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今年を振り返って
今年は僕にとって停止の時期でした。
Glyph.を立ち上げ、考える間もなく突っ走って来ました。毎月のようにイベントを企画し、毎月本を出した年もありました。まさか2人でやっている会社とはみんな信じられなかったようです。
去年の終わりくらいから言葉では表現できない空虚感が生まれてきて、心の底から“何かしたい!”という気持ちにならなくなりました。ネット本屋を本格的にやろうとしても中途半端(来年はちゃんとやりたいと思ってます)。出版もマッチ本くらいしかやってません。その中で自分自身の知らない心の部分を客観的に探るためにブログを始めました(これはちゃんと続いてますね)。
ブログ開設にはいくつか理由があるのですが、まず自分自身を知ること。その時々の情報などから僕自身との関わりを考え直すため、感情を文章に出して生の自分がその文章を冷静に読むことによって、自分を見つめるという役割を託しました。また、コメントなどで自分が気づいていない他者からの見方も知ることも重要な意味がありました。
こんなことがあり、ブログ仲間もでき、新しい友人も増えました。
もう1つは、僕がいつも感じていたことを表現する場が欲しかった。僕自身、インタビューや対談、原稿執筆などで表現の場はかなり与えられています。ただ、ものに詳しいコレクターという見られ方が多く、僕自身の活動の数割部分しか本質的に知られていません。またその部分ですらも広告などで成り立っている多くのメディアでは本心で語ることは難しいのです。50年くらい前のデザイン誌を読むと、表現が自由で別々の誌面を使って2人が議論しあったり、デザイナーに向けて厳しい批評をしたり(デザイナーもそれを受けてさらに良い作品を作る打たれ強さも持ってました)ということが多かった。今の週刊誌とかを読むと批判しあってる内容は、相手を陥れようとしたり、妬んだり悪意に満ちた批判でしかありません。デザインというカテゴリーではほぼそれすらも皆無です。様々な雑誌が生まれているにも関わらず、内容はほぼ同じで情報という部分で占められています。田原総一郎はマスコミが左から右化していると言っています。世論のニーズが批判・批判を受け入れないと。確かに世の中の表現はやんわりなってきました。ただそれによって世論は打たれ弱くなっているし、小さな世論を大きな世論で潰すようにもなっています。また、ネットの世界で見られる批判・批判の未熟さ(そもそも否定的であっても相手を陥れるものではないということ)も目立ち、社会問題の多くはこの歪みから生まれています。僕は僕自身として、そういった目を持ちたかったんです。前者は客観性、後者は主観性。この行き来が大事だということがだんだん実感できてくるようになってきました。そして、後者の主観性は先日触れた、新しいデザイン誌の誕生にも少しばかり影響をもたらしました。
ブログに関してはそんなに告知をしていないんですが、じゅげむのカウントがあまり信用できませんが当初より倍くらいアクセスが増えていて、開設1年時には恐らく20万アクセスを超えそうなくらいにまでになっています。はじめて会う人にも「ブログ見てますよ」と言われることも多くなりました。
 
と、最初に戻りますが今年も後半になりやっと活発に動くようになりました。この1年を通してだいぶ僕自身の気持ちも整理できたようです。
赤ちゃんは生後数ヶ月の時に、一時的に脳の活動が衰えるそうです。そしてその時期を超えると赤ちゃんの脳の活動は数倍高くなります。このことは詳しく分かっていないのですが、どうやら次のジャンプをする前の踏込む時期らしいのです。より高くジャンプするには膝を曲げて大きく踏込まなくてはなりません。その要素が脳に備わっているらしいのです。僕にとって今年はそういう時期であったと思えるよう来年に繋げていきたいと思っています。
 
また細木数子的に言うと今年までが大殺界でした(笑)。僕自身非科学的なものはそんなに信用しませんが、易学はそもそも統計学であり、数千年も前から国家の根幹的部分を支えてきたものであるとしたら、あながち神秘的でも無いように思ってもいます。(細木数子自体は好きではありませんが、研究家としては評価しています)来年からは何か起こりそうな感じも僕自身もしてるので、期待したいと思います。
 
それでは、来年もよろしくお願いいたします。
| Life | 23:58 | comments(2) | trackbacks(1) |
Design Addict


