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日本らしさ

今度特集になる日本のグラフィックについて資料をまとめています。
近代日本のグラフィックデザインは西欧のパクリといわれる事が多いのですが、はたしてそうでしょうか?
ハンガリー構成主義やデ・ステイルなどの前衛運動の背景に、ロシアの影響がありますが、それをパクリとは言ったりしません。その土地に根づいた思想や文化がちゃんと反映され、カスタマイズされているからです。日本のグラフィックもまた、日本の風土とミックスされて出来たものです。なにも日本らしさは京都のようなクラシックなものだけではないんです。僕たちが気づいていないところにも、欧米の人たちはオリエンタリズムを感じています。
 
まとめている資料の中に、写真の東京オリンピック関連のものがあります。下は公式ガイドブックでデザインを河野鷹思が手がけています。上は水球のプログラムです。ここで重要なのは競技を示すピクトグラムはこの東京オリンピックから始まったという事です。一つ前のローマ大会以前にはこういうシンボルはありませんでした。また五輪マークも東京以前は正円でなかったり、立体っぽくなっていたり、輪と輪の間がまちまちだったりしました。東京大会でヴィジュアル・アイデンティティが確立したんです。
 
このピクトグラムは山下芳郎によって制作されたもので、最初という事でまだ荒削りな部分がありましたが、なぜ日本で世界最初だったんでしょうか?
いくつかの要因がありますが、ひとつは1960年に東京で行われた世界初の国際デザイン会議があります。戦後グローバル化する世界情勢の中で言語を超えた共通認識を求めだした時期であり、このデザイン会議でも重要な議題でした。この議題を反映する絶好の機会がオリンピックであった事が挙げられます。もう一つは、そもそも日本人はシンボルマークについて文化的に先進国であった事が挙げられます。日本には家紋文化が古くからあり、特に布などに染めて使用するため、西欧の紋章のようなものでは滲むと判別できなくなるため、簡素化した部分、戦国時代に同じような戦闘服を身に着けていたので、敵味方が一目で認識できるようにとアイコン化されていました。だからピクトグラムもまた日本のお家芸と言っても過言ではありません。
 
もう少し昔、1900年代初頭のワインや百貨店の広告は女性の絵や写真が使われていました。これも、江戸時代の美人画から続く日本の伝統であり、現在生ビールなんかの水着グラビアなんかはそういった文化を継承しているといえます。日本にグラビアアイドルや写真集が存在するのも、江戸文化が継承されている証なんです。
アーティスト村上隆は日本の浮世絵は漫画という形態に変わって庶民に根付いていると言っています。こういった日本独自の文化は、カスタマイズされ見た目は大きく変わっていますが、偶発的に出てきたものではなく、昔から続く文化の変化でしかないということです。根幹の部分は日本人もちゃんとアイデンティティを持っているってことですね。
| Graphic | 23:49 | comments(1) | trackbacks(1) |
SMOKE

今日、マーティン・バースのSmokeチェストが届きました。
これは、先月末までCIBONEで行われていたマーティンの展覧会で展示されていたものです。Smokeは彼の代表作にして、アイントホーフェン・アカデミーの卒業制作として開発されたシリーズで、一度家具を丹念に焼いた後、エポキシ樹脂で固めて強度を復活させるというハイテクなものです。ゴスっぽく退廃的な感じは、フランス革命によって終焉した王宮様式の末路を連想させます。(そういえばovie.jp/" target="_blank">『マリー・アントワネット』のサントラブックレットにも、破壊された宮殿のインテリア写真がありました。)
 
このチェストは約100年ほど前のアンティークでピートユルゲンテヨ・レミなんかがひいきにしているオランダの廃材業者から入手したものです。シボネのギャラリーではもう少し小振りだと思ったんですが、家に入れてみたら予想以上にデカい。でも収納はちゃんと使えるので、実用的です。
 
