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紙メディアの変化
 ちょっと遅くなりましたが、DTP WORLDで連載していたDesign=Socialが4月発売号を持って終了しました。というのも、DTP WORLD自体が休刊となったからです。
 
この雑誌が創刊した90年代後半は、web世代であっただろうし、webデザイナーももてはやされていたのを仕事をしていて感じていました。僕が会社員になった90年代始めはまだ、ほとんど写植の時代でしたが、95年くらいを境にDTPに以降していった。世の中のニーズからこの雑誌は生まれたのだろう。もはやDTPも成熟し、DTPをフックに雑誌を作っていく事が困難になってきたのかなあと思う。
 
そもそもこういった雑誌は立ち位置が難しい。DTP専門であれば単行本でも読めるし、毎月紹介する意味もあいまい。こういったことから数年前にリニューアルし、僕はその時から連載をはじめた。専門知識よりはもっとカルチャーに近い要素を重要視したのです。
 
前から何度かエントリーしているのですが、本来専門的分野はその周辺(カルチャー)に影響されて成り立っていると僕は思っています。しかし雑誌などではよく「カルチャーを扱うと広告がつかない」と聞きます。現状の雑誌は広告で成り立っているようなものですから、そういったカルチャーを排除し純粋専門分野に特化していくものを作らざるを得ません。結局、How toやカタログみたいになっていくんです。
アパレルなんかは特に顕著で、今期コレクションでデザイナーがどういったコンセプト、インスピレーションでデザインしたか(カルチャー的な部分)といった部分はいらないようで、限りなく多く服を載せる方が良かったりします。背景なんか必要無いんです。だから、お店にいってもショップスタッフは今期コレクションの背景を理解していないので「今期は明るめの色がおおいんです」なんていう見れば分るセールスしか出来ない事が多いです。本当は明るめになっているデザイナーの意図、それが民族回帰だったり、個人的な開眼だったりがあって成り立っていると思うのですが。せめてブランドだったら、本部から送られてきたからそれを売ってますではなくて、コンセプトを理解して欲しいと思うのですが。
 
ちょっと脱線してしまいましたが、日本ではカルチャーが人気ありません。僕は大量消費をさせるために仕組まれた愚民化政策のようにも感じてしまうのですが。
 
Design=Socialでも言い続けていた事ですが、ものは突然生まれてくることはありません。過去から続く文脈の中から環境や情勢をその時々のタイミングで加えて生まれてきます。
それを背景として別にものを売る時にうんちくをたれなくてもいいと思いますが、せめてそういったことが経済と関わっている事くらいは理解して欲しいと思います。あまりにも考えないことが多い。そんな気がするのです。
 
そしてここ最近出版業界が変わってきたように思います。
まず、雑誌というものの存在意義が薄れてきています。僕は本来雑誌は定期購読というようなものがベースにあると思っていて、定期購読させるには常に購読者の生活スタイルにあった内容が求められてきます。でも最近は売れる事(もしくは広告が入りそうな)を目論んだ特集が多く、今号は僕の興味に合うけど、次号は合わないなんてことが増えています。そうすると定期購読よりは単発で買った方がいいということになる。定期購読だと事前に部数も読めるし販売計画が立てられるのでロスが少なくなり、安定した購買者がいるということは雑誌のブランド化にもなってくると思うんです。
この曖昧さが雑誌離れを加速させた要因の一つになっていると思います。
 
もう一つはケータイ小説なんかのようなライトノベルの登場で単行本に対しての認識が変わってきたこともあります。
本来、単行本は長期的に保存価値がある内容を目的に発行される事が多かったと思いますが、最近ではとても短期的で消費する内容のものが多くなってきています。
例えば人気経済評論家の勝間和代なんかは、2ヶ月に1冊くらいのペースで新刊が登場します。内容をみると「こんどの0月に講演会がありますので是非参加してください」なんていう内容も盛り込まれている。0月過ぎたら賞味期限が過ぎた情報になってしまうのです。
しかし、単行本のいいところは雑誌よりも単価は高く、マーケットも狭くなる変わりによりコンセプトをはっきりさせたアプローチが出来るのと、広告収入に頼らないのでジャーナリズムがちゃんと打ち出せるところにあります。
 
僕は前にも、これから雑誌は2極化し、一方は情報に特化したフリーペーパー(ホットペッパーなど)ともう一方は単価が上がりより充実したコンセプトと内容、そして装丁などノプロダクトデザイン的なものになっていくと言いましたが、雑誌がムックを通り越して単行本的になってきている現状はこのプロダクトデザイン化への移行期なんだと感じています。
 
これからは広告収入に頼らず、よりコンセプチャルな内容でありながら、時代性を反映した(読まれる時期の限定した)単行本的雑誌が増えてくるように思います。

| business | 23:06 | comments(3) | - |
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コメント
>せめてブランドだったら、本部から送られてきたからそれを売ってますではなくて、コンセプトを理解して欲しいと思うのですが。

まったく同感です。ぼくは、国内はそうであっても、ヨーロッパはそうではない背景やコンセプト理解に力を費やすべき市場なので、すくなくても、ヨーロッパに対しては、そこにもっと力を入れるべきだと言ってきました。

ヨーロッパの美術館、ミラノサローネでの展示会、こういう場所で入り口に掲げている「趣旨」を、ヨーロッパ人は熱心に読むことに注意してください、と。最初はワードで書いて、そのあとにパワーポイント。パワーポイントを最初に書く発想では通じない、と。

宣伝になって恐縮なのですが、6月3日、千代田区一番町の日欧産業協力センターで以下セミナーを行います。文化的背景を知る大切さを話します。お時間がありましたら、おいでください。とにかく、3日がだめなら、別の機会にでも一度お会いしたいと思います。

http://milano.metrocs.jp/archives/1642

| anzai | 2009/05/16 7:24 PM |
anzaiさん
 
たまたま先日anzaiさんのブログを覗いたら日本で講演会をやるということで、是非参加しようと思っていた所です。
ビジネス的にデザインを語る人は少ないのでanzaiさんの貴重なお話しをお聞きできるのを楽しみにしています。
 
これは何か予約などは必要なのでしょうか?
講演会後でもお声をおかけしますね。
| metabolism | 2009/05/17 4:23 AM |
それはありがとうございます。

お手数ですが、案内の下に書いてある日欧産業協力センターへ参加の申し込みをしていただければ幸いです。

お目にかかれるのを楽しみにしています。
| anzai | 2009/05/17 6:30 PM |
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