2月に発売されるデザイン誌の構成で、10月一緒にオランダへ行ったKナギさんと打ち合わせをしました。デザイン誌というと、トレンドや基礎知識を紹介する一般的なものか構造やマテリアルなどに重きを置く専門誌の2極的なものが多く、どちらも客観的な情報要素が強いと思われます。僕は今年になってブログをはじめたのですが、デザインやデザイナーに接している人間からの主観的な情報や考察を基本ベースにしており、以外にもそういった生っぽい部分は一般には聞こえてこないことから、僕が知らないところでかなり業界の人も見ているようです。JUGEMのカウントは曖昧ですが、ここ1ヶ月くらいで1日のビューカウントが倍くらいになっています。満1年の頃には20万ビューくらい行きそうです。
 
話が若干それてしまいましたが、今回の雑誌を企画した編集者の方もこういったブログ的主観でデザインを斬る雑誌を考えたそうです。以前も話しましたが、ナガオカ三が主宰する『d』も主観性を求めており、これからこういったメディアが登場する機会は増えていくかもしれません。(パブリックな部分で主観性が衰えてきた日本では、物議も出るかもしれませんが)
 
海外取材もあったこともあり、僕のページは全体の中でも一番ボリュームがあります。STUDIO JOBとの対談内容をKナギさんの方でテキストにまとめてもらいその原稿チェックなども兼ねた本日の打ち合わせでした。STUDIO JOBの名前こそよく聞くようになりましたが今っぽいトレンド・デザイナーという見方が9割以上でしょう。今回の対談では彼らの思考はもっと壮大で、常に歴史観を持っていること。言ってることもとてもインテリっぽいので、彼らの見方が変わると思います。作品には社会性を求めないと言っていましたが、彼らの思考とプロセス自体にはとても社会性が見られることは確かです。JOB自身、インダストリアルを批判しながらも否定はせず、クラフトとのバランスを持とうとしていることが、言葉の端々から感じられました。
 
もしかしたら海外のデザイナー自体が社会性というものを背負っているのかもしれないとふと思いました。20代のデザイナーでも何百年も前にあった植民地政策の負の遺産を自分たちで還元したり、伝統工芸に向き合ったり、デザイン教育そのものが違うのかもしれませんね。日本のデザイナーはコンセプトといっても代理店の企画書のような“ギミック”感がついてまわっています。インダストリアル(大量生産・大量消費)をベースにしている以上、日本では社会性は厄介なものなのかもしれませんけど。
 
先日のデザインウィークの時に来日したデザイナーにもかなりインタビューをもらったそうです。しかもインタビュアーがその人の知人か、大ファンの人。だから編集部の依頼を受けて取材に行くよりももっと主観的でマニアックな質問を投げかけていると思われます(原稿を読んでないので)。『d』の主観性とはまた違った楽しみができそうで個人的にも期待しています。
| Design | 23:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
クリスマスに星になった男


ここんとこ岸田今日子やら青島幸男やら年末になって訃報が相次いでますが、海外からもJB(ジェームズ・ブラウン)の訃報がありました。僕は小学校1年生の頃モントレーのライブ映像を見て衝撃を受けて一時期ソウルにハマってました。アレサ・フランクリングラディス・ナイト&ピップスアル・グリーン、その時期にJBの存在を知りました。僕が最初に聞いたのは確かPlease Please Please。マイクパフォーマンスは永ちゃんよりヒデキより、世良公則よりも先に洗礼を受けたし、6年生の頃に観たゴスペルで登場するジョン・ランディスの映画『Blues Brothers』もカッコよかった。学校でクラス替えの際に作った文集なんかでもJBのことを書いたり、中学の時の美術の時間に汗と油でギトギトになったJBのポートレートも描いたり、どっぷり浸かることは無かったけどいつもどこかにJBの存在がありました。
 
24日歯医者に行ったところ「肺炎にかかってますよ」と指摘され即入院、夜になって急変しそのまま亡くなったそうです。幼少から悪さばっかりしていた不良ジジイでしたが、イエス様が連れて行ってくれたのでしょうか。73歳だからまだ若いけど、彼の破天荒な生き方を見ていたらそれでも今までよく生きていたのかもしれません。あの生き様は真似できませんが、老人になっても衰えなかった股割と記憶力(ウド鈴木以上)は見習いたいと思います。
| Music | 23:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
オランダから届いた本
10月、オランダで購入した本がやっと届きました。例えばこんな本。