現在マーティンの展覧会がロンドンのデザインミュージアムで12/11まで行われています。マーティンの作品は既に3度ほどモダンオークションに登場しています。2年前にNYで24万円で売っていた作品がエスティメート(相場価格)で120万円、実際の落札額は150万円くらいでした。この現象をデザイン・バブルという声もありますが、先日MOMAでもコレクションに購入されたり、世界各地のギャラリーや美術館がマーティンの作品を買い求めている事を考えると、あながち一過性のものとは考えにくいです。まだ20代のデザイナーなので、今後消えていくかもしれませんが、特にSmokeは21世紀のデザイン史に残る作品となるでしょう。
| Design | 17:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
ニューバージョン

プチグラからPetit Glam-7のニューバージョンが送られてきました。
Petit Glam-7は数年前に発行されたもので、テキスタイル・デザイナーのアレキサンダー・ジラルド、スウェーデンのデザイナー、スティッグ・リンドベリ、絵本や装丁で活躍した武井武雄、それとアーティストのスーザン・チャンチオロが紹介されています。
 
不定期ですが雑誌という形態をとっているので、増刷は通常ありませんが、今度サンフランシスコのMOMAで行わているアレキサンダー・ジラルドの展覧会で販売するのを考え、増刷されることになったのです。この号は特にジラルドの版権を公式にとってプリント生地を復刻し、本の外箱に貼った手の込んだものでした。今回増刷するのに合わせて、カラー展開を変えています。写真下の方が初版、上が今回の再版です。
 
この再版を作る際、ウチにカラーの相談がきました。実際に忠実に復刻する上でカラーリングの見本になる当時の生地が必要だからです。ただ、この表紙になっている柄(フェザーズという名前)はウチには下記のシルク素材のものしかなく結局はお役にたてませんでした。
 
2年ほど前に、このジラルド特集を取材したアメリカの人たちが企画して、日本でジラルド展をやりたいという事で、ウチにも相談がありました。でも、途中で会場などの協力が得られず今に至っています。個人的にはイームズよりずっと影響を受けた人なので、日本で出来たらいいと切実に願っています。
 
| Design | 23:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
初IKEA


なんだかんだいって日本進出後、はじめてIKEAに行ってきました。
妻が某雑誌の取材で、IKEAの買い物を頼まれたので同行する事に。
どちらかというと、港北の方が近いのでそっちに行く事にしました。車が無いとやっぱり乗り継ぎが多くて大変です。平日という事もあり、そんなに混んでいなくて(といっても、他のショッピングセンターよりは人はいるでしょうね)動きやすかったです。でも、入り口と出口がはっきりしてなくて(施設が大きすぎるので)、出口から入ってしまったため入ってすぐのエスカレーターに乗ったところ、それは駐車場行きのものでした。もう少し、分かりやすいサインなどを置いてもらわないと困ります。
ついてすぐ、とりあえず食事をする事に。ローストビーフ、ミートボール、スモークサーモンをチョイス。スモークサーモンはかなりスウェーデンな感じがしました。特にマスタードソースは、北欧のニシンの酢漬けに味が似ています。ミートボール、スウェーデン料理として知られているもので、向こうではジャムをつけて食べる習慣があり、ちゃんとここでもジャムが添えられていました。味はまあまあ、ただスウェーデンのミートボールの方が少しパサパサしています。ローストビーフは高い割に(といっても800円ぐらいですけど)いまいち。スウェーデン料理の1つ、サーモングリルを頼めば良かったかもしれません。
 
僕もウチ用に何か買おうと思ったんですが、欲しいものが見当たらず結局妻のものしか買いませんでした。ただ、気になったのはラタンの椅子。スウェーデンの伝統的なもので、確か3000円くらい。それとデュラレックスのような形の陶器のタンブラーは1個何十円かで、これはいいです。もうひとつ、日本にIKEAが無かったときは自由供給できないので、海外で買うのをやめていたポリ素材の収納ボックス。今度車で行ったら買いたいです。
 
IKEAといえばヘラ姉さんの花瓶を最近出している事が一部で話題になっていますが(ヘラの作品は通常のメーカーだと安くて5万円位するのですが、ここでは5千円以下)千葉の方ではオープン当初、白の穴あきのデザイン、ピンクとブラック地のプリントものの3種類しか売ってなかったそうですが、実際は4種類がリリースされており、今回の港北店ではテラコッタのもう1種類のものも売ってました。
 
