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僕にとってのデザインジャーナリズムって何だろう?
 編集者、デザインジャーナリストでもあるF崎さんのブログ「ココカラハジマル」で最近何回かやりとりをさせていただきました。前回エントリーでも少し触れた「デザインジャーナリズム」についてトークであまり聞けなかった事もあり、その消化不良になっている部分を訊ねてみたわけです。
 
(前回エントリーで不適切な言い回しがありましたが、それについても「ココカラハジマル」とS木さんのブログ「フクヘン」でやりとりがあり、誤解ある表現なので削除してもいいのですが、こういった相互関係や言葉の問題を第三者にも読んでいただきたくそのままにしておきます)
 
唐突ですが皆さんはデザインジャーナリズムをどうお考えでしょうか?
 
デザインマニアな僕は批評的視点を持ちつつもデザインの世界の中を泳いでいました。
しかし、企業やビジネスとしてデザインと関わるようになった頃から、デザインとはなんなのか疑問に思うようになってきました。
11月のデザインウィーク時に会場の一つ外の道を歩いていると、そんなイベントなんか全く知らない人が大勢歩いている。
家電量販店で携帯を見ていると横にいたギャルがデザイン携帯を見て「チョー使いにくそう」と言っている。
爆発的に売れている商品なのに流通のバイヤーが飽きてしまい、棚から外されてしまう。
 
僕が仕事で関わっているところの多くはデザインというものが軽視されて、都合がいいところだけ便宜的に使われています。多くの場合、デザインはかっこいいものとかエッジの利いたものとかという認識しかありません。それはデザイナー自身もそういうものだと認識している人もいるでしょう。
デザインに対する一般の誤解を感じれば感じるほど、僕はデザインに関わってきた僕自身を含め、どこかデザイン好き向けの身内受けすることをやっていたのではないかと思うようになってきました。
また、デザインに興味の無い人を上から目線で(例えば分らない人はダサイとか)見ていなかっただろうか?とも思う事もあります。
実はこの気持ちが見えない壁を作り、誤解を生み出しているのではと感じるようになってきたのです。
 
もちろんデザインジャーナリズムはデザインに向けて必要でしょうが、この誤解を解くにはデザインを誤解している人向けにコミュニケーションを取っていくしかありません。
たとえデザインという言葉を使わなかったとしてもデザインはどれだけ人々の利害関係と結びついているかを伝えなければならないと思っています。
 
デザイナーに対しても、前回のエントリーのように自然や先人に畏敬を持ってもらいたいと思います。そしてデザイナー達がクリエイティブと思っていない世の中の人達は極めて本能的にかつ的確にデザインを捉えている事を知る事も重要だと思います。
おばちゃんやギャルのほうが、より本能的で的確だと僕自身も感じる事が多々あります。
 
僕は幼少の頃、変な子供と思われていました。親にも訳の分からないガラクタを集めていると思われ理解してもらえませんでした。僕はその頃みんなに理解して欲しかった。そこで僕が考えてあげく発見したのは「相手の身になる」ということでした。つまり、相手が興味がある切り口であれば関心を持ってもらえるのではというものでした。
その1つが「価値」です。TV番組「なんでも鑑定団」によって多くの人が見向きもしなかったものがお宝になりうるということで関心を持ち、大衆に愛される長寿番組となりました。
 
4年ほど前、BRUTUSで「切手デザインをなめんなよ!」という特集前半を監修させてもらいました。(後半の美術切手はS木さんですよね?)切手は絶大なマニア市場がありながら、彼らの文脈の中で価値観が定められ閉鎖されていました。だから外側から見る人は「オタク」という偏見で見てしまいます。僕は切手にはもっと多様な楽しみ方があるはずだ(僕自身そういう観点で集めていたので)それをBRUTUSといった開かれた媒体で取り上げてもらい、その後かわいいという観点で切手を集める女子が爆発的に増えました。
 
エアライン、鉄道、僕も関わってきたこれらのものも同様に、今ではかなり大衆的になってきたと思います。
 
宗教や民族学をお笑いの観点から大衆に浸透させるみうらじゅんや「アメトーーク」のOO芸人にも似ています。
 
こういったことはデザイン業界にも通じると思います。人は直接の利害関係がないとなかなか興味を持ちません。どのようなアプローチが利害関係と結びつき、デザインの誤解が無くなることに繋がるひとつの要素だと感じています。
 