ここでも紹介した事のあるオランダの女性装丁家、イルマ・ボームの装丁本です。彼女のサイトはunder constructionなので、これこれ、日本語ではユトレヒトのE口さんのブログでも彼女の装丁を紹介してます。また以前Penでブックデザインの特集、ダッチデザインの特集の2回彼女を紹介してます。
僕が考えるに現在世界最高の装丁家です。デザイナーなのにパトロンがついていて、その人のために1冊だけの私家本をデザインしたりしているため,一般に見られる作品はそう多くはありません。
それでこの本、ギャラリーで発行された映像アーティストのフリップブック(パラパラマンガのようなもの)です。オランダの本屋さんは僕がイルマの作品を好きなのを知ってるので,最新の作品をとっておいてくれました。
5冊組の本ですが,実はマグネットで5冊がくっつくようになっています。でも,下の写真を見てください。
 

本はソフトカバーなのでマグネットを埋め込む場所がありません。一瞬,磁気を持ったインクを使っているのかと思ってしまいましたが,インクがそんな磁力をもたないよなと???に、しかしよく見てみると。
 

最初の方のページ10ページほどが、のど(製本されている根元)から1cmのあたりでかがられて(縫い付けられて)います。赤い矢印の部分です。実はその1cmの部分を外から見えないように本をえぐって,そこにマグネットを仕込んでいるんです。相変わらずイルマさん、巧みな仕事をしています。
お分かりだと思いますが,日本の印刷屋さんがこんな凝った仕事を受けるはずも無く,たとえ受けても相当コストがかかるため,出版元が出さないでしょう.こういった趣味人のための本を作っているオランダという国に感服します。まあ,オランダでも大変な訳で、数十冊しか作っておらず、値段も3万円ほどしました。
イルマ・ボームという人はこんな感じの本ばかり手がけています。造本って大量印刷で機械的に見られていますが,こういう職人的な部分もあったりします。大量生産を否定する訳でもなく,職人気質を主張する訳でもない、マスプロダクトとクラフトを行き来する数少ないクリエイターといえます。
僕もお金があったら,彼女に私家本を作ってもらいたいなあと思ってます。
| Design | 23:39 | comments(2) | trackbacks(0) |
最後の本追加しました
本日、最後の書籍を50冊ほど追加しました。終了日程は未定ですが、予定では今年いっぱいまでとなっています。今回投入した書籍を少し紹介します。


1965年に発表された伝説的な雑誌「アスペン・マガジン」です。アスペンはバウハウスのハーバート・バイヤーがアメリカに移住後コンサルをやっていた会社ですが、PR用にこんな本を作っていました。毎号内容も参加者も違っていて、この創刊号でもポール・ランドやジョージ・ネルソンなど錚々たるメンバーが参加しています。本というより作品を詰めたボックスセットで、今でいうとヴィジョネアのようなもんでしょうか。
 

KPN(オランダ電話局)が得意先に配った2000年度のダイアリーです。ここの会社は毎年ダイアリーを出していますが、毎回有名デザイナーにデザインをさせています。この年はカレル・マルテンスという人。60年代くらいに活躍した人ですが、当時は前衛すぎてあまり評価されておらず、時代が追いついた最近、特に若いデザイナーに支持されています。最近のIDEAなんかでもよく取り上げられます。これは一般に売られない物なのでとても入手が困難です。
 



飛行機デザインマニア、CIマニアの方にお勧めなのがこれ。
JAL、シンガポール航空、カンタス、キャセイ、タイ航空、カナディアンなど世界の有名航空会社のほとんどのCIを手がけるウォルター・ランドー社の作品集です。リーバイスなんかもここのデザインです。
 



ベルギー、スペイン、チェコ、ポーランドなどあまり知られていない国のグラフィックデザイナーを紹介したものです。かなり面白いです。
 



世界のエンバイロメンタルを集めた本。フィンランドのデザイナー、タピオ・ヴィルカラやブラウンのデザインチーム、マルコ・ザヌーソとリチャード・サッパーなどのプロダクトデザインの他、クロスビー,フレッチャー、フォーブスの会社作品など盛りだくさんです。日本語で読めるのが何より嬉しい資料です。
 