今回はそういうことで妻の仕事用の買い出しだけでしたが、その妻のセレクトがIKEAっぽくない。多分雑誌に載ったらIKEAに行った事がある人も「えっ、こんなのあったっけ?」と思うようなものばかり、とてもガーリーです。どんなものかは雑誌をご覧ください。(多分妻のブログで紹介します)
 
IKEAは激安ですが、家具など特に木製品の質はそんなに良くない。長時間経つとしなってくることもあります。その辺は慎重に考えた方がいいと思います。ただ、食器や収納小物などはとてもお買い得だと思います。スウェーデンの人たちは大きな家具は高級なほぼ一生使えそうなものを購入し(飽きて転売するときもいい値段で売れますから)、生活備品をIKEAで買う人が多いです。日本人は雑誌などで取り上げるとフルコーディネートしたがりますが、生活の一部に程よく取り入れるといいと思います。
 
もう1つ、フロアはそんなでもありませんが、レジが結構混んでいました。
海外の購入システム(レジ袋は自分でかごに入れて購入する、レジのベルトコンベアに自分の購入したものをかごから出して置く、その際に前の人の商品と区別できるように仕切りを置く、レジを通った商品は自分で袋に詰める、割れ物・梱包は別のコーナーでセルフサービス)これだけの事を日本では全部店員さんがやってくれますが、全部自分でやらなくてはならず、それに馴れていない人たちがモタモタしているのが原因のようです。(幕張の方にはカルフールやコストコといった外資系スーパーが入ってきているので近隣の人たちは既に馴れっこだそうですが)セルフサービスにしても、もう少しガイドスタッフかインフォメーションサインを徹底させた方がいいと感じました。
 
スウェーデンは商業・製造業はあまりよくないのですが、ヨーロッパ全域に展開されているファッションブランド『H&M』と並んで、IKEAは数少ないスウェーデン企業といえます。『H&M』も安売りブランドですが、たまにステラ・マッカートニーやカール・ラガーフェルドなどを起用し、今月からヴィクター&ロルフデザインの服を売っていて、日本人バイヤーを奔走させています。日本だったらユニクロがマルタン・マルジェラなんかにデザインさせるようなもんです。IKEAもパントンや今回のヘラなどの有名デザイナーを定期的に取り上げていてうまいですね。安さとブランド価値のバランスを他のメーカーももう少し考えられるといいんですが。
| Design | 23:26 | comments(1) | trackbacks(4) |
クラフツマンシップ

先日のロココのときに話した、僕の考える来年のもう1つのトレンドがシンプルです。ただシンプルというよりはもう少しクラフトっぽい感じ。それを予感させるものが最近発売したユトレヒトの『100 Books』です。
 
1907年から2006年までに出版された100年分の本を1ページづつ切り取り、時系列にページ仕立てにしたものです。各ページはそれぞれ全く違う本の1部ですので、読む事は出来ませんが、アートブックとしての価値はあります。また、紙や印刷活字などによってこの100年の経過がリアルに飛び込んできます。また、この本の元になったオリジナル100冊のセレクトがユトレヒトらしさを醸し出しています。1910年の尋常小学読本、1925年のゲーテ全集、1932年のヨセフ・チャペックイラストの『Letna Shove』、1941年高村光太郎の『美について』、1948年青山二郎装丁の『バルザック選集』、1953年花森安治装丁『何も知っちゃいない話』、1969年『のらくろ上等兵』、1973年『ノストラダムスの大予言』、1985年新井素子『ネバーランド・パーティ』、1996年大友克洋『さよならにっぽん』、1997年川勝正幸『ポップ中毒者の日記』、1999年レベッカ・ブラウン『お馬鹿さんなふたり』、2004年メンデルツマの『Checked Baggage』などなど。

僕だったらブルトンやカポーティ、毛沢東語録、村上春樹、永ちゃんの『成り上がり』、みうらじゅん、谷岡ヤスジ、ブコウスキー、カイエ・ドゥ・シネマ、ブルース・リーの『魂の武器』、ホイチョイ、ビートきよしの『レクレーション入門』なんか入れるのにと自分編集バージョンなんかも想像したりします。
 
