Japainのkinkinさんのコメントの中で「寛容」というキーワードがあったので、ちょっと思う事を書きます。
ラス・ビハリ・ボースという人物をご存知でしょうか?
多分ほとんどの人が知らないと思います。でも、ガンジーは知られていますよね?
2人はインド独立のために立ち上がった人ですが、ガンジーは非暴力で、ボースは爆弾テロという手段を使いました。テロを起こしたボースは日本へ亡命しました。世界中に彼は受け入れを要請しましたが拒否され、日本の支援者が受け入れてくれたのです。
その亡命に大きく関わったのが
相馬愛蔵という人物です。
僕は15年くらい前、編集仕事でいろんな会社のロゴを調べた事があるんですが、その時この相馬愛蔵の事を知りました。彼は
新宿中村屋の創業者なのです。
ロゴマークはHPの左上にあります。日本の老舗にしてはとてもヨーロッパ的。相馬の名前から2頭の向き合う馬を使い、太陽と月、つまり
陰陽思想をとりいれ、平等を表す天秤があります。チェックの意味は忘れてしまいました、すみません。
ちょっと脱線しましたが愛蔵はボースを受け入れ、かくまいました。ボースはその後、愛蔵の娘と結婚までします。そして、このかくまわれていた時代にインドの本格的カリー・レシピを提供し、現在の中村屋の看板でもあるカリーが生まれるのです。
それゆえに中村屋のボースは日本における「カレーの父」と呼ばれています。
そしてボースをかくまった人物の中にもう一人重要人物がいます。頭山満という右翼の重鎮です。現在、右翼というと日本に独立して考えられますが、戦前の国家主義者はアジア全体で物事を見ていました。ヨーロッパの植民地が多かったアジアをグローバルにとらえ、解放運動を起こしている国々には惜しみない援助をしていたのです。
本気で日本の事を考えた愛国主義者は、近隣の国々にも愛の目を向けていたのです。
僕自身も日本を愛するのであれば、他人に愛される日本人でなくてはならないと思います。他人を受け入れる寛容の心こそ、愛される自分たちになるのではないでしょうか?
写真は日本におけるボースを紹介した本「
中村屋のボース」です。