スイスのグラフィック専門誌「グラフィス」が60年代末に発行した日本デザインのハードカバー本です。グラフィスの年鑑関係でも入手困難なものの1つです。50年代に発行されたKATACHIから抜粋された日本工芸のページから、家紋の研究、当時最新の企業広告までを網羅しています。
 

今回のイベントでも出すとすぐに無くなるのが陶芸作家のルーシー・リーの作品集など。今回はオークションのカタログを出しました。オークションカタログは作品集にも出ていないような作品もよく出てくるので、全貌を知るにはとてもいいです。作品集よりむしろ貴重な資料です。
 

今回、プロダクト系がとても良く売れます。このジャンルは洋書屋さんや古本屋さんに行ってもあまり充実していないからだと思うんですが、会場では写真のようなペリアンやプルーヴェなどのフレンチ系、バウハウス、ウルム、ブラウンなどのジャーマン系、ヤコブセンやアアルト、リンドベリ、タピオ、ティモなどの北欧系、マーリやカスティリオーニ、ザヌーソ、ベリーニ、ダネーゼなどのイタリア系が充実しています。特にイタリア系は入手困難なものが多いのでお勧めです。
 
本日から週末3日間、昼遅めから僕もお店で接客してますので冷やかしがてら、クリスマスのデートがてら代官山に来る際は是非足を運んでみてください。

| Design | 23:03 | comments(0) | trackbacks(3) |
障害者のための豊かさ

オランダの雑誌でこんな物を見つけました。ロッテルダムにアトリエを構えるダミアン・オサリバンというデザイナーの作品です。彼の作品は感性に訴えかける物が多くて、例えばこれなんかは色鉛筆の色と感情を合わせたネーミングにしています。彼のWebサイトを見ているとプレゼンテーションの仕方が、イラストとギミックを使っていて、ネーミングの付け方もさることながら日本のnendoを連想させます。
 それで、ここ最近彼が取り組んでいる物が障害者のデザイン。機能とかではなくてその先の豊かさの部分。最近は障害者に対する整備はかなり進んできたと思いますが、それって最低限の事で、障害者が楽しくなるとかそこまで踏み込んだ物は少ないと思います。何かとって付けたような感じ。障害者にはほとんど選択肢が無く、デザインにしても質素な物が多い。先日事故で亡くなった元F1レーサー、クレイ・レガツォーニの出ていたHONDAのCMのように、NSXというスポーツカーを障害者が乗り回したい気持ちだってあるはず。知人のある車いすの人から聞いた話で「車椅子って選択肢がほとんどないけど、フェラーリやポルシェが出したら買う人が多いかもしれない」というような事を聞きました。人それぞれだけど、そりゃあモテたいって思う人もいるだろうし、おしゃれになりたい気持ちもあると思います。
そこでオサリバンの話に戻ると、例えば眼帯にデルフト焼きの装飾を施した陶器製の物を考えたり、写真のような杖に手彩の花柄を描いたり、オランダの伝統工芸とうまくミックスしています。またこんなユニークな物も考えています。障害者が便利な物をと、健常者は考えるけどやっぱり気持ちまで踏み込んでいけてない気がします。相手の立場になって考えるバランスは僕自身も肝に銘じたい部分です。
| Design | 23:54 | comments(0) | trackbacks(1) |
The hunt for Photographers

今日、雑誌HUgEの見本誌を編集部のS田さんにいただきました。HUgEはファッションとモードがバランスよく構成されているといつも思っていて,ファッションすぎるとカタログ系になりがちだし,モード系になると一気にマニアックになってしまいますが,コンビニでも買える雑誌ですしもっと間口が広く、日本にはあまり無い部類の感じはします。ファッションポートレートもテリー・リチャードソンや沢渡さんなど写真家でも際立つ人をキャスティングしています。たまに大掛かりなアートなどの特集を組んだりしますが,今回も写真の特集。それもほぼ丸ごと1冊特集のようなボリュームです。
 