社会性といったら大げさですが、デザインの文脈から一歩出る事が僕なりのデザインジャーナリズムなど思っています。
もちろん、これだけがやり方では無いですし、僕は信じていますがやり方を間違っているかも知れません。それでも信じているのは実際これまで何度か成功してきたからです。
 
僕のスタンスはデザインマニアが喜ぶよりいいものを批評することでなく、どうしたら大衆がデザインに興味を持つかという部分です。だから最近は専門誌やデザイン的アプローチより外側で仕事をすることも多くなっています。
でも、僕自身はやっぱりデザインマニアです。多分この気持ちも無いとデザインに対し愛情ある関わり方が出来ないんだと思います。
| Design | 23:04 | comments(13) | - |
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| - | 23:04 | - | - |
コメント
モノをつくりデザインの現場に近いところに身を置くものにとって、もの凄く興味深いエントリありがとうございます。

柳本さんのおっしゃる「クリエイティブと思っていない世の中の人達は極めて本能的にかつ的確にデザインを捉えている」点については同意なのですが、私は特に、本能が人のどこにどのように反応しているのか、そのメカニズムや構造のようなものに興味を持っています。表層に現れていない部分をテーマとして追いかけていきたいと思っています。

また、広義のモノをつくる際、「相手の身になる」ということも日々心がけていますが、残念ながらなかなかニセモノレベルにしか到達できません。しかし偽でも他人の目になりきるということ、視点を移動させないとタコツボの主観から脱出できないので無理矢理やっていますが、相手はたくさんいて興味の対象も千差万別なので、いつも試行錯誤の繰り返しです。
| tazuke | 2009/05/20 9:32 AM |
こんにちは。ご無沙汰しております。

(どこかデザイン好き向けの身内受けすることをやっていた)
     ↑
この意見は僕も同感です。connect auction の時もお話した通り僕らの最大の失敗は一般へのアプローチの失敗だと感じています。業界内の話題やマニアの中での話題は結局それらの人達の受ける事をしなければならない重圧を背負ってしまいました。これを取り払おうとミッドタウンでの開催を踏み切ったのですが結果は散々でした。大手代理店という一般受けする事を考えるのが得意な人達と一緒に進めたのですが、彼等の力を借りても一般の人達の心に響きませんでした。一般の人にはペリアンの貴重なテーブルはちゃぶ台であり、倉俣のハウハイザムーンは座り難い椅子。一番人気は岡本太郎の椅子と、デザインマニアからしてみれば?な意見を沢山聞く事ができました。僕はあの場所でスタッフに接客の仕方をマニア的な意見は絶対にしないように指示しました。ファッションの接客を理想としました。特にデザイナー名や作品名は説明しなくてよいのでまず椅子に触れさせる事に重点を置きました。これはファッションの接客がまずその服に触れさせて試着させて購買まで持って行くような事をイメージしました。

一般の人の意見を聞くとデザイン家具とはなんと言うか自己満足的な作品とよべる物があまりにも多いなと感じました。

同じ時期にMUJIがとなりでトーネットの発表をしていました。あれを見た瞬間にこのアプローチは凄いなと思いました。デザイン業界以外のところがアプローチをすれば結構大衆に浸透するのかなと思った瞬間です。

また最近の極論も結構恐ろしいかなと思っています。何かの雑誌で(デザインは死んだ)。と書いてあるのを見ました。みんなが民芸やクラフトに行ってしまう事も危険だなと思っています。

バランス感覚が重要なのではと思っています。うま〜く一般の人に浸透させて普通の生活の中にデザイン商品をとけこませる事が良いのかなと思っています。物が重要でありデザイナー名や作品名は後からで良いのかな?と思っています。デザイン本来の機能優先、機能美にもう少し着目して商品を作るアプローチがデザイナーには必要なのかなと思っています。

デザインのジャーナリズムにはもちろんエッジの効いた評論や歴史的な位置づけ等も必要ですが、一般の人が興味を持つ評論の方が現在は必要なのかなと思っています。そんな役割をY本さんには期待しています。

いや〜文章にすると難しいです。なんかメモ書き見たいな文章になってしまいました。いつも話をしている事なんですが。。。。。

| elmonarita | 2009/05/20 10:34 AM |
metabolismさま

僕が思うデザインジャーナリズムとはデザインが世のため、人のためと言っておきながら、見えなくしてしまったものを可視化することだと思います。
ある一部のデザインはあるときから、より良い暮らしや、社会のためといいながら、柳本さんが書かれていたように流通や経済、ファッションやトレンド作りのための手段になってしまったように思います。

