いつもコメントをいただく、Formさんのブログや妻のブログに刺激されて、今日はCoopa-Rocaを紹介します。
Coopa-Rocaはブラジルの貧困層の女性における自立支援の団体です。現在は150人くらいが登録されているそうです。ここでは、育児や家事など、生活に支障がない範囲で、収入が得られるような物を制作しています。もともとはファッションからはじまり、ブラジルの消えつつある伝統的な刺繍や編み方などを使って(これ自体も社会的役割を担っていますが)洋服を作る事が主体だったようです。最近ではインテリアなどにも展開されて、その範囲は日々広がり続けています。
僕がここに興味を持ったのが、そのデザイン性。全く彼女らの事を知らなかった時に、あまり知られていないブラジル・デザインで欲しい!とまず思った事。Coopa-Rocaって誰だろう?と思って調べていくと実は前述のような人たちである事が判明しました。
ここに、重要なポイントがありました。今、社会貢献と言うと全面的に○○は環境に配慮したものです。あなたの支援(購入)が社会貢献になるんです。などの前面に打ち出した広告や謳い文句をよく見ます。以外とそういうものは、デザインがいまいちだったり、本当に必要な物ではなかったりする事が多いです。彼女らが違うのは、あくまでプロとして他の制作者と同じレベルの商品を生み出している事。お涙ちょうだいではなくて、変な差別無く認められている事です。
彼女らの作品はヴォーグでも紹介され、デザイナーのトード・ボーンチェは彼女らを支援するのではなく、彼女らのセンスに共感し、コラボレートをしています。だから組む方もそこには、変な「彼女らのために」という使命感は無く、あくまでトップ・クリエイターとして同じレベルで共有しあう所に僕は意味を見いだしました。
これ、凄いいい!と買った物が、実はそういう人たちが作っただけの事であって、こういう人たちを支援しようと思って買うわけではない事。ここに、これからの社会貢献のあり方が見える気がします。
僕も、彼女らのセンスに共感しているひとりです。ブラジル・デザインはあまり知られていないけど、近いうちに何か日本でも紹介出来る(既にやっているところもあるようですが、あまり活動がみえませんので)といいと思っています。
同じようなもので、以前AXISでサバン症(知的障害の病気の一種)の人たちの絵を見て愕然としました。僕たちが日常見ているはずの生活の一部ですが、ストレートに表現された絵にはもの凄いパワーを感じたんです。僕たちは彼らの作品展を殆ど見る機会がありません。社会貢献という意識が強いせいか、そういった視点で会場や紹介がなされます。僕はAXISでやるというところにとても意味がある気がしました。
彼らを助けなきゃ、という気持ち自体がもしかしたら上から見ているんじゃないかと思うときがあります。障害がある、無いなんて関係なく、同じ所で戦うからこそ彼らのしている事が見える所も今までありました。
彼らの刺繍作品でも、これって、ギャルソン?って思うようなものもあって、本当にギャルソンがコラボしたら、凄いだろうなあとも思ったりしました。
僕は、こんな感じで何か関わりたいと思っています。僕たちが本当にいいと思える物を意識無く選べるようになれたら、社会貢献なんて言葉も無くなるかも知れません。