今回は毎年11月パリで開催されている写真関係の展示会、パリス・フォトのレポートも載っていて,前から行ってみたい展示会だったのでとても面白かったです。このイベントはルーブルの前のアンティーク屋さんがよくある広場と建物でフランス、アメリカを中心としたフォトギャラリーが自前のコレクションを展示販売したり,レア写真集などを扱う古書店が並びます。通常よりも価格が高いので買うのはどうかと思いますが,見た事も無いものも並ぶので実物を確かめる絶好の機会ではあります。アニエスbのギャラリーではライアン・マッギンレーの展示が行われていたそうで,僕もプリントを欲しい人なのでちょっと気になりました。
 
また、写真の特集冒頭はラリー・クラーク。そろそろ新作映画『ワサップ』も公開されますね。ラリーは若者の不安定な心理を写真で表現する作家で,彼自身もジャンキーなので,不良の裏にある繊細な心を感覚的に捉えられるんでしょうね。僕も彼の作品は好きなのでプリントも含め,写真集はすべてサイン入りで持っています。最近は映像作品が多くなってきました。ストリート系のブランドSUPREMEとのコラボもやってたりしました。
他にも内容は盛りだくさん。普段メンズファッション誌を見ない女性や写真好きな人に今回の号はお勧めです。
| Photo | 23:35 | comments(0) | trackbacks(3) |
変化するかたち

先日発売された森井ユカさんポストオフィスマニアを買いました。実はウチでも郵便の本を出そうと思っており進行中なんですが、この本が発売する事を知り、横目で気にしていました。切手はある程度市場が確立していて、本を出してもそれなりに売れると思うのですが、郵便そのものにどれだけの人が興味を持っているのか疑問な部分もあります。この本を読んで、ウチの考えていた方向と違っていたので、少し安心はしました。
僕自身が郵便のどこに魅力を感じるかと客観的に考えてみると、変化する面白さにあるような気がしています。郵便は届くまでに様々な人や機械を経ます。送付人は宛名を書き、切手を貼ります。郵便局ではさらにスタンプを押し、エアメールやプライオリティなどのシールが貼られます。海外郵便の場合は経由する国などの確認としてスタンプや手書きのチェックが入り、送付人が出した時とは表情が変わっています。この部分、プロセスがデジタル社会になっても変えられないかけがいのないものだからこそ、郵便が魅力的に感じれるのです。
 


だから、ウチの本は変化した、プロセスの感じられる本にしたいと思っています。上の写真はハンガリーとルーマニアからウチに届いた封筒です。貼られているシールや切手などからその国の文化などを垣間みれる事も旅をする感覚に近い魅力でもあると思います。どんなに文明が発達してもコミュニケーションやプロセスは人間の本能に重要な役割を持つと思い、僕もその本能に訴えかけたいと考えています。
| Culture | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0) |
150冊追加しました
昨日告知しましたが、collexでやっているブックフェアに追加で150冊投入しました。
既に金曜日に新しい入荷があると分かってる方々はどっさりまとめて買われていく人が多いです。今回もリコメンド本、お買い得本を紹介します。



今年の春に出版されたオトル・アイヒャーの本です。アイヒャーはドイツに戦後開校した第二のバウハウスと呼ばれるウルム造形大学のグラフィック教授であり、ミュンヘンオリンピックのグラフィックを統括した人物です。新刊ですが、売価が通常の半額くらい(現地より安いです)になってます。
 




これはかなりのおすすめ本。企業CIを手がけるPAOSの中西さんがまとめた企業のCI、VI計画本。実例としてポール・ランドが手がけたIBMやウェスティングハウス、ルウ・ドーフスマンが手がけたCBS、その他RCAや3Mなどデザイン意識の高い企業の展開が日本語で解説されています。
 



知育玩具などのデザイナー、アントニオ・ヴィタリの作品集です。これだけの豪華な作品集はおもちゃデザイナーとしては異例でしょう。彼の作品はクリエイティブ・プレイシングスでも販売されていました。
 



この本は地味なので気づかない人も多いのですが、内容はかなり濃い!ブラニフの広告戦略を考えたメアリー・ウェルズの会社、メアリー、リッチ&グリーン社の紹介は特筆すべきもの。インタビューやブラニフの戦略などが日本語で読む事ができる大変貴重な資料です。これも意外に入手困難。
 