だから僕はイマジネーションを働かせ、デザイナーの意図を言葉に置き換え、それを社会性と照らし合わせながら書いていきたい。
でも、何が正しい道なのか、そもそも正しい道なんてものがあるのか、僕はまだ模索しています。皆で語り合いながら考えたりすることが出来たらいいです。
| FORM | 2009/05/20 1:48 PM |
tazukeさん
 
無意識のニーズを意識的にしていく事はとても困難であり、逆に97%という潜在意識を1%でも知る事が出来たら大ヒットを生み出す事が出来るのかも知れません。
 
前にもエントリーしましたが、人間観察(行動学分析)は行なっているつもりです。また、前回のエントリーのように過去に体験した五感で感じた記憶の中にキーワードがある事も探っています。
 
おばちゃんは毎日夕飯の材料を買いに行き、その経験を何十年も続けています。モノとクォリティの関係をちゃんと見抜く目利き的感覚を常に養っています。この感覚こそ少なくとも皆が持っているもので、そこに入り込んでいきたいと思っています。
| metabolism | 2009/05/20 2:56 PM |
elmonaritaさん
 
先日はレセプションに行けずすみませんでした。その週頭から風邪をひいてしまい、当日午前に打ち合わせに出たら、熱が上がってしまいました。
行く気満々だったのですが、また近況をお話しさせてください。
 
知らないものを知ってもらうというハードルはとても大きい事をコネクトでは実感しました。そもそも文脈にひもづけしないとどんな大きなアプローチをしても引っかからないですね。
逆に僕達が守ろうとしていたデザインの良さまで崩されてしまう結果になりかねません。
一度崩されてしまうと復活は相当大変です。
僕たちが思っている以上に大衆はデザインを意識していません。だからデザインミュージアムなんかもなかなか形にならない(なっても存続が難しい)。ましてやオークションはヤフオクなど他の仕組みがあるためさらに困難を極めますね。
| metabolism | 2009/05/20 3:10 PM |
FORMさん
 
変な消費や流通をされてしまう大きな要因は、デザインというものの認識の温度差と各立場の認識がうまくいっていないからだと思います。
デザインしている側がデザインを大事にするあまり一般には関係無いこだわりや、壁なんかを作ってしまって、結局デザインを高尚でとっつきにくいイメージに祭り上げてしまっている。
 
多くの団体って社会に虐げられてきたマイノリティの結束だと僕は思っているんですが、逆にそれがコンプレックスになって自らが意固地になってしまっているような。人種や性差別など声を張り上げれば張り上げるほど異色な風に陥ってしまうように。
だからデザイナーの声を聞くことだけがデザイン環境を良くする事ではなく、お互いの主張に耳を傾け、合意する事こそが重要なのだと感じています。
 
F崎さんやFORMさんはそれを言葉を使ってコミットしていくでしょうし、僕はモノの出来る前の段階やイベントなど多媒体を使ってコミットしていくことに役割を感じています。
 
FORMさんの批評にはそこを期待しています。
素人的視点でどこが問題なのか?逆に素人に理解できる言葉でいいところの根拠(←これが大事)を示して欲しいと思います。問題を振って怒るデザイナーや建築家がいたとしたら、どこか上から目線になっている証拠で、ユーザーが一番シビアな批評家なのですからその意見は重要だと思うんです。
僕はFORMさんのミーハーなところがその核心に迫れる武器と思っています。もっとその武器を使ってください!


| metabolism | 2009/05/20 3:33 PM |
僕はお互いの個性を尊重しながら寛容し共存していく気持ちを持つ謙虚さが大事だと思っています。
 
人間は地球に対してどこか上から目線になっている。
ネズミ算という言葉などでネズミの繁殖の凄さは皆さん理解しています。しかし、普通に繁殖していたら世界はネズミだけになってしまうはず。そこには自然の摂理にあわせた淘汰がされ、ちゃんと一定の数以上は増えなくなっています。

では、人間はどうか? 戦争なんかを起こして数を減らせとは言わないけど、もうすぐ100億人を超えようとしています。そして自分たちがどこか偉い気になっていることろがあります。
そのしっぺがえしが、昨今話題のインフルエンザだったりするんだと思います。僕たちが主張しなくても、生きる権利はウィルスだってあります。予防や防止をすればするほどさらに強くなって攻撃してきます。共存のバランスが崩れ、権威を主張している側に跳ね返ってきてしまう。
 