この本限定100冊で発売されているんですが、AAC(Arts and Crafts)というプロジェクトから生まれたもので、他にも松尾たいこ、長崎訓子、町田尚子、一之瀬ちひろといったアーティストの私家本を制作しています。ウチもそうですが、こういったセルフパブリッシングの世界も、来年くらいにもう少し活性化してくれる事を願ってます。
| Culture | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
ROCOCOへ

今日は六本木ヒルズで行われたスワロフスキーのパーティへ、久々にスタイリストのN山さんとおしゃべりをしました。話題は今度予定されている彼女との対談の議題にもなりそうな2007年デザイン予測に。僕のイメージは2方向。1つはシンプル&クラフト、もう1つはロココです。
 
シンプル&クラフトはここ最近の装飾的デザインの反動が考えられます。先日発表されたシボネ・コレクションのピートの家具のように、シンプルデザインでありながら、伝統工芸的な工程をふまえたものが広がる気配が。そしてその反対に、より装飾的になっていくロココがもう1つの軸になると考えています。
現在の装飾デザインはどちらかというと19世紀に流行った新古典主義的なものが多いです。装飾の中でもかなり洗練されたもの。イメージ色でいうと白、黒、金でしょうか。2007年は時代を逆行して18世紀に回帰します。それがロココです。色はもう少しパステル色が増えます。
 
僕が考える21世紀前半からの装飾ブームの根底には新古典主義的な、簡単にいうとギリシャや古代ローマの様式の再評価があるのにはテロや戦争といった脅威が関わっていると思っています。ギリシャ、ローマ時代は男性的な様式があり、戦争という力をイメージさせます。ヒトラーがこういった様式でナチスドイツを築きあげた事は有名で、力が世の中に蔓延している時期はギリシャ、ローマ的な様式が無意識の中で取り上げられる気がします。そしてその時代は徐々に終焉を迎え、ロココに代表される女性的な様式が表れてくると考えられます。ロココ時代を象徴する3人の人物は皆女性です。1人はポンパドール婦人。ルイ15世の愛人として裏から政治や文化を操っていた人物です。もう1人は現在上野で展覧会をやっている、ロシアのエルミタージュ美術館の創設者でもあるエカテリーナ2世。ロシア帝国が最大だったころの女帝です。最後の一人はオーストリアのマリア・テレジアです。ヨーロッパを代表する貴族、ハプスブルグ家の生まれであり、マリー・アントワネットの母です。ローマ皇帝の妻であり、オーストリア、ハンガリー、ボヘミアの女王だった人物です。この3大女帝が装飾的な文化を繁栄させました。
 
今年エルミタージュ展が行われている事、そしてもうすぐ公開されるソフィア・コッポラの新作映画『マリー・アントワネット』FIGARO Japonでも次号(11/20発売)でチェコ、オーストリア特集が組まれますけどそういった東ヨーロッパの再評価など最近断片的に聞かれる様々な出来事は、必然的にロココブームを予感させる要素でもあるのです。
 
特に西海岸系のトレンドリーダーでもソフィアの『マリー・アントワネット』は映画自体は不評のようですが、新しいスタイルとして昨今のガーリースタイルをさらに助長させると思われます。彼女の視点の面白いところがロココとパンクの共通性を見いだしているところです。映画音楽はバウ・ワウ・ワウ、アダム&ジ・アンツなど18世紀が舞台の映画にも関わらず80年代音楽を採用。当時の様式の中にパンク的なアイテムを見つける事も出来ます。そもそも、ロココは19世紀に新古典主義が始まった頃には“廃退芸術”と呼ばれており、現にロココ時代、貴族の中では下世話で悪趣味な悪趣味な物事がステイタスでした。当時活躍していたモーツァルトの曲『Leck mich im Arsch(俺の尻を舐めろ)』や下世話な話をテーマにした『フィガロの結婚』が貴族に受け入れられたのはそういったところの表れです。最近ドクロがデザインモチーフに取り上げられているところもそういった流れを感じさせます。
 