70年代デザイン誌アイデアでは、別冊が頻繁に出されていましたが、その中でもエンバイロメンタルデザインのシリーズはビジュアル的な企業や商業施設の戦略などを細かに紹介していてネタの宝庫です。この本の他にエンバイロメンタルのシリーズはほぼすべて会場で販売しています。
 



前出のウルム造形大学ですが、バウハウスに比べ、内情を知る資料が(特に日本語の)全くといっていいほどありません。その中でも、特に重要なのがこのウルムの展覧会のために制作された図録。某古書店では3万円の値が付けられていますが、ここでは5千円以下で買えます。ウルムで学生とともに研究されたブラウンのプロダクトやルフトハンザのCIなどが紹介されています。杉浦康平x向井周太郎の対談もかなり読み応えあります。
 



会場でも最も減りが早いのが北欧デザイン系の本とタイポグラフィー、そしてロゴマーク関係の本です。ロゴマーク系の本でも特に内容がいいのがこの本。レイアウトもきれいでトレペなど紙の使い方もうまく、内容もさることながらブックデザインの魅力も充分ある本です。
 


最後に1冊。これはどちらかというとマニア向けの本。家具メーカーのカタログですが、デザインをタイポグラフィーの神様、ハーブ・ルバーリンが手がけています。こういった資料は作品集などでも触れられる機会がほとんどないので、バイヤーもまず手に取る事すらしない知られざる作品であり(表紙を見ただけでこの存在を知っているのは相当の人でしょう)、当時も販売されていたものではないので、入手も非常に困難なため幻の作品でもあります。
 
毎週金/土/日は夕方くらいには会場で接客しています。お越しになる方は声をかけてくだされば、ソムリエのようにあなたにあった本をお選びいたします。
| Design | 23:28 | comments(4) | trackbacks(0) |
collex wanderlust始まりました

先日紹介した『wanderlust』の発売イベントの設置をcollexで本日行いました。
上の写真のアクリルケースの中がすべてBOXの中に収められています。そして、このBOXに入りきらないものをイベントでは展示販売しています。
 


アクリルケースの周りを埋める観光地のスタチューやスノードーム、ビンテージの缶など。古くは1900年代初頭、新しいものは先日のオランダ旅行で買い付けたものです。今は観光地ももう少し違うものが売られたりしていて、こういうものを探しても売ってないんですよね。デザインなんて言えるもんじゃありませんが、最近の僕はむしろこっちのほうが人間臭くて好きです。

僕がこういったモノを箱に入れるという面白さに気づいたのは小学校低学年の時にハマったフルクサスの影響です。同時期にネオダダレディメイドコンセプチャルアートにも影響を受けて、その頃から現在に至るまでアートと社会的行為との連動性について常に考えるようになりました。
 
僕にとってはこういう商品やイベントはインスタレーション的な役割を持っています。それとヨゼフ・ボイスがインスタレーションの1つとして、普通のスーパーで展覧会を行い、ボイスの作品としてレジの紙袋を制作し、不特定の人に彼の作品を購入してもらうという行為に僕は影響を受けているので、買うという行為もまた僕自身の中ではフルクサス的な意味合いを持っているんです。
ただ、それを言ったらとても難しいので、アートって何?と日頃思っている人に無意識にアートに参加させる事(考えているよりアートってもっと身近な存在ということ)に僕自身のコンセプトを置いています。それは、僕だけが意図している事であって、全く意図していない“ハプニング”もまた僕のコンセプトの一部なのです。(なんか難しくなってきたな)
要は、モノの捉え方は自由でその存在自体がアート的思考と行動であるので、アートって高尚だよねって思っている人も、既に参加している事を言いたいんですけど。
詳しい事はヨゼフ・ボイスのリンク先(wikipedia)の理性、直観、創造性というコラムを読んでください。ウチの出版のコンセプトにほぼ一致します。ボイスの作品は好き嫌いはありますが、僕はその考え方に相当影響を受けています。

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本日、ブックフェア用に150冊追加しました。
また、リコメンド本は明日紹介します。
| Art | 23:37 | comments(0) | trackbacks(1) |
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