僕は世の中のあらゆる誤解や主張に当てはまる気がします。
相手の権利も主張し共存できた時に、本当に求めていた反応が起るような気がしてならないのです。
| metabolism | 2009/05/20 3:53 PM |
お久しぶりです。
僕的にはデザインジャーナリズムはありなんじゃないでしょうか。
しかし、デザインが先に行きすぎて本質が見えなくなっている。●●協会みたいな井の中の蛙になってるのは悲しい限りです。

前にもお話にでていた近江商人の心得「三方良し」を伝えるのがデザインジャーナリズムなんじゃないかと思うんです。

僕自身、デザインを生業としていてもなんだか「デザイン」ということばに吐き気すら覚えてしまいます。
でもデザインという機能は大好きですし、生活とかかわり合うためには必要なものだと信じてます。

家電にしろ、携帯にしろ、飲料にしろ使い捨てのデザインが多すぎる。これは企業にももっと作ることの意味をもう一度考え直す時期なんじゃないでしょうか。

デザインを対象物にするのではなく、企業、モノ、消費者から辿って行く伝え方の方が企業・デザイナー・消費者が理解しやすいと思うんです。

もちろん伝えるべき対象を考えなければならないですが。。

上記のみなさんみたいに僕は頭が良くないので上手くはいえないんですが、感覚としてはそんな感じです。

あぁ、そんな本を作りたいですね。
| SLOW | 2009/05/20 8:03 PM |
SLOWさま
 
売り手良し、買い手良し、世間良しの近江商人「三方良し」。
まさにバランスのとれた構造ですよね。
 
SLOWさんはディレクターになってちょっと俯瞰からデザインを見るようになって、現状のデザイン領域の狭さを実感したとおっしゃっていましたが、僕もまさにそういうところに今立っています。
 
もし、デザインされたモノだけ理想な形になっても運用を間違うと全然よくならない。
僕はコンサルみたいなことをやっているけど、まさに運用の部分を整地化する事でデザインを守っていく立場にいます。
 
これを大げさにすると「教育」っていうところにどうしてもぶちあたるんですよね。本もそうですが、いろいろな手段でやろうとは思っていますので、引き続き是非ご協力ください。

| metabolism | 2009/05/21 12:27 PM |
そうなんですよね。
結局、僕なんかもなぜそうゆうとこに行き着くかというと
デザインを守りたいからなんですよね。

デザインは企業と社会をつなぐものだと思います。

このつなぐという行為をなんとか実践したいところですが
デザイナーだけではなかなか成就しない。
一介のデザイナーが役員、担当者、営業、広報、いろんな人に理解してもらわなければならないというのが難しいです。

柳本さんにはそのつなぐという役割を是非噛み砕いて伝えて欲しいと思ってます。
もちろん僕もがんばりますが(笑)

ぜひ、いろいろ協力させてください。
| SLOW | 2009/05/21 5:08 PM |
はじめまして。

私は、デザイン好きな仲間とメールでデザイン(インテリア、建築、アートなど)の情報交換をするコミュニティを作っています。

私はあまりデザインに詳しくないのですが、周りの仲間はデザインマニアといった感じでかなりデザインに精通しています。たまに、マニアの人では当たり前のことを私が知らなかったり、有名なデザイナーの作品を批判したりすると、それに対して反発や批判を受けることがあります。

私はデザインに良い・悪いとか、正しい・間違っているなどということは無く、個人の好みでいいのではと思っています。特にデザインマニアの方は、いわゆる有名なデザイナーの作品を知らなかったり、理解していない人を排他的に見ている感があり、それが一般の方にデザインを浸透させるのに邪魔をしているような気がしてなりません。

私は個人的にovest designというデザインサイトを運営していますが、無印やIKEAしか知らない人や家を建てるときにハウスメーカーしか考えつかないような一般の方に、世の中にはもっと楽しい、すばらしい世界がありますよ、ということを伝えていきたいと考えています。
| ovest design | 2009/05/22 12:50 PM |
SLOWさん
今後ともよろしくお願いします。本以外にも何かやりましょうね。
| metabolism | 2009/05/25 1:31 AM |
ovest designさま
サイトの方見させていただきました。
デザインに詳しくないって、充分詳しいですよ!!(笑)

デザインマニアの排他感、よく分かります。
ovest designサンのサイトでももう少し突っ込んで、デザインの見方とかどうして紹介しているデザインがいいのか、相手が納得できる根拠をちゃんと伝えれば、もっと知ってもらえる人も多くなると思います。
| metabolism | 2009/05/25 1:37 AM |
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