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FOLK TOYS NIPPON
先日コラムを寄稿させていただいたK戸さんの著書「FOLK TOYS NIPPON」の見本誌が届きました。K戸さんとはエイ出版で「北欧スタイル」の編集をやっている頃からおつきあいがあり、その後Xナレッジで「Design Addict」の編集長を務めた時も何度かお仕事をさせていただいた。今はフリーエディターをしています。
 
1年ほど前だったか、K戸さん彼女が民俗学の研究をしているとかという話を聞いたことがありました。その影響もあるだろうし、今のトレンドが地方や民俗性がキーワードということから編集者の鼻が利いているところもあると思うけど、数年前までデザイン・アートにハマっていた人とは思えないほど(もちろん今も興味あるでしょうが)、真逆なユルユル郷土玩具がテーマになるとは。
 
過去に民俗学的にまとめられた本はたくさんあれども、若者のトレンドを意識しながら民芸品を取り上げた本は無かったんではないでしょうか? 興味をそそるというアプローチで開かれているという印象を持ちます。(一部のお堅い人には軟派だと思われるでしょうが、コンセプトを理解させながら誰でも分るように啓蒙していく事はとても評価できます)
 
最近、地方やクラフトのブームです。誰かに聞いたのですが、松本で5月に行なわれている「松本クラフトフェア」が2年前は3万人、昨年は10万人、今年は15万人の来場だったそうです。この数字を見ても分る通り、ここ最近の集客の過剰さはブームと断言できます。それも2年前までは業界っぽいトレードショーだったのが、今ではほっこり女子が大半に変わっています。人によっては「伝統の大切さ」「手作りの暖かさ」が認められたと言うけど、同じようなことを25年くらい前にも聞いた事があります。あの時の言葉はどこにいってしまったのか? 

僕はこの本のコラムで、何故僕がフォークアートに興味を持ち、イームズやジラルドがフォークアートを何故集めたのか?という仮説深層心理、それとモダニズムの「劣化」と「再生」に民俗意識が深く関わっている事を書きました。
あくまで仮説ですが、時代背景とタイミングを重ねていくとあながち信憑性が無いわけではありません。
 
ここで言いたかったのは、周期的にクラフトや地方のブームが訪れ、去っていくという事を繰り返している事。多少は理解されているだろうけど「伝統の大切さ」「手作りの暖かさ」なんて今の理屈にしかすぎない。それに反論する人がいるとしたら、5年後にここを読み直してみてください。クラフトなんて言っている人はいなくなってるかも知れませんから。
もちろん形が変化して現在の生活スタイルに合わせて変化し、生き残っていくものもあります。エネルギー問題や温暖化など世の中の環境や風土に対する意識も今までと変わっていることもあるでしょうから。
 
アメリカに「ホールフーズ」というオーガニック・スーパーがありますが、これは60年代末のヒッピーブームの時に彼らが育てた農作物を直売するマーケットから始まっています。(店舗化したのは70年代後半)ヒッピーはいなくなったけど、思想は時代に適応して現在も生きています。
 
しかし、この本にも書かれていますが、昔は現代よりかなり多くの郷土玩具が存在していました。売れなかったり、継ぎ手がいなくなったり、様々な理由で消えていったのです。そして時代に合わせた民族性はクラフトからプロダクトへ大きく移行しています。「ご当地キティちゃん」なんてのは新しい郷土品(その土地で作られているものではないかもしれませんが)になり、ユルキャラグッズは郷土玩具の動物にとって変わり、本来の手間がかかるクラフト品は更に無くなっていくでしょう。
それを悲観的に捉える人もいますが、時代が変われば物の形も変わるのは当然で、形が変われどそういった郷土品に惹かれる気持ちは永遠に続いていくものだと思うんです。
 
良い言葉が無くなってしまう。古き良き情景が失われてしまう。良い雑誌が休刊になってしまう。とみんな感情論(特に日本人は大好きなので)で話しますが、良いものが残っていくには前提が必要で、それは求めている規模(ニーズ)だったり、経済性だったりするわけです。古いものでもちゃんと時代に適応して残っていくものもあります。昔からある言葉って言っても生まれて100年くらいしか経っていないものもあるから、戦後に生まれた和製英語だって、今生まれた言葉だって残っていくものもあるということをちゃんと認識しなくてはなりません。
 
僕はこの本を今の時代のトレンドの瞬間を切り取ったように思えました。それはそれで良いんですが、もう少しプロローグとして過去にどう来て今何故郷土玩具なのかとエピローグとしてこの瞬間が未来にどう続いて、変化していくのかの考えを知りたかった。(僕のコラムがそれに近い話だったので、それで補完していると考えたかも知れませんし)これは僕の個人的な欲求かもしれないので、K戸さんに今度会った時は、もう少し突っ込んで聞いてみたいと思います。


Folk Toys Nippon オフィシャルページはこちら
 
《追記》
文中で民族と記した部分、変換ミスで民俗の間違いです。オフィシャルHPに記載があり気づきました。(本文中は修正しました)


| Culture | 23:12 | comments(2) | - |
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コメント
柳本さま


ご紹介ありがとうございます。


こうして言語化していただけると、自分でも見えなかったことが見えてきますし、同時に柳本さんのお考えが、先の民博のエントリーやディーター・ラムスのエントリ、そして本書に寄稿いただきましたコラムとリンクするようで、とても興味深く読ませていただいています。


本書は、才能ある、しかも同世代のアートディレクターや写真家の力でよい意味で、予想以上に今っぽい仕上がりにはなりました。しかし、この本は一方でとても書評しづらい本だと思います。


どういうコンテクストでこの本を解釈したらいいのかというのは、いろいろな文脈が絡まりすぎて、正直自分でも分からないのです。建築の文脈、デザインの文脈、民俗の文脈、歴史と現在の接続、などの延長にあるので。その部分をむしろ柳本さんに言語化していただいたような感があります。ありがとうございます。


基本的には、かわいいやご当地、クラフトブームを超えた何かがあるとつくった本人は思っています。


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ところで、時代が循環するということでいえば、先日、別府の混浴温泉フェスティバルのついでに、湯布院を訪れたときに、それこそ、おそらく一世代前のクラフト、アートブームがそのまま残っているのを目の当たりにしました。


かつての竹下通りがいまだ残っているような状態で、世間的には特に女性に人気の温泉地らしく、にぎわっているのに非常に驚きました。温泉自体はよいのですが、なぜそこでクラフトとアートなのか、まったくリンクがせずに、正直あたまが混乱した次第です。


が、その件は長くなるので、また今度ぜひお話しさせてください。(ちなみに次は、ごりごりの建築・デザイン本をつくります!)
| mk | 2009/07/04 9:00 PM |
mkさん
 
コメントどうもありがとうございました。
詳しい話は今度お会いした時にするとして、湯布院、いいですね。九州の温泉巡りもしたいです。
古くからある温泉地は流行地ともいえる軽井沢や清里なんかと違って時代の流れがゆっくりなのですかね?
 
九州と言えば、悪石島のボゼ祭りに行きたいです。鹿児島県なのに鹿児島から船で10時間もかかるのと、民宿が少ないので競争率が劇高らしいんです。
ボゼ神も、もはや日本では無いです。
http://mytown.j-bee.com/aakgs/akuseki/akuseki.htm
 
ごりごり建築・デザイン本、楽しみにしてます!
| metabolism | 2009/07/06 5:20 PM |
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