で、最近の僕はというと50〜60年代のアメリカです。チョコレートサンデーやトッピングたっぷりのスウィートな感じ。やっぱり色はパステルです。はっきり言って悪趣味。この辺の文化って80年代にリバイバルしましたよね? メンフィスもパステルだったし、日本では原宿のクリーム・ソーダなんかが流行ってました。もしかしたら、80年代というフィルターを通してマイブームの50〜60年代とロココは接点があるのかもしれません。
| Design | 23:55 | comments(0) | trackbacks(1) |
お酉様

 
今日は、浅草鷲神社の2の酉ということで夫婦で浅草に行ってきました。浅草は10年ぶりくらいになります。それと僕は新宿の花園神社と目黒の大鳥神社の酉の市に入った事がありますが、浅草の(多分最大)酉の市は初めてです。ウチも自営業をやっている身でもありますので、縁起担ぎ、商売繁盛祈願として熊手を買いにいく事に。ブログ仲間でもあるFORMさん夫婦の地元ということでベタに雷門の前で待ち合わせ。仲見世や浅草の老舗を周りながら、お酉様へ。
 
そもそも酉の市の発祥は、神話の『天の岩戸』から来ています。ストーリーはご存知かと思いますが、天照大神(あまてらすおおみかみ)が岩戸に隠れたときに、天宇受命(あまのうずめのみこと)が踊り、天手力男神(あめのたぢらをのみこと)が岩戸を開けたんですが、そのとき天手力男神の息子で弦を演奏していたのが天手鷲命(あめのひわしのみこと)という人でした。岩戸が開いた瞬間、弦の先に鷲がとまったので、世の中を明るくする開運の鳥という事で祀られるようになったそうです。その後、浅草の鷲神社に日本武尊(やまとたけるのみこと)が東国遠征で勝利祈願に訪れ、その際に熊手をかけ、見事先勝し、再度お礼参りに来た事から熊手を祀る事が始まり、その日が11月の酉の日だったことから酉の市が始まったそうです。
 
まあ実際は神話なので真実ではないと思いますが、以前にメキシコの骸骨を紹介したときに話したように、人類の信仰の原点は太陽であり、太陽のおかげで実りがあり、動物や人間が生きていける事から、エジプトもマヤも太陽を信仰していました。日本も天皇家のルーツでもある天照大神(あまてらすおおみかみ)は太陽神ですので、必然的に信仰する訳です。冬は日照時間が短く、太陽が出ない時間が多くなるので、人々は不安にかられお祭りごとを始めました。クリスマスもキリスト以前から存在していましたし、こういったお祭りが世界中で行われるのは、太陽への信仰が密接に絡んでいます。このお酉様も神話と絡めてお祭りすることになったのでしょう。
 
神社の境内にはたくさんの熊手を売るお店が出ていました。どのお店を見ても最近は出来合いのプラスティック製の鯛やおかめなど縁起物を寄せ集めたようなものばかり、その中で1つ1つ手彩色で七福神を描いていたお店があり、そこで買う事にしました。上の写真です。そのお店は山田屋さんというところで、浅草でも老舗中の老舗だそうで、売約済の札がずらっと並んでいて、有名歌舞伎役者だったり、TV局なんかお得意さんが多かったです。隣にいた老婦人も35万円も買っていました。
その後、FORMさんの案内で文字屋という有名なもんじゃ屋さんに。こういうとこではついつい僕は鉄板奉行になってしまいます。うまくてしかも安い。さんざん食べて飲んで1人1200円ぐらいでした。帰りがけにおかみさんに熊手を見られ「山田屋さんのものは本物の金箔を使っているからちょっと他とは違うのよ」なんていううんちくを何度も連呼され「今年の熊手を奉納するときにまた来るね」と言い残しお店をあとに。
それから11時くらいまでFORMさんの自宅でお茶をいただき、満足した1日でした。
 
最近下町には行ってなかったけど、たまにいくといいですね。面白いおみやげものもいっぱいあるし。また近々下町巡りをしようと思っています。
| Culture | 23:55 | comments(1) | trackbacks(2) |
Inland Empire


