきましたからね。
彼を見ていると僕たちが忘れてしまっている部分に気づかされるようです。
| Design | 23:01 | comments(0) | - |
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