北京オリンピックのための開発は凄まじい物があります。天安門の前に前門というエリアがあり、天安門に向けてまっすぐ伸びる大きな通り、東京でいうと表参道のような通りですが、そこを全て閉鎖し、すべて取り壊し、古き良き時代の中国の建築風に作り替えるそうです。日本でこんな土地買収は不可能に近い。中国は共産国だから土地は一応すべて国の物。それを売買している人たちはちょっと滑稽です。
国が立ち退き要求を出せば、出て行かざるを得ない。だからこんな大規模な開発ができてしまうのです。
北京市内のこういった広い通りは渋谷を歩いているかのような商業施設が建ち並んでいますが、一本路地を入るといきなり古い町並みが広がり、今までと同じ生活を続けています。こういった路地の小さな道を胡同と呼ぶんですが、僕たちが撮っている写真のほとんどは、こういった胡同の風景です。
上の写真は新進開発地区のSOHOから少し歩いたところにあった胡同です。波のようになった白壁と、そこに開いた窓の形が面白いです。
こういった胡同にも古い集合住宅はあります。なぜかベランダで鳩を飼っている人が多い。手前の三輪バイクは簡易タクシーです。
子供の頃見た事がある豆炭。この辺の人たちはこれで生活しているようです。豆炭を売り歩く業者の自転車です。
これは違う胡同。幼い頃に日本の田舎で見た風景によく似ています。
通りに貼り出されていた紙。豆炭で暮らしているので、一酸化炭素中毒には気をつけるように。死んでから悔やんでも知らないよ。といった内容でしょうか。
夜はちょっと離れたところにジンギスカンを食べにいきました。
ネオンや提灯で派手だけど、香港とはちょっと違いますね。
北京は人種のるつぼ。中国国内の多くの民族が集まり、シルクロードの関係で中東あたりの文化や近所の朝鮮、モンゴル、ロシアの文化がミックスされています。だからジンギスカンのお店も当たり前のように見かけます。
でもなぜか日本人があまりいません。タクシーの運ちゃんから携帯を渡され「家族としゃべってくれ」と頼まれたり(北京語は分からないので、そんなニュアンス)お店でも、かわるがわるスタッフが日本語で「こんばんは」と声をかけに来たり、日本人はそんなに珍しいのでしょうか?