デイビッド・リンチの新作が来春公開されるそうです。以前ここでも紹介した『マルホランド・ドライブ』が2001年だったので、5年ぶりという事になります。
先だって9月にヴェネチア国際映画祭で公開され、栄誉金獅子賞を受賞。リンチは今年還暦だそうですが、この賞の受賞者としては史上最年少だそうです。過去にも『ワイルド・アット・ハート』がカンヌ最高賞のパルムドールを穫っていますが、芸術映画業界はリンチ好きなんでしょうか?
上映時間も3時間と長丁場、いつものごとく難解なストーリーで、ハリウッドを舞台にしたドロドロの世界で、現実と幻想を行き来するところなんかは『マルホランド・ドライブ』みたいな感じ。主人公はローラ・ダーン。『ブルー・ベルベット』『ワイルド・アット・ハート』にも出ているリンチ組の女優。彼女もインタビューで「私自身何を演じていたのか分からない」という始末。3匹のウサギ頭(着ぐるみ)が出てくるらしく、理解不能。ただ、2002年に製作されたショートムービー『Rabbits』がどうやら鍵を握っているらしいです。本編の中のウサギの1人はこのショートムービーと同じナオミ・ワッツだそうです。
そしてなぜかあの裕木奈江も出演しているそうです。(ますます訳が分からなくなってきた)
そしてタイトルの“Inland Empire”は、カリフォルニアのコルトン市の新興住宅地らしいです。ただもう一つ隠語があって、最近実家の納屋で見つかったリンチが5歳のときのスクラップブックに書いてあった言葉から引用したそう。前も話しましたが、彼の描く絵画はどれも内向的な幼少の記憶の断片がタイトルに付けられていますが、今回のタイトルもやっぱりそういった感じですね。これも以前に話しましたが、ナイーブな感じは選曲にも表れ、特に往年のロカビリー歌手、ロイ・オービンソンを使っている『ブルー・ベルベット』の中の“In Dreams”や『マルホランド・ドライブ』の中のレベッカ・デル・リオ(秋吉久美子似)によるスペイン語カバー“llorando(原題:Crying)”などにみられます。今度機会があれば、リンチ映画におけるアメリカ美術の引用と、ケース・スタディ・ハウスのコンセプトを構図に引用している事、1930年代のラッセル・ライト、ノーマン・ベル・ゲディスの論文の引用なんかを話そうと思います。
とりあえず、楽しみな映画です。アメリカでは来月公開されるそうです。
| Movie | 23:05 | comments(4) | trackbacks(0) |
La Clef du secret des secret

葉巻BOX本をお待ちの方、大変遅れていまして申し訳ありません。もうしばらくお待ちください。
現在中に入れる本を製作中です。その中の1冊がウチの鍵コレクションを集めた本“La Clef du secret des secret”です。
 
古くは3世紀のローマ帝国時代のものから70年代のモーテルのものまで約100点を紹介します。鍵が一番凝っていた16〜17世紀のものが中心になっています。写真のものは18世紀のイタリアで制作されたものです。このくらいの時代のものは装飾のグラフィックネタになるので集めていたんですが、今回多分僕のコレクションとしては初公開になります。
葉巻BOXは限定50個ですが、この本は勿体ないので200冊ほど制作する予定です。ちょっとギミックも付けようと思っています。
| Collection | 23:44 | comments(2) | trackbacks(0) |
NEST.

写真は先日オランダで見つけたダッチデザインの本。2004年発行になっており、何度もオランダに行っているのになぜ気づかなかったんでしょう。
A4横くらいのサイズで、ページがすべて蛇腹になっています。
ステデリック美術館の展覧会に合わせて出されたようで、戦後活躍したマリケ・ファン・デル・ウィスト、ノーマン・トラップマン、エド・アニック、初期Droog世代のヘラ・ヨンゲリウス、ユルゲン・ベイ、リチャード・ハッテン、マルセル・ワンダース、イネカ・ハンスから1世代若いピート・ヘイン・イーク、STUDIO JOB、20代のマーティン・バースやクライン・クリスチャンセン、ウォウター・ニューウェンディックなどまでが紹介されています。

写真もまた展示風景を切り取ったような感じでいいです。日本でも取り扱うといいんですけど。
| Design | 23:22 | comments(0) | trackbacks